家を探すときに必ずお世話になる、不動産ポータルサイト。なかでもリクルート住まいカンパニーの『SUUMO』は、最も身近なもののひとつです。
その『SUUMO』の賃貸部門でUI / UX(ユーザーインターフェイス/ユーザーエクスペリエンス)および商品企画を担当する勝田良介さんは、不動産とテクノロジーを融合させたサービスとして注目を浴びる「ReTech」(不動産テック)によって変わりゆく不動産事業をけん引する若手のホープ。
勝田さんに、仕事の醍醐味や業界のこれからについてうかがいました。
勝田良介(かつた・りょうすけ)さん
株式会社リクルート住まいカンパニー ネットビジネス統括本部 プロダクトデザインユニット 賃貸プロダクトデザイングループ マネージャー
2011年にインターネット人材採用第1期生として株式会社リクルートに入社。以降、一貫して住まい領域に携わり、スマートフォン領域における企画、開発、集客から新規事業開発と幅広く従事。現在は不動産・住宅情報ポータルサイト『SUUMO』の賃貸領域におけるUI / UXおよび商品企画の責任を持つ部署でマネジメントを担当している。
「三方良し」で幸せな家探し
紙からPCへ、そしてスマートフォンへ。家探しのツールも、ここ数年で大きく変わってきました。『SUUMO』を通じて、家探しをしている人と不動産会社を繋ぎ、より多くのマッチング(成約)を生み出すこと。その最前線でテクノロジーを活用し、より満足度の高い出会いを実現するべく奔走しているのが勝田さんです。
「私がリクルートに入社した2011年は、ようやくスマートフォンが世の中に広がり始めた頃。『SUUMO』でも前年からスマホ版がスタートした頃でしたから、今振り返ってみればレガシーな時代だったな、と思います。今ではほとんどのユーザーが不動産という高単価商材においてもPCではなくスマホでチェックしていますから、入社から数年のユーザーの変化はものすごく大きかったですね」
様々な会社がReTechでの変革に乗り出そうとする一方で、現場はまだまだ紙やFAX、電話の文化が根強いそう。
そんななかにあって、勝田さんが常に意識してきたのは「三方良し」。家探しをする人も、家を売りたい・貸したい不動産会社も、そして両者を繋ぐ『SUUMO』も、全員が満足できる世界を常に模索しているといいます。
「私たちの課題は、不動産会社のホワイトボードやノートなどのようなオフラインの情報までをどうデジタル化していくか、ということ。家探しをする人はどの部屋が埋まっているかなどリアルタイムの情報が欲しいし、直接物件に足を運ばなくてもいいくらいの動画も欲しい。
ただ、不動産会社の方に接客の時間を削ってまでデータ入力をしてもらうのは酷です。ですから、私たちはデジタル化する大きなメリットを提示しなくてはいけない。バランスはとても大切ですね」
個人の成長こそが事業の成長
2017年に社内の組織や人員が大きく変わった際に、現在の部署へと異動した勝田さん。
「『SUUMO』の最前線で業務をして大きな成果を出したいと思っていた」という勝田さんは、競争が激しいマーケットである賃貸領域において、1年で事業を大幅に成長させることに成功しました。
その秘訣を訊ねてみると、答えはとてもシンプルなものでした。
「個人の成長がプロダクトや事業の成長に繋がると本気で信じること。そして、それを実現するための適切なアサインメント、ミッション設計、成長支援、振り返り、フィードバックなどを実行していくことです。当たり前のことをやり続けることが大事。この会社には自分のあるべき姿、ありたい姿を追い求め続けられる人、失敗しても諦めない人が多いので、大いに刺激を受けますね」
そんな彼自身を大きく成長させてくれたのが、以前いた部署での経験。
「事業開発の部署にいたときに身に着いた“課題を特定する力”が、今の自分の強みとなっていると思います。当時の上司に『こういうことがやりたいです』と言うと、必ず『それは事象なのか、課題なのか、問題なのか?』と繰り返しつき返された。『本当に努力してリソースを割くに値することなのか』ということを精査する大切さを叩き込まれましたね。
そしてそのぶん、『やろう』となったら早い。目標を設定したら、それに向かって組織一丸となって邁進する。それはリクルートの企業文化とも言えるかもしれません」
優れたスキルを持つメンバーに成功体験を
では、マネージャーとしてメンバーを育成する立場になった今、勝田さんが心がけていることはどういったことでしょうか。
「チームに入ってくるのはもともとハイスペックな人ばかりです。だから私の仕事は彼らのスキルを成果に繋げるアシストをして、成功体験を持ってもらうこと。もちろん、それが成就しないこともある。そういうときは、仕事の負荷を下げて、自信を取り戻してもらえたらと思っています。あと、自分の過去の成功事例を持ち出さないことも大事ですね」
そんな勝田さんでも「もっとこうしてあげればよかった」と反省することも多々あるそう。
「もっと厳しくフィードバックしたほうがよかったのかな、とか。ただ、私たちには問題が大ごとになる前にそれを検知するためのシステムが色々あります。
そのひとつが“よもやま”。リクルート用語で特に議題を決めずに話す会議のことで、オンラインで予定を見ながら『ちょっと“よもやま”させてもらえませんか?』と相談ができるんです。
マネージャーとしてメンバーとは定例で毎週1対1のよもやまをしますが、横や斜めの繋がりのよもやまもしょっちゅう。そこから新しいアイデアが生まれることも多いんです」
家探し体験を変えるために描くロードマップ
「家探しという体験をより良いものにしていきたい」という勝田さん。ReTechの可能性についてはどう考えているのでしょうか。
「ReTechにもいくつかのカテゴリーがあると思います。借り手向けにはVR / ARの活用、不動産会社向けには業務支援のテーマにとくに可能性を感じています。後者では、追客管理や内見業務、管理会社とのやりとりなど、あらゆる工程においてデータを活用して生産性を上げたり、価値自体を高めていける可能性があると思っています。それができるのは、強力な顧客接点とデータサイエンスの知見を持つリクルート住まいカンパニーだからこそ。
全国の不動産会社の店舗数は、実はコンビニエンスストアより多いんです。そのひとつひとつを大切にしながら、最終的には契約までオンラインでできるようにすることが目標。私たちはそのためのロードマップを描いています」
最後に、優秀な人材は転職が当たり前の世の中にあって、勝田さんが長年この会社に居続けている理由は?と訊ねると「他社の話を聞けば聞くほど、うちの会社にいた方がやりたいことが実現できるとつくづく思う。やれていないとしたら、それは自分が怠けているだけなんです」との答えが。
勝田さんたちの不断の努力が、不動産マーケットの在り方を大きく変えていくのかもしれません。
sponsored by 株式会社リクルート住まいカンパニー
取材・文/山下紫陽、撮影/柳原久子
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