オンライン書店からスタートしたアマゾン・ドット・コムは、今や“アマゾン帝国”と呼ばれるほどの巨大規模にまで成長しました。
向かうところ敵なしの秘密とは? アマゾンの圧倒的な強さの謎に迫ります。
「アマゾンなしでは生きていけない!」と言わせる
アマゾン・ドット・コムは、1994年7月、現CEOのジェフ・ベゾスによってアメリカのシアトルで創業されました。
こちらの記事によるとアマゾンは、創業当初、オフィスの家賃を節約するために治安の悪い場所に本社を置いていました。社用車もボロボロのものを大切に乗っていたそうです。
その理由は、ベゾス氏の徹底した“顧客第一主義”。削れるところは極力削り、顧客の満足度を少しでもアップさせるために資金を投じてきました。そしてその姿勢は、20年以上たった今でも変わらないまま。
元マイクロソフト社長・成毛眞氏の著書『amazon 世界最先端の戦略がわかる』によれば、アマゾンが最強である理由のひとつが“サービス精神”。
アマゾンは、「地球上で最もお客様を大切にする企業であること」を掲げている。アマゾンの「お客様へのサービス」たるやすごい。(中略)結果として、アマゾンが生活に占める割合は大きくなり、会員はどっぷりつかってしまい、脱会する気すら起きないだろう
成毛眞著『amazon 世界最先端の戦略がわかる』より引用
たとえば、月額400円のアマゾンプライム会員になれば、音楽も聞き放題、漫画・本・雑誌も読み放題、さらにプライムビデオでも映画やドラマが観放題。通販でも送料無料なので、「むしろ安いくらいだ」と思うでしょう。
しかし、なぜここまで?
ここまですれば、顧客のライフスタイルに簡単に入り込んでしまうし、さらには会員をやめる気力もなくなるはずだ。会員でありつづけると、ついアマゾンでまた物を買ってしまう。プライム・サービスとは、そういうシステムなのである
成毛眞著『amazon 世界最先端の戦略がわかる』より引用
「アマゾンなしでは、もう生きていけない!」と思わせること。これが、アマゾンの強みです。
地球規模の複数のビジネスをひとつに
事業範囲の広さも、強さに繋がっています。
赤字続きでも、決して“攻めの姿勢”を崩さなかったというベゾス氏。書籍の販売だけにとどまらず、新しい分野やテクノロジーにも積極的に投資してきました。
その結果、今ではクラウドサービス(AWS)やオリジナル動画コンテンツ、そして無人コンビニ「アマゾンゴー」など、時代の流れを読みながら多種多様な商品・サービスを提供するように。
さらに、独自の物流ネットワークを持ち、アマゾンに出資している事業者向けの金融事業まで手掛けています。まさに、世界を制するアマゾン帝国。
アマゾンの基本姿勢は、単純だ。本業をする上で生まれた技術やサービスで横展開できそうなものがあったら、それを育てる。あるいは、近接する領域の事業があったら、それに乗り出す。ただアマゾンが特異なのは、そのために多額の投資をし、それぞれを、その業界でトップに立つほどの大事業にしている点だ
成毛眞著『amazon 世界最先端の戦略がわかる』より引用
たとえば、AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)は、アマゾンがネット通販のために自社で構築したITインフラを、クラウドサービスとして他社に定額で提供するというもの。
企業はいちいち自前のITインフラを用意していたら莫大な費用と時間がかかってしまいますが、定期的にアマゾンに使用料を支払ってサービスとして利用すればかなり負担が減ります。
次のトレンドをいち早くキャッチし、顧客のニーズに敏感なアマゾンだからこそ提供できたサービスと言えるでしょう。
アマゾンの強さの理由はもちろん他にもたくさんありますが、とりあえず上記のポイントはぜひ押さえておきましょう。
[成毛眞著『amazon 世界最先端の戦略がわかる』(ダイヤモンド社)]Image via Shutterstock
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