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MASHING UP/マッシングアップ vol.2

人生の宝物にはすべて、40歳を過ぎてから出会った/夏木マリさん[インタビュー後編]

年を重ねてますます誰もが憧れる魅力を放つ夏木マリさん。前半では、ライフワークとも言える舞台『印象派』や2009年に始めた支援活動「One of Loveプロジェクト」、そして40代になってから見つけたという“自分らしさ”について伺いました。

後半では、「One of Loveプロジェクト」の発足について伺います。

[前編はこちら⇛

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結婚は安定だなんて大間違い。不安定だからこそ楽しい

夏木さんが2009年に立ち上げた「One of Loveプロジェクト」とは、途上国の子どもたちやその母親に向けて支援活動を行おうというもの。それまで多くの支援団体から声がかかっていたものの、「当時はまだ“その時期”ではなかった」と夏木さん。何か自分らしい支援をしたいと考えたとき、パートナーであるパーカッショニストの斉藤ノヴさんの存在がプロジェクト発足の大きな原動力となりました

「私には子どももいないし、社会の役に立てていないような“ギルティ”を感じていたのかもしれません。そんな気持ちを伝えたら、彼が『(エチオピアやバングラデシュの子どもたちのところへ)行こう』って。彼がいなければ、飲み水もない国にひとりでは行けなかったですね。シャワーの代わりにペットボトルの水を浴びるなんて体験も2人だったから共有できたんだと思います

2011年、夏木さんが59歳のときに入籍。ノヴさんとのパートナーシップは、夏木さんの舞台や音楽の活動にも大きな影響を与えます。しかし、夏木さんからは意外な言葉が。

「結婚は安定なんていうけど、それは間違いね。結婚は不安定。だから楽しいんです。私は舞台に没頭する時期は人にも会わず、アスリートのようにストイックな毎日を何十年も送ってきました。それが自由で心地よくもあったしね。でもノヴさんは『ひと休みして、スタミナつけに肉でも食べに行こう』って感じ。私のスタイルが崩れるわけですよ(笑)」

ところが、出かけてみれば気分転換にもなるしなかなか楽しい。自分の思い通りにはいかない“不安定さ”もいいかと思えるようになり、「何があっても死ぬわけじゃない、命があればOK」と、自分に対しても舞台に対しても余裕を持てるようになったとか。また、長年の夢であったバンド活動もノヴさんと始めました。

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「ライブ前、発声練習をしていいたら『なんで今、発声してるの』って言われましてね(笑)。『ライブはライフ。いま発声練習をしたってできないものはできない。人生がそのまま出るのがライブだよ』って。ストイックにつくり上げて臨む『印象派』と素の自分で挑む『ライブ』、その両方のアプローチができるようになって、彼に舞台人としても鍛えられたと思います」

直感を信じて挑戦すれば、人生の後半はもっと輝く

聞けば聞くほど、うらやましい夏木さんとノヴさんのパートナーシップ。夏木さんに人生の宝物をうかがうと「ノヴさん、印象派、友人」を挙げてくれました。

「この3つは、どれも私が40歳以降に出会ったもの。だから何かを始めるのに遅いってことはないと思いますね。今までにたくさん仕事を与えてもらいましたが、ライフワークとなっている印象派、One of Loveプロジェクト、清水寺の奉納パフォーマンス『PLAY×PRAY』、すべて自分から動いてつかんだものばかり。30代40代になると仕事やプライベートも落ち着いて守りに入ってしまいがちだけど、自分の直感を信じて『これだ』と思うことには挑戦するといいと思いますね」

このみずみずしい感性としなやかな発想が、夏木さんが輝き続ける理由なのかもしれません。「人生の後半はもっともっと輝ける」という言葉が胸に響き、前向きな気持ちにさせてもらえるインタビューとなりました。

最後に、今春カフェグローブから新しいメディアに変わる「MASHING UP」にメッセージをいただきました。

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11月29日に登壇したMASHING UPで生き方やファッションについて語り、聴衆を魅了した。

「ダイバーシティを通していろんな可能性を広げていこうというMASHING UPの試みには大賛成です。とくに昔から”お揃い“が良しとされてきた日本においては、多様性をもっと押し出していかないと。SNSでみんなが同じものを見ている時代に、人と違うことを楽しみ、自分と違う人がいたらこんな考え方もあるんだなという気づきになる。そんな“人との誤差を楽しむ”ことの醍醐味も含めて、新しいMASHING UPが牽引してほしいですね」

夏木マリ(なつき・まり)さん
東京都生まれ。デビューして45年、全てのクリエイションを手掛ける「印象派」が25年、支援活動「One of Loveプロジェクト」が10年、清水寺奉納パフォーマンス「PLAY×PRAY」が5年と、2018年にはそれぞれ周年を迎えた。2019年は大沢伸一氏プロデュースによる新曲「Co・ro・na / 私を生きて」を1/26(土)にデジタルリリース予定。1/26(土)と1/27(日)の2days、3年目となるブルーノート東京のステージ「MARI de MODE 3」に出演。

撮影/中山実華

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大森りえ

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