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- 自分もハッピーかつ「社会にちょっと良いこと」をするのは、意外と簡単だった
時計を通じて社会課題に取り組むシチズン時計株式会社によるソーシャルキャンペーン「New TiMe, New Me」。キャンペーンのスタートを記念して、2019年4月12日、13日の2日間限定でPOP UPイベントが開催されました。
「始まりは小さな選択だとしても、世界をほんの少し変えられるかもしれない」。社会にそう呼びかけているシチズン。
会場には、そんなシチズンが行っている、持続可能な社会をつくるための取り組みにまつわる展示がたくさん。また、人気のシチズンの時計をタッチ&トライできるコーナーや、シチズンの時計を修理してもらえるコーナーもあり、期間中、大勢の人で賑わいました。
会場では、「国際フェアトレード認証」も受けているアイスクリーム「BEN&JERRY’S(ベン&ジェリーズ)」のプレゼントも!
シチズンの環境・人権に配慮したエシカルウオッチから特別限定モデルまでタッチ&トライが可能。試してみるひとたちで賑わっていました。
そして13日には、MASHING UPとのコラボレーションも実現! 「ほんの少し世界が変わる、ソーシャルグッドな私の選択」をテーマに、トークセッションとワークショップを実施。
一部、二部ともに盛況で、お楽しみあり学びあり、さまざまな意見が飛び交う有意義な時間となりました。
未来のためにできることを「食」から考える
左から、小野恵美さん、青柳文子さん、松尾真奈さん。
第一部は、「食」をテーマにソーシャルグッドな行動を考えよう、というセッション。
ゲストに、女優・モデルの青柳文子さん、霞ヶ関ばたけ代表で農林水産省官僚の松尾真奈さん、モデレーターにフリーアナウンサーの小野恵美さんを迎え、セッションがスタートしました。
まず、みなさんが熱心に耳を傾けていたのが「SDGs」について。
会場にはSDGs「17の目標」の展示が。
SDGsとは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」のこと。世界が破綻しないために、国連に加盟する国々で、貧困や飢餓、気候変動、平和など17のゴールを掲げて努力をするという2030年までの国際目標です。
SDGsというと一見難しそうですが、この17の目標をひとつひとつ紐解いて見ていくと、「貧困をなくそう」「ジェンダー平等」などを目指して、ひとりひとり、そして企業が未来のために行動をしていこうというとてもシンプルなこと。
シチズンでもSDGsに関わる取り組みを行っており、途上国の女の子の未来を応援するプロジェクト「Because I am a Girl」に売上の一部を寄付したり、腕時計に使用される成分表やCO2排出量を公開するなどエシカルなものづくりをしたりしています。
SDGsに関して、農林水産省で日本の林業に携わってきた松尾さんからは身近な「木」についての話が。
「『森林を守るためにも、紙は使わないほうがいいかな』と思っている人が多いですが、今の日本では、国産の木を使うことが大切。世界では森林伐採が問題になっていますが、日本では逆に、木材の出口がないために間伐が行き届いていないところがあります。日本の森林は、 木を伐って使って、また植えるというサイクルを回すことで健康な状態が保たれます。 どこの木を使うか、を意識することが大切です」(松尾さん)
これには青柳さんからも驚きの声。小野さんからは、「SDGsの12番目の目標『つくる責任・つかう責任』にも関係しますね」という気づきが発せられ、会場は興味深く耳を傾けていました。
「食べること」が「誰かの嬉しいこと」になる!
続いて話題は、今大きな関心を集める「フードロス」の問題へ。
農林水産省・環境省の「平成27年度推計」によると、まだ食べられるのに捨てられている食品が年間で646万トンも発生しているのだとか。ひとりひとりの行動を見直せば、フードロスを減らすことができるのではないか、と盛り上がります。
青柳さんは、「スーパーでは、あえて賞味期限の近いものを選んでいます。昔は新しいものを選んでいたのですが、売れずに廃棄されたらもったいないと思うようになって」といいます。
さらには「自分ができることは『伝えること』。モデル・女優という職業的にも多くの人に伝えるチャンスがあるので、フードロスの削減に繋がるアクションや環境に良い行動を伝えていきたい」と語りました。
また、青柳さんはその場で、サスティナブルな暮らしやモノを多く紹介している海外のSNSアカウントをシェア。「環境に良いアイテムが本当におしゃれで。デザインだけ見ても素敵で、それが環境にいいなんて、すばらしいなって思います」と話しました。
一方、松尾さんは、パートナーとお子さん、友人たちとのシェアハウスでの暮らしをシェア。新しい暮らし方の中で、住人たちと食卓を囲むことが、図らずも食材をあまらせないことにつながっているとか。
また、食材選びでは、「生産者の顔が見えるもの、応援したい産地のものを選ぶ」ようにしているそう。「買うことで、誰かを応援できると自分もうれしいですよね」。
この日、テーブルには、食べることがソーシャルグッドにつながるブランチが用意されました。
■金谷ホテルベーカリー/金谷スペシャル……障がいのある方への支援をしている会社。雇用の機会も提供しています。
■平田牧場/極みロースハム……平田牧場では、循環型の国内自給率向上のための飼料米プロジェクトを実施。リサイクルや有機農業を取り入れた環境保全型の畜産経営で、安定的な生産と流通を目指しています。
■萩野菜ピクルス、Takano Farm/エアリーフルーツ、ぶどうの木/にんじんとりんごのミックスジュース……規格外とも呼ばれる、味は美味しいのに形が不揃いな野菜やフルーツを使用。まさに、フードロスの削減を目指す取り組みをしています。
■CHEESE STAND/出来たてリコッタ、出来たてモッツァレラ……都内の酪農家から原料を仕入れ。チーズは輸入に頼りがちですが、国内の畜産業を応援したい、という思いもこめられています。
■あべ養鶏場/下川六○燻製卵……北海道、あべ養鶏場の卵。燻製用のチップは地元・下川町の廃材を利用。食で地域の活性化を目指します。
会場からは「美味しい!」の声が。
美味しく食べることが、世の中や誰かのためになる——。「何を食べるか」つまり「何を選ぶか」は簡単だけれど重要なこと。選択することへの意識を深められたセッションでした。
ビニールバッグが「アップサイクル」でまさかのモノに
左から、長谷川哲士さん、小野恵美さん。
第二部は、デザインチーム「minna」の代表取締役でデザイナーの長谷川哲士さんをお招きし、デザインの視点を交えてソーシャルグッドアクションを考察。モデレーターは、第一部に続き小野恵美さんが務めました。
今、日本のみならず世界中で、ゴミやリサイクルに関する問題がささやかれ、「ゴミを減らす工夫」に注目があつまっています。シチズンによると、1年分の腕時計の廃棄電池を積み上げると、エベレストに届くほどの高さになるとのこと。
そんなインパクトある電池の廃棄問題を踏まえて、「シチズン クロスシー」や「シチズン エル」をはじめとした多くのシチズンウオッチには、日常のわずかな光で充電発電できる独自のエコ・ドライブ機能を搭載しています。
シチズン クロスシー「TITANIA LINE HAPPY FLIGHT」の限定モデル。 Because I am a Girlキャンペーンを応援する特別モデルとして、フラワーリース付き限定BOXで展示されました。(EC1164-53X ¥100,000+税 限定2,800本)
この日、小野さんがつけていた時計もシチズン クロスシーの「TITANIA LINE HAPPY FLIGHT」 。人気のサクラピンクとエターナルプラチナのツートーンモデル。(EC1165-51W ¥78,000+税)
このセッションでは「アップサイクル」をテーマにトーク。
アップサイクルとは、「いろいろな考え方があるので一口では言えませんが、廃材を真っさらな素材に戻して使うリサイクルとは異なり、そのモノのデザインなどを受け継ぎ、活かし、より良いものに生まれ変わらせることを指します」と長谷川さん。
そして、長谷川さんには、アップサイクルに際して大切にしている考え方があるそう。
「アップサイクルで大切なことは、3つあるなと思っていて。1つめは、素材のストーリーをマテリアルとして考えるということ。僕は、廃材の一番の魅力はストーリーがあること、歴史があることだと考えたんですね。これを意識するのが重要かなと。
2つめは、廃材の出方を考えること。アップサイクルするものが、月に1つしか作られないものの廃材なのか、 1日に100万個出てしまう廃材なのか。 これは、デザインやアップサイクルの方法に影響すると思っています。
最後は、形状を最大限に生かすということです。切り刻んで細かくしていくよりも、そのモノの形状をいかしたほうがアップサイクルする意味があると思っています」(長谷川さん)
長谷川さんが手がけたアップサイクル事例。シートベルトの形状と素材を生かして、蝶ネクタイに。
minnaの代表として「みんなのために みんなのことを みんなでやっていきたい」という思いで活動している長谷川さん。「デザイン」というものを本当の意味で「みんなの力」にしたいと笑顔で話してくれました。
そんな楽しい雰囲気のなか、いよいよワークショップへ。作ったのは「フラワーバッグ」です。
これは、「季節を楽しんでほしい」という思いでつくられたビニールバッグを、「花を大切に楽しんでほしい」という思いを伝えるアイテムにアップサイクルしたバッグ。
ハサミやキリを使い、ビニールバッグのデザインを生かしつつ、より素敵なバッグに変身させる技には、驚きと感動が。アップサイクルにより、モノにもう一度命が吹き込まれることを実感できたひとときでした。
ソーシャルグッドの意識が高まる今、デザイナーに求められることも変わってきたと長谷川さんは話します。
「素材がどのように変化・処分されるかまで考えることを求められるようになったのを、肌で感じています。デザインの領域に『モノの循環』を考えることまで組み込まれることになるので、アップサイクルはさらに面白くなっていくのではないでしょうか。世の中に浸透するといいですね」(長谷川さん)
考えること、シェアすることだってソーシャルグッドアクション
各セッションの最後には、参加者全員で「明日からできるソーシャルグッドアイデア」を考えるコーナーも。
「その地の旬のものを食べることで、栽培や運搬に関わるエネルギーを削減することができる」「海に流れる水を考えてナチュラルなものを使う」「モノを大切にするという気持ちは何よりも大事」などさまざまな意見が飛び交いました。
Photo by シチズン時計株式会社
書いてもらったアイデアは会場に設置された「Tree of "SDGs"」に展示。たくさんのソーシャルグッドアイデアで溢れる木となりました。
最後に、モデレーターの小野さんからは「今回でたアイデアでいいなと思ったら行動してみたり誰かに伝えるのも、ソーシャルグッドになるのかなと思います」という提案が。また「食べること、作ることのように、楽しいと思えることって大事ですよね。楽しくないと続きません」という言葉も印象的でした。
「世界をほんの少し変えるシチズンの取り組み」を肌で感じることができた今回のイベント。ほんの小さなことから、できることから、『ソーシャルグッドな選択』をすることが大切だということに気付かされたイベントとなりました。
撮影/キム・アルム
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