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インタビュー/働くあなたに伝えたいこと

自分は自分。どん底の後で世界は広がる/ 三菱UFJ銀行 執行役員 コーポレート・コミュニケーション部長 南里彩子さん

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2018年6月、三菱UFJ銀行で日本人女性2人目の執行役員となった南里彩子さん。法人営業職初のワーキングマザーとして2人の娘を育てながらキャリアを重ね、女性が働く道を切り拓いてきた。「自分は自分。背伸びはしない」という南里さんに、転機を乗り越え、仕事と家庭を両立するサバイバル術をうかがった。

南里 彩子(なんり・さいこ)さん
三菱UFJ銀行 執行役員 コーポレート・コミュニケーション部長。1992年 4月株式会社三菱銀行入行(現三菱UFJ銀行)、六本木支店。 2011年 1月広報部行内広報グループ次長。2013年12月新宿新都心支社 副支社長。2014年 4月成城支社長。2017年 1月人事部部長 2017年 5月コーポレート・コミュニケーション部長。2018年 6月執行役員コーポレート・コミュニケーション部長 (持株会社) 。2017年 5月コーポレート・コミュニケーション部長。2018年6月現職。

入社3年で「どん底」に

南里彩子さんを一言で表現するなら、「風穴を開ける女性(ひと)」。“お堅い”、“男性優位”というイメージがある銀行界で、子育てをしつつもパフォーマンスを落とさず、新宿新都心支社 副支社長、成城支社長、人事部部長(働き方改革担当)、コーポレート・コミュニケーション部長、執行役員就任と歩みを進めている。順風満帆のように見える仕事人生だが、「山あり、谷ありで思い通りにはいかない。ずっとサバイバルでした」と笑う。

「モチベーションがどん底に落ちたことが2回あります。新卒で入社し、25歳で大企業の法人営業担当になったころが最初の暗黒時代。多くの女性が経験するであろう長時間労働、厳しい上司にぶち当たり、『こんな会社やめてやる』と思いながら働いていました」

しかし3年後に大阪支社に移る頃には、いつの間にか実力がつき、仕事を自分でコントロールできるようになっていた。「仕事って面白い」と初めて思えたのは、どん底の後だったと話す。

苦しいときは次への準備期間。執行役員になった今も毎日チャレンジングですが、コツコツやるしかないと、自分に言い聞かせています」

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疎外感から生まれた、新しい情熱

2度目の“どん底”は長女を出産し、法人営業初のワーキングマザーとして復帰したとき。自分だけ早く帰らなければいけない、大事なことが自分の知らない間に決まっていく。そんな疎外感が南里さんを苦しめた。

「周囲にはすごく支援してもらっていたのに、マイナス思考に陥っていました。でもその後、自分の経験を生かせるチャンスがやってきたんです。当時は『新しい働き方研究会~女性活躍推進隊~』と呼んでいましたが、女性ワーキンググループが新設されて。女性がもっと働きやすくなるように、会社に提言していくことになりました」

その1年後、2006年に人事部女性活躍推進室が立ち上げられる。南里さんは上司から「1週間に1つ、新しい施策を出すように」と告げられた。

「それくらいやらないと、会社に本気が伝わらないと。マニュアル重視の業務とはまったく違う発想、インパクトのある企画を求められ、最初は苦しかったです。でも少人数のセミナーを企画したり、手作りで広報を出したり、社内に相談窓口を作ったり・・・・・・思いつくことはすべてやって、上司や他部署からも様々な意見をもらううちに、自分のアイデアが意外と会社で“通る”ことに気づけたことは、貴重な経験になりました」

アイデアを通す最大の武器は「情熱」。自分の本気度をいかに伝えて、人を巻き込んでいけるかどうかだと南里さん。現在はコーポレート・コミュニケーション部長として社内コミュニケーションや働き方改革、CSR活動などを推進する。女性の寿退社がごく普通だった三菱UFJ銀行でも、育休者が4000人に達するようになった。

「セミナーや講演を企画するときは、万人受けも大事ですが、たった1人でも心から共感してくれることも成功の目安だと思っています。その1がどこかで10、100になる可能性があるからです」

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もう少し世間の夫が早く帰れたら

仕事と家庭を両立するには、家族のサポートも欠かせない。夫とは17年をかけてお互いに育て合い、サポートしあえる関係を作ってきたという。

「子どもが高校生と中学生になって手が離れ、最近では私も1週間単位の出張が増えてきました。夫はもともと料理が苦手でしたが、今は私がいない間は食事の手配をしてくれるし、休日や自分が早く帰れる日は料理を作っておいてくれることも。正直、長女の子育てのときに今のレベルでサポートしてくれたら、相当ラクだったろうなと思います(笑)」

はじめての育休のときは、かわいい我が子をお風呂に入れながら泣いていたと南里さん。

「お風呂上がりに、外で受け取ってくれるだけで助かるのに。なんでうちの夫は帰ってこないのよ!と、ひとり叫んでいましたね。もう少し世間の夫が早く帰るようになれば、世の中の女性はもっと働けると思うんですよ。

私もうちの部の既婚男性に、冗談半分で『今日は遅いね、お迎えにいかなくていいの?』と言ったりしています。お迎えをしない男性も多いので、『それも目標管理に入れましょう。奥さんには、私がそう言っているって伝えておいて』とチクッと言ったり。他社の男性と結婚して、お相手が協力してくれないと悩む女性には、『なぜご主人はお迎えに行かないのかと上司に聞かれた、って話してみたら?』と入れ知恵したり。

んな上司がいるだけで変わってくることもあるんじゃないか、男性上司と違うアプローチもありなんじゃないかと思って。身近なところから試しています」

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常に女性の先陣を切る立場に抜擢される理由をうかがうと、あまり周りを気にしすぎないからかもしれない、とのこと。

「子どもの頃から単独行動が好きで、自分は自分でいいと思える方でした。なにかをやるということは、まわりがやっていないからやらないとか、まわりがやっているからやるんじゃなくて、自分自身で決めること。そういうのを貫く力は、多少強かったのかなと。そんなところを会社が見ていてくれたのかもしれません」

厳しい競争社会で、「自分は自分」という意識を保てるしなやかさ。それが南里さんの包容力の源となり、多くの人に信頼感を抱かせるのだろう。

一問一答、南里彩子さんのお気に入り

Q:朝のルーティーンは?

5時15分に起き、自己流の腰痛体操をして、白湯を飲む。

Q:愛読書、最近読んだ本は?

子育て時代、自分の時間を極大化するために時間管理術の本を読破。年齢が近い柴田英寿さんの『お先に失礼!』は、今も行き詰まると気分転換に読み返す。『それでも人生にイエスと言う』(V・E・フランクル著)と『ビッグツリー』(佐々木常夫著)は、悩んだときに読むと「自分なんてまだまだだな」と思わせてくれる。

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最近Kindleで読んだのはピーター・H・ディアマンディスの『ボールド 突き抜ける力』

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Q:デスクの上には何を置いていますか?

講演会にも来ていただいた佐々木常夫さんにならい、4ヶ月が一覧できるカレンダー。

成城支社長時代に「若手から話しかけられない支社長はだめだ」とアドバイスされてから、鏡も常にデスクに置いている。自分が“怖い顔”をしていないかチェックしたり、人になにか言いたくなったときは自分の表情を見て、「いま冷静かどうか」を確認する。

Q:お気に入りのファッションアイテムは?

スカーフ。スーツはダーク系が多く印象が決まりがちなので、コツコツ集めたスカーフで変化を出している。これはピアノの先生から出産祝いに頂いたもの。

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Q: 人から受けたアドバイスで印象に残っているものは?

たくさんあるが、パッと思い浮かんだのはお客様から「南里さんね、もう南里さんらしく、いくときはガツンといったほうがいいよ」と言われたこと。今も背中を押してもらっている言葉のひとつ。

Q: 1か月休みがあったら何をしたいですか?

海外旅行。あるいは英語の特訓合宿に行きたい。

Q:今会いたい人、会って話を聞いてみたい人は?

シェリル・サンドバーグ。強さを見習いたい。

南里彩子さんがMASHING UPに登壇。企業内でのサバイバル術を語ります

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ビジネスカンファレンスMASHING UP (DAY2)、11月30日(金)の16:25〜のセッション「女性リーダーの企業内サバイバル論」に、南里彩子さんが登壇。企業内でリーダーとしてサバイブする秘訣を語ります。

異なる業種・国籍・性別・分野のひとびとが出会い、いくつもの化学反応を生み出すビジネスカンファレンスMASHING UP。800人を動員し、大好評のうちに幕を閉じた第1弾につづき、11月29日・30日に第2弾を開催します。魅力的なスピーカー陣による熱いセッションが目白押しです。

カフェグローブ特別割引【2日間チケット通常18000円→14000円】あり。チケット購入ページで以下のプロモーションコードをご入力ください。

プロモーションコード:MUcafeglobe1811

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MASHING UP公式サイト:https://mashing-up.mediagene.co.jp/

撮影/柳原久子

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田邉愛理
学習院大学で日本美術史を学び、卒業後、日本の書・古美術をあつかうセンチュリーミュージアム学芸員として勤務。2004年~2012年まで展覧会音声ガイドの制作・運営に携わり、現在フリーランスライター。展覧会に行くこと、そのあとの寄り道が何より好きです。素敵なイベントやショップ、気になるいろいろをアート情報とあわせてご紹介します。

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