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自宅にパーソナルトレーナーがいたらいいな。はい、それ可能です。

The New York Times

私のパーソナルトレーナーは、笑顔が素敵なポール・ライトさん。今日もトレーニングが始まる前から待っていてくれました。画面の中で。

「もっといけるね。ウエイトを増やそう」

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壁に設置された次世代のトレーニングマシンを使用している、トナル社のマーケティング責任者であるネイト・ボスハードさん(Cayce Clifford for The New York Times)

このスクリーンとマシンは、サンフランシスコのスタートアップであるトナル社が開発した、新型のウェイトリフティングマシンです。

ソフトウェアと連動したLEDスクリーンで電磁石の重さを調節できるため、バーベルやプレートを使うことなくトレーニングができるというシステムです。私の1セット目が軽すぎると判断したシステムが、「親切にも」次のセットの重りを増やしました。

疲労度に合わせたレベルに調節

重りが増えたことにぶつぶつ文句を言っていましたが、まるで1990年代に人気を博したトレーニング番組「バンズ・オブ・スティール」が視聴者のペースに合わせずどんどん進むように、この声はライトさんに届かないみたいです。ライトさんの映像はすべて録画されたもの。弱音を吐いても意味はありません。しかし、私が汗をかいてしかめっ面をしていると、その疲労度に合わせたレベルに調整してくれていることに気づきました。マシンのほうが私より体力を把握しているみたいです。トナル社のオフィスでこのマシンを体験したんですが、CEOやマーケティング責任者、広報担当者、その他トレーナーのみなさんにずっと観られていました。

トナル社のマシンは最高です。断言できます。でも、34万円だとさすがに手が出ない。

壁がマルチなエクササイズマシンに

誰しもが使わなくなった、ただ場所をとるだけのフィットネスマシンを物置きや倉庫に片付けた経験があるはずです。しかし、シリコンバレーの優秀なエンジニアの協力を得て、ついには壁に設置できるようになりました。数億円の融資を獲得した2つのスタートアップ企業が開発したのは、リビングや寝室、書斎、玄関など、どこの壁にでも設置できる上に、映像を映し出せるおしゃれなトレーニングマシンです。

トナル社は2018年の8月に受注を開始し、9月には配送も開始するそう。もう1つのスタートアップ企業であるミラー社は、サンフランシスコで行われるカンファレンスで製品を発表する予定です。その製品はヨガやピラティス、カーディオエクササイズ、筋力トレーニングなどに対応しているそうで、すでに投資家から約43億円を調達したといいます。

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トナル社が開発したスクリーン。トレーナーのお手本動画が多数録画されている(Cayce Clifford for The New York Times)

この2つのスタートアップ企業は、新しいフィットネスバイクの開発で4,500億円を調達したペロトン社に追随するかたちで世間に知られました。ペロトン社は通常のフィットネスバイクに動画を再生できるソフトウェアを組み込み、正しいトレーニング方法を確認しながら取り組める仕組みをつくりました。投資家はペロトン社の次にヒットする製品を見定めるため、かなり用心深くなったそうです。

しかし、すべての会社はいまだ答えの見つからない問題にぶつかっています。「巨額の投資に見合うほど、多くの人が高額なトレーニングマシンを買うだろうか」という問題に。

ちょっと高いかな……

ペロトン社は約22万円のバイク本体代と月々4,000円の動画サービス利用料をセットにして販売しています。トナル社の場合、約34万円のバイク本体代と月々5,500円の利用料が必要になります。さらにアクセサリー類を購入すると追加で6万円ほど支払う必要があります。ミラー社の場合は本体代が約17万円、利用料が月々4,000円ほどです。

高級なホームフィットネスマシンの販売には、必ず限界があるはずです。特にこれから先は機能を少しカットして価格を抑えた、似たような商品がどんどん出てくるでしょう。例えば、ランニングマシンやフィットネスバイクでおなじみのノーチラス社は、月額無料でサービスを利用できるアプリを開発しています(マシン代は別途かかりますが)。

「ペロトン社の成長ぶりはとてもうらやましいものでした。しかし、価格の高さがどうしても気になりました。」そう語るのはアイギス・キャピタルのアナリストであり、ノーチラス社を担当しているロメル・ディオニシオさん。「今どきフィットネスバイクなんて、ブラックフライデー・セールであれば1万円ほどで買えてしまいますから」

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ミラー社が開発した、ヨガやピラティス、カーディオエクササイズに対応した製品(Cayce Clifford for The New York Times)

トナル社とミラー社のファウンダーたちは、シリコンバレーでは一般的な「世界を変えてみせる」系の話が得意でした。もちろん莫大な資金を集めるためには必要不可欠な能力です。

「ただウェイトリフティングのマシンにセンサーを搭載しただけではありません。筋力トレーニング自体を変えようとしているのです」とトナル社のCEOであるアリー・オラディさんは言います。

ミラー社のCEOであるブリン・パトナムさんは「我が社の技術はフィットネスとの相性が良いんですが、これからはファッションや美容、マインドフルネスにも応用することを考えています」と未来のことについて語ります。

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ミラー社CEOのブリン・パトナムさん(Cayce Clifford for The New York Times)

「みなさんの生活に溶け込む、次世代のスクリーンになることを目標にしています。フィットネス用品としてではなく、もっと没入できる製品にしたいのです」

間違ったポーズを修正してくれない

ただ、ホームフィットネスにはまだ解決されていない致命的な欠点があります。筋力トレーニングをする際にも正しいフォームが必要とされますが、もしあなたが間違ったフォームで重いウエイトを持ち上げようとしても、あなたの部屋にそれを正してくれるトレーナーはいません。また、ヨガのポーズを間違っていても、それは決して修正してもらえないのです。

トナル社の製品はユーザーのパフォーマンスに応じて重さを調整したり、はげましの言葉をかけたりすることができます。しかし、これもまた安全とは言えません。マシンのハンドルには重りを放すボタンがついていますので、手動で調整することも可能です。

ミラー社の製品は、ユーザーの心拍数に応じて指示を出してくれます。また怪我の有無や妊娠などの設定もできるそうです。さらには追加料金を払うことで、マシンについているカメラを通してトレーナーと1対1のセッションを受けられます。

両会社はともに、デジタルが様々な形で生活に溶け込むことを重要視しています。バーチャルな世界を通してインストラクターとハイタッチしたり、励ましの言葉をかけられたりすると、エクササイズへのモチベーションが保てるかもしれません。

もしそれでもモチベーションが保てないなら、クレジットカードの請求額を見てやる気を出してください。

© 2018 The New York Times News Service[原文:Silicon Valley Jumps Into the Fitness Business, and It Will Cost You/執筆:Erin Griffith](抄訳:今西翼)

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