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無骨なカウボーイは時代遅れ。牧場経営に乗り出す女性たち

The New York Times

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コロラド州にある家族の牧場で働くケイトリン・タウシグさん(Amanda Lucier/The New York Times)

アメリカ西部と言えば、往年のハリウッド映画がジョン・ウェインやゲーリー・クーパーを主演に描き出す、無骨な男の世界。けれどもその何百年も前、フロンティアでは女性たちが駆け巡っていました。

ナバホやシャイアン族などの先住民の時代。あるいはスペインやメキシコの領土だった時代。女性も広大な荒地の開拓に携わり、犬を引き連れて狩りをし、家畜を育てていました。

その後やってきた入植者たちは、ヨーロッパ式の男女の役割の概念を持ち込みます。それから長い間、家族で営まれる農場や牧場の経営権は男性に受け継がれてきました。

今や牧場の14%が女性経営

機械化が進んだ現在、牧場運営における肉体労働の比重は減り、ビジネス感覚や畜産の知識、環境に対する意識が重要度を増しています。そうしたなか、目立つようになったのが女性の進出です。逆に後継と目されていた男性たちはきつい仕事を嫌って他の仕事を選ぶ傾向にあります。

米農務省の2012年の統計によると、米国内にある約210万の牧場のうち、14パーセントが女性経営者によって運営されているそうです。また、これから20年の間に半数以上の牧場で経営の世代交代が進むことが予測され、女性の比率はさらに増えると見られます。

家族経営の牧場を継ぐ娘たち

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ケイトリン・タウシグさんと母親のヴィッキーさん(Amanda Lucier/The New York Times)

コロラド州のクレムリングにある牧場で生まれ育ったケイトリン・タウシグ(32)さんは現在、母と妹を含むカウガールの一団と共に家族の牧場で仕事をしています。

男性の手を借りるのは、牛に焼印を押す作業の時だけだとのこと。「女性は男性に比べ、エゴが少ない」と語るタウシグさん。牛が蹴った勢いで開いたゲートに頭をぶつけ、6針を縫う傷を負いながらもすぐに仕事に戻っていきます。

時代に合わせ、新しい道を切り開く

大空のもと、どこまでも広がる平原。かつてここに男たちを引きつけてやまなかった冒険に満ちた自由な生き方を、今は女性たちが手にしています。そして、未来に向けて新しい道を切り開いているのも彼女たち。持続可能で環境に配慮した牧場運営のあり方を探り、家畜に与える苦痛を減らそうと対策を模索しています。

サウスダコタ州の中央部、ミズーリ川の西岸にある牧場で働くケルシー・ドゥシェノーさん(25)は持続可能な食肉用牛の飼育に取り組んでいます。彼女が生まれ育ったこの土地は古くから先住民のラコタ族が暮らしてきた場所。サウスダコタ州立大学で学んだ後、部族が管理する7千5百エーカーの放牧地で働きはじめました。

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先住民のラコタ族が管理する牧場で働くケルシー・ドゥシェノーさん(Amanda Lucier/The New York Times)

女性が牧場の仕事をすることはアメリカ先住民にとっては革命的なことではなく、むしろ自然なことだとのこと。ドゥシェノーさんは祖母が亡くなった時に、改めて女性の役割の重要性を知ったと言います。

「祖母は家族の大黒柱でした。ラコタ族は今も昔も母権制社会なんです」

カウガール養成ワークショップ

ワシントン州チェニーにある牧場を経営するベス・ロビネットさん(31)は、ニュー・カウガール・キャンプと銘打った女性向けのワークショップを開催しています。このコースでは、畜産技術、牧場運営、財務計画、環境監視、牧草地再生対策などを教えています。

カントリー・ポップの歌手が体現するセクシーなカウガールのイメージにはゾッとさせられるというロビネットさん。牧場ではラインストーンの衣装は禁止とジョークを飛ばしながら、こうも語っています。

「今、牧場経営者の高齢化が進んでいます。これは危機でもあるけれど、方法論を抜本的に変えるチャンスでもあるのです」

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牧場運営についてのワークショップに参加する若い女性たち(Amanda Lucier/The New York Times)

“らしさ”なんて気にしなくていい

コーリー・カーマンさん(39)の場合、オレゴン州ワロワにある実家の牧場に戻ってきた時は夏の間だけの手伝いのつもりでした。けれども、(健康志向の高まりと共に需要が高まっている)牧草飼育牛の生産を軌道に乗せ、実家を地域で一番の生産者に押し上げました。

スタンフォード大学卒の彼女は“牧場で働く人間らしくない見た目”のため、しばらくは同業者などから軽く見られていたそうです。腹立たしいけれど、それを逆手に取ることもできると彼女は言います。「どうせ“らしく”ないのなら、常に牧場労働者として振る舞うプレッシャーからは自由でいられます」。

女同士、何気ない喜びを分かち合う幸せ

男の職場とされてきた牧場に女性が入り込み、従来のイメージや取り組み方を変えていくなかで、対立が起きることもあります。

兄の代わりに、実家の牧場で責任ある役割を担うことになったエイミー・エラーさん(33)。最初は、父とぶつかることも多かったと言います。「牛たちを落ち着かせるためにやっていたことが、父には時間の無駄だと思えたみたい」。

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コロラド州の山間部。娘と共に牛の見回りに向かうエイミー・エラーさん(Amanda Lucier/The New York Times)

現在、エラー家の牧場では3世代の女性たちが働いています。娘が小さかった頃はトラクターにベビーシートを括りつけて、牛に餌をやりに行っていたというエラーさん。母や娘と一緒に働くことには特別な喜びがあると語ります。

「トラクターが壊れた時はお父さんが頼りになるけど、日々の作業は母と一緒の方が楽しいんです。キラキラ輝く雪景色に目をやって、きれいねと言い合ったりしてね」。

© 2019 The New York Times News Service[原文:Female Ranchers Are Reclaiming the American West/執筆:Amy Chozick](抄訳:Tom N.)

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