2018年11月29日・30日に行われたMASHING UP。起業家としてのキャリアを積んできた4名の女性が、失敗から学んだ経験について議論を交わしました。登壇者は、ウィズグループの奥田浩美さん、ベアーズの高橋ゆきさん、六自の中野佳子さん。モデレーターはFUMIKODAの幸田フミさんです。
信頼していた社員が逃走!
これまでに4つの会社を運営し、最近エストニアにも会社をひとつ立ち上げたという奥田さん。信頼して仕事を任せていたチーフが、大切なイベントの当日に逃げてしまった経験があるといいます。社運をかけているというプレッシャーを、知らず知らずのうちにその人に押しつけてしまっていた、と反省を打ち明けました。
ウィズグループの奥田浩美さん。
また、家事代行事業を手がける高橋さんは、創業して間もないころ、退職を希望する社員が相次ぐという困難があったと振り返ります。夫が社長で、自身は専務取締役という立場。「愛に溢れた商品を届けたい、と社員と協力して進んできたつもりでしたが、そう思っていたのは私と社長だけだった。こちらの奮闘が、実は社員を苦しめていただけだったと痛感しました」。その一件で、社員と気持ちを共有することの重要さに気づいたといいます。
ベアーズの高橋ゆきさん。
ゼロベース思考が再スタートを後押しする
社内起業として挑戦を開始した中野さんによると、幸せな七転び八起きをするためのポイントは、「どんなに壁に激突してもあきらめないこと」。
「日本酒に新しい風を吹き込み、次の時代や世界へもこの文化を伝えていきたいと思っています。だから今までと同じやり方ではできない」と事業にかける意気込みに触れ、その目標を達成するために「今までの知識をいったんゼロにして、前に進む」ことを大切にしていると語りました。
六自の中野佳子さん。
今までの知識や経験をゼロベースで考える。そうすることで、そこから新しいつながりが生まれ、そのつながりが自分を強くし支えてくれると、経験から得た気づきを明かしました。
失敗かどうかは認識次第 繰り返すことで成功へ
「失敗はつきものであるし、だれでもこわいものです。では、その失敗とどう向き合えばいいのでしょう?」と、幸田さんが問いかけると、「失敗は成功のエネルギーになっている」と奥田さんはやさしく語ります。
FUMIKODAの幸田フミさん。
「たとえば、コップを倒してお水をこぼしてしまったら、拭けばいいだけのこと。拭き方を知らない人は"失敗"ととらえてしまうけど、解決策さえ覚えれば、何も恐れることはない」と、失敗の認識について言及しました。
また、失敗を超えて成功を手にするための考え方として、高橋さんは「人と比べるから自分を小さく感じてしまう。“比べないトレーニング”をしてほしい。比べることから卒業できたら、あとは自由にシンプルに突き進むだけ」と、情熱的に語りました。
奥田浩美さん(ウィズグループ)
インド国立ボンベイ大学(現州立ムンバイ大学)大学院社会福祉課程修了(MSW)。1991年にIT特化のカンファレンス事業を起業し数多くのITプライベートショーの日本進出を支える。2001年にウィズグループを設立。2013年に株式会社たからのやまを創業。情報処理推進機構・未踏IT人材発掘育成事業委員、「IT人材白書」委員。内閣府輝く女性事業調査検討委員等。著書に「人生は見切り発車でうまくいく」、「ワクワクすることだけ、やればいい!」等。
高橋ゆきさん(ベアーズ 取締役副社長)
家事代行サービスのパイオニアであり、リーディングカンパニーである、株式会社ベアーズの取締役副社長。同社が創業以来、日本社会へ提唱している「利用者への新しい暮らし方」「従事者としての日本の新しい雇用創造」には、高橋ゆき自身の原体験が大きく影響している。社内では主にブランディング、マーケティング、新サービス開発、人財育成担当。 経営者として、各種ビジネスコンテストの審査員や、ビジネススクールのコメンテーターを務めるほか、家事研究家、日本の暮らし方研究家としても、テレビ・雑誌などで幅広働く活躍中。
中野佳子さん(六自 代表取締役社長)
1970年大阪生まれ。 1992年 辰馬本家酒造(株)に入社。清酒白鹿の営業職として組織小売業を担当。 2012年よりブランドマネジメント販売戦略室マネージャーとしてブランド戦略、マーケティング戦略を担当。 お客様と直接つながる直販事業部部長をへて 2017年、お客様とのコミュニケーションをより強化するためにコミュニケーションデザイン部を立ち上げ、日本酒の市場創造を目指し、日本酒の新しいシーン創りだす「ソトノミプロジェクト」をスタート。 2018年5月辰馬本家酒造(株)の新会社としてSAKEのコミュニケーション&エンタテインメントの創造を目的に株式会社六自を設立 代表取締役社長に就任。 好きな言葉は、失敗は成功のもと。楽しいコトを創っていきます。
幸田フミさん(FUMIKODA 代表取締役CEO / クリエイティブディレクター)
ウェブコンサルタント、デザイナー、著者。NYパーソンズ大学卒業後、現地のマーケティング会社に勤務し、大手ブランドのウェブサイト構築などを手がけた。帰国後ウェブコンサルティング会社ブープランを創業。IT活用のアドバイスや講演、執筆を行う。近著「はじめてのIoTプロジェクトの教科書」。NPO BLUE FOR JAPANを通して全国の児童養護施設に入所する児童の就労支援を行なっている。2016年に日本製、アニマルフリーの女性用ビジネスバッグブランド「FUMIKODA」を立ち上げクリエイティブディレクターを務める。
MASHING UP
起業の道は「幸せな」七転び八起き
2018年11月29日@TRUNK(HOTEL)
撮影/酒 航太

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