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体内時計に合わせれば、生産性もチームワークももっとアップする

The New York Times

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(Esther Aarts/The New York Times)

体が最もよく起きている時間帯に働く——。働く人それぞれの「クロノタイプ」に合わせた労働時間を奨励する企業が世界で増えています。

朝起きて夜寝るのに最適な時間は、人によって違います。この一人一人の起床と睡眠の生体リズムが、クロノタイプ(一般的にいう朝型夜型)です。

体が睡眠を欲しているとき(生体リズム上の夜間)に十分な時間よく眠らないと、疲労やパフォーマンスが低下し、ミスを招くばかりか、心疾患から肥満、不安、ひいてはうつ状態まで、幅広い健康問題の引き金ともなります。

目覚まし時計がないと起きれない人は…

働く人のなんと8割が、自分の体内時計と合わない勤務時間帯に働いていると指摘するのは、コロラド大学ボルダー校、概日リズム・睡眠疫学研究所のディレクター、セリーヌ・ベッター氏。言い換えれば、目覚まし時計がないと起きれない人は、自分の生体リズムに合っていない生活を送っているというのです。

独ミュンヘン大学の時間生物学者ティル・レンネベルク氏によると、不適切な睡眠スケジュールによる経済的損失は、アメリカとドイツで国民総生産(GNP)の1%近くに迫るとか。

同氏は30万人のデータを使って、自然な睡眠時間帯の分布を調査しました。それによると、真夜中~午前8時よりも早いという人は31%、真夜中~午前8時が自然という人が約13%、それよりも遅い時間帯の人が56%でした。つまり午前8~9時出社の場合、少なくとも全体の69%の人にとっては、体が準備できる前に起きる必要があるということです。

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エネルギーとメンタルのピークは、1日2回

「体内時計は将来、人材管理にとって重要なテーマとなるでしょう」と言うのは、自然な睡眠周期に合わせた働き方の導入を大手製薬会社などで支援しているオランダ人コンサルタント、カミーラ・クリング氏。「一人一人が最もエネルギーにあふれ、メンタル的にもピークの時間帯に働くことは理にかなっている」と言います。

自分の自然な覚醒睡眠リズムを知るためには、2週間、朝から夜まで好きに過ごせる休暇があったら……と想像してみます。何時に寝て、何時に起きたいですか?

これが大事なのは、クロノタイプが起床時間と就寝時間だけではなく、1日24時間の中でのエネルギーのピークと谷間にも関わっているからなんです。

一般的に体が最も覚醒しにくい時間帯は、午前2時~6時。そこからまた12時間後くらい、つまり午後3時ごろにも、小さな谷間の時間帯があります。

逆に頭がさえ、素早くリアクションできるピークの時間帯も、1日に2回あります。最初のピークは、起きてから1~2時間以内。次が、午後の小さな谷間を抜けた直後です。このサイクルは朝型の人では前倒しに、夜型の人では後ろ倒しになります。

クロノタイプシフトで満足度ほぼ100%の企業

デンマークの製薬会社アッヴィの従業員は、1日9時間の勤務時間のうち各自のクロノタイプに即した、最も充実して仕事に取り組める時間帯を勤務シフトに設定しています。

最初のトレーニングプログラムで自分のピーク時間帯を割り出し、エネルギーが高い時間帯には創造力が必要な仕事やハードルの高い仕事を、エネルギーの低い時間帯にはメール処理や日常的な管理業務をこなすことにしました。

さらにフレックスタイムに加えて、リモート勤務も平行して導入。ラッシュアワーを避けて通勤時間は短縮され、プライベートと仕事もうまく調和するようになりました。例えば午後、子どもを迎えに行き、夜に子どもが寝付いてから在宅で仕事をする社員もいました。

プログラム開始から10年後、アッヴィの従業員のワークライフバランスに関する満足度は39%アップ。今ではほとんど100%に近くなり、昨年はデンマークの中小企業の中でついにトップに。同社幹部のクリスティーナ・イェッペセン氏は「フレキシブルな勤務シフトによって、最高の結果が出るようエンパワーされた」と言います。

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また、豪シドニー大学ビジネススクールのステファン・フォルク氏は、クロノタイプを考慮することでチームワークの成功も最大化できると言います。例えば医師の手術チームのように、全員の「トップフォーム」が一致する必要がある場合は、同じクロノタイプ同士でチームを組む。あるいは24時間常時監視を必要とするような職場では、クロノタイプが異なるチームを組み合わせてシフトを作成できます。

壁は、朝型礼賛の文化?

フレックスタイムに意欲のある企業は多いのですが、伝統的な「9時から5時まで」が根強く残る壁となっているのは、実は仕事現場のカルチャーなのかもしれません。

2014年のある調査によると、管理職は朝型の部下をより好ましく思う傾向が強いという結果が出ました。朝型の従業員はオフィスに朝早く出勤するので、より真面目に見えるというのが単純な理由です。これではフレックスタイムが認められていても、従業員の間でそれを使おうという雰囲気はなくなってしまいます。

しかもクロノタイプから見れば、9時から5時にこだわると、かえって生産性を下げてしまう可能性があります。例えばいわゆる「プレゼンティーイズム」(疾病就業)、つまりオフィスにはいるけれど働きぶりは最低限という状況さえ招きかねません。

「企業は働く人の潜在性を無駄にしています」と、フォルク氏は言います。「朝7時から9時まではただ座ってコーヒーを飲んでいるだけで、まったく生産的でない人が、午後4時になってこれから生産性が上がるというときに、家に帰してしまうのですから」

© 2018 The New York Times News Service[原文:New Office Hours Aim for Well-Rested, More Productive Workers/執筆:Emily Laber-Warren](抄訳:Tomoko.A)

Image via Getty Images

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