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CONFERENCE:MASHING UP vol.2

あなたも加害者かもしれない。ハラスメントをゼロにする「ゼロハラ」プロジェクト始動!

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ハラスメント(Harassment)とはいろいろな場面での『嫌がらせ、いじめ』を言います。その種類は様々ですが、他者に対する発言・行動等が本人の意図には関係なく、相手を不快にさせたり、尊厳を傷つけたり、不利益を与えたり、脅威を与えることを指します。

——#We Too Japanのホームページより

セクハラ、パワハラ、モラハラ。マタハラからケアハラ、ストハラにネトハラまで……。

社会の隅々にまではびこる、数々のハラスメント。生きてきた中で、いかなるハラスメントも受けたことがない、という人はおそらくいないでしょう。被害を見たことがあるけれど、見て見ぬふりをしてしまった、という苦い経験を持つ人もいるかもしれません。それでは、ハラスメントの加害者になったことがある、という人はどれくらいいるでしょうか。知らず知らずのうちにでも、ハラスメントをしたことは断じてないと、あなたはハッキリと言い切れるでしょうか。

先日、あらゆるハラスメントをゼロにしよう、というプロジェクトが発足し、発起人であるエッセイストの小島慶子さん、「なくそう! SOGIハラ」実行委員会代表の松中権さん、少子化ジャーナリストで作家の白河桃子さんが都内で記者会見を行いました。

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「ゼロハラ」プロジェクト呼びかけ人の小島慶子さん、松中権さん、白河桃子さん(左から)

プロジェクトの名称は「ゼロハラ」プロジェクト。すべてのハラスメントを許さない、と3月に設立された#WeToo Japanの活動から派生して誕生しました。

呼びかけ人は上記3人のほか、サイボウズ株式会社代表取締役社長の青野慶久さん、国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表の土井香苗さん、経済ジャーナリストの治部れんげさん、産婦人科医の宋美玄さん

#WeToo JapanのWebサイトに様々なハラスメントに関する情報を追加掲載し、撤廃に向けた組織のトップによる決意表明などを発信することで、一切のハラスメントを許さない社会の実現を目指す狙いです。

すべてのハラスメントはつながっている

LGBTと社会をつなぐ活動をしている松中権さんは、性的マイノリティが多く受けがちなSOGIハラ(性的指向:Sexual Orientationや性自認:Gender Identityに関するハラスメント)について触れ、「あらゆるハラスメントの根底には共通する部分がある」と話しました。

マジョリティ/マイノリティ、上司/部下という力構造や、声を上げづらい学校・組織の風土……。また、セクハラの裏にパワハラが潜んでいるなど、いくつかのハラスメントが複合的に起きているパターンも少なくありません。

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「ゼロハラ」のwebサイトについて說明する松中権さん(写真中央)

プロジェクトでは、「すべてのハラスメントはつながっている」をコンセプトに、あらゆるハラスメントの情報をひとつのwebサイトに集約。被害者や周囲の人びとが、正しい情報や回避方法、相談先などにアクセスすることができるプラットフォームを目指します。

「ハラスメントで困ったらこのサイト、というようなサイトになればと思っています」(松中さん)

また、ハラスメント撤廃に向けたNPOやNGO、企業、学校などの優れた取り組みにスポットライトを当て、webサイト上で順次紹介していく予定です。

大規模なハラスメント調査を実施

プロジェクトに先立ち、実行委員会は評論家の荻上チキさんにハラスメントに関するリサーチを依頼。様々なハラスメントの実態を可視化するべく、1万2千人を対象に、以下の4点に関する大規模な実態調査を行いました。

・オンラインハラスメント——いわゆるネトハラと呼ばれる、インターネット上のハラスメント
・ストリートハラスメント——路上で、あるいは通勤・通学途中のバスや電車でのハラスメント(通称「ストハラ」)
・セクシャルコンセプト——異性とふたりきりでご飯にいく、キスをするなど、どこからどこまでが性的合意なのかということに関する意識調査。
セクハラ幻想——痴漢にあったのは、女性のスカートが短かったから、被害者にスキがあったから……。セクハラに関して人々が抱きがちな幻想に関する意識調査。

調査結果は現在分析中で近日発表予定だそうです。「まだまだ日本では知見がたまっていないハラスメントもある。リサーチ結果がパブリックな運動に活用され、ハラスメントに対する社会的な機運が高まれば」と荻上さん。

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調査協力でプロジェクトに関わる評論家の荻上チキさん

日本はまだまだハラスメント後進国

内閣官房「働き方改革実現会議」の委員でもある白河桃子さんは、財務省のセクハラ事件に、「ハラスメントに対する組織内の意識改革の必要性を痛感した」といいます。

「日本企業のセクハラ対策は20年遅れと外資系企業の方に言われたことがありますが、政府とマスコミはさらに遅れて40年遅れというような状況なのではないでしょうか」

そこで「ゼロハラ」プロジェクトでは、組織や学校、自治体のトップが「ハラスメントを許さない」という決意と表明を公表する「ゼロハラ宣言」の募集を開始。すでに、いくつかの自治体・企業の長が声を上げています。

白河さんは、「ハラスメント対策にきちんと取り組んでいる企業に、学生の入社希望が増え、投資も集まるという良い循環になるといい」と展望を語りました。

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ゼロハラ宣言について説明する白河桃子さん(写真右)

小島慶子さんは、会見の最後に「わたしも被害者の経験があるし、悪気はなかったとはいえ加害者・傍観者の経験もあります。声を上げた人をひとりにしない世の中にするためには、普段から社会全体が“ハラスメントはあってはならない”という意識を共有することが大切。“悪い人をやっつける”という発想ではなく、心当たりがあるのなら、私たち自身がこれから行動や意識を変えていきましょう」と呼びかけました。

「ホモって気持ち悪いよね」「子どもを産んでもまだ仕事を続ける気?」「正直、介護とかされると戦力にならないからなぁ」「(外国の人に)まともな日本語を話せる人を出してよ」……

私たちが発する何気ない、悪気のない一言が、相手にとっては深刻なハラスメントになっているかもしれません。傷つく人をなくすには、まずはどんな発言・行為がハラスメントとなりうるかを、正しく知ること。そして、個人や組織が「ハラスメントを許さない」という決意を持つことが重要なのです。

ハラスメント大国「ニッポン」を変えたい! クラウドファンディングで「ゼロハラ」プロジェクトを応援しよう

「ゼロハラ」プロジェクトでは、大規模なハラスメント調査やサイト設定、イベント開催のための費用をクラウドファンディングで募っています。「ハラスメント大国」ニッポンを「ゼロハラ」ニッポンを変えるために、できることから始めませんか。期間は11月30日(金)まで。
詳細はこちら ⇛ https://camp-fire.jp/projects/view/105692

「ゼロハラ」に向けてできることを探ろう

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11月29日(木)・30日(金)に開催するMASHING UPでは、「ゼロハラまでの道」というセッションを予定しています。「ゼロハラ」プロジェクト呼びかけ人の松中権さん小島慶子さんのほか、BuzzFeed Japan特集エディターの小林明子さん、ビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社代表取締役社長の安渕聖司さんが登壇。ハラスメントの起きる構造や、「ゼロハラ」までの道を探ります。

2018年11月30日(木)17:20-18:00
TRUNK(HOTEL) 1F ONDEN(東京都渋谷区神宮前5-31)
タイムテーブルはこちら / チケットのご購入はこちら
*カフェグローブ特別割引【2日間チケット通常18000円→14000円】あり。チケット購入ページで以下のプロモーションコードをご入力ください。プロモーションコード:MUcafeglobe1811

異なる業種・国籍・性別・分野のひとびとが出会い、いくつもの化学反応を生み出すビジネスカンファレンスMASHING UP。800人を動員し、大好評のうちに幕を閉じた第1弾につづき、11月29日・30日に第2弾を開催します。魅力的なスピーカー陣による熱いセッションが目白押しです。

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取材・撮影/中村茉莉花(Cafeglobe編集部)

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cafeglobe編集部

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