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「あなた」に言われるから、傷つくんです。/MASHING UP座談会[前編]

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多様化する社会の中でより良いコミュニケーションを取るためには、どんなことに気をつけたらいいのでしょうか。ストレートに気持ちをぶつけるだけでは、相手を傷つけることがあったり、こちらの思いも伝わらなかったり。

今回の座談会では、何の気なしに言われたことでつらい気持ちになった言葉や、「ソレ、傷つくんですけど!」と言いたかった経験を、立場や年代の異なる6人(+編集部)が大いに語り合いました。

■出席者(五十音順)
あゆみさん……社会人5年目の営業職。一昨年、転職を経験。
伊是名夏子さん:コラムニスト。骨形成不全症のため車椅子で生活する。著書に『ママは身長100cm』(ハフポストブックス/ディスカヴァー・トゥエンティワン)がある。
岡田さん……会社員を1年経験し、現在は大学院生。
加賀直樹さん……ライター・韓国語翻訳家。ゲイであることを公表。
光太郎さん……営業職。若手からそろそろ中堅と呼ばれる立場に。
篠田真貴子さん……昨年株式会社ほぼ日のCFOを退任し、現在“ジョブレス”を謳歌中。

「結婚しないの?」とか、結婚観は人それぞれですよね?

——結婚とか夫婦にまつわる発言って、実はこう考えている、という、その人の本質みたいなものがふと出がち。結婚するとき、女性だけが「あなた、料理は?」と聞かれたり。男性には「お仕事は?」「ご趣味は?」と聞くのに。

加賀さん:僕はゲイですが、新聞社の地方支局に勤務していたときは「結婚しないの?」とよく聞かれて困りましたね。地方支局ではみんな家族ぐるみの付き合いとかをしていて、すごく良くしてくれた。だから彼らにしてみれば悪気はないんでしょうが、これが重かった。付き合っている人がいても、その人のことを女性に置き換えて話していました。

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「よくしてくれる方たちだからこそ、結婚について聞かれると苦しい気持ちになった」と加賀さん。

光太郎さん:それは嫌でしょうね。僕はゲイではありませんが、それでも「彼女いるの?」とか上司から聞かれたら嫌です。友達の結婚式に言ったときなんかによく「結婚しないの?」とか聞かれるけれど、あれも嫌。結婚なんて自分の好きにさせてほしい。自分の常識や道徳観みたいなものを押し付けてくるような聞き方は、何にしても嫌だなあと思いますね。

障がいがある人のパートナーが無条件に絶賛されるのは何故!?

伊是名さん:光太郎さんとは反対の話になるけど、私は「彼氏いるの?」って聞かれたことがないんです。障がいがある人は結婚なんかしないと思われている。だから、そう聞かれることに憧れがある(笑)。実際にはパートナーがいて、子どもも2人いるんですけどね。

私がイラッとするのは、パートナーがすべての家事をしたり、子供の面倒を見たり、私のケアをしたりしてると思われること! 平日は一切しないんですよ。でも「旦那さんは偉いわね〜、素敵ね〜」と言われて、私と生活していることでなぜか彼の株が上がっているんです。

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伊是名さんの子育ての様子は著書『ママは身長100cm』(ハフポストブックス/ディスカヴァー・トゥエンティワン)に詳しく書かれている。

篠田さん:わかります! 結婚した当初、夫の社宅に住んでいたんです。周りはみんな専業主婦。仕事をしているから社宅内の行事に参加できないと言ったら、「フルタイムなの? 理解あるご主人ね!」と驚かれました。私は当時外資系でバリバリ働いていましたが、当然、そこまでは言えなくなってしまいました。

「それ、気持ち悪い」の一言で職場の信頼関係が崩壊

——さっき光太郎さんから「上司から聞かれると嫌」という話がありましたが、同じ言葉でも、言われる相手によって嫌だったり、嫌じゃなかったりすることってありますよね。

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置かれた状況や世代が異なっても、それぞれが傷つく気持ちを理解しあうことができた2時間。

岡田さん:ありますね。僕は子供のころから同じバイオリンの先生について指導してもらっているんですが、側から見るとパワハラなんじゃないか?というくらい厳しいんです。でも、それを嫌と感じたことは一度もない。先生が僕にとっては安心できる、尊敬できる存在だからでしょうね。

一方で、会社員時代の上司の言葉には、小さなことから大きなことまで、いちいち傷つくことが多かった。失礼のないようにと、精一杯の敬語で話しかけたら「その言葉づかい、気持ち悪いからやめて」と、大勢の人の前で言われたり……そんなことの積み重ねで、こちらもその人に対して壁を作ってしまった。それで余計、関係性がこじれてしまった部分もあるかもしれません。

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20〜30代の参加者からは仕事をする中で傷ついた経験が多くシェアされた。

あゆみさん:上司との関係では私にも苦い思い出があります。以前いた会社の直属の先輩なんですが、移動中などの会話の中に「だから、お前はダメなんだ」という言葉が必ず入っていたんですね。その人は仕事もできるし、尊敬はしていましたが、それにはどうしても折り合いがつけられなかった。その人は常に私のことをダメだと思っているんだ、と感じてしまって。一方で、今の上司にはどう言われても、頑張ろうと思える。信頼関係があるからでしょうね。

わかり合っていたはずの相手の一言だからこそ、ショック大

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——相手との間に信頼関係があれば「ちょっと言い過ぎでは?」というようなことを言われても傷つかないこともありますが、反対に関係が深いからこそ、その発言によって深く傷つくこともありますよね。

伊是名さん:結婚する時、パートナーの両親の反対がものすごかったんです。もちろんそれもキツかったけれど、彼らに対しては「理解のない人は仕方ないわね」くらいな気持ちでいられた。本当に辛かったのは、わかり合えていると思っていた同僚などから「相手のご両親が結婚に反対するのは仕方ない」などと言われたこと!

マーティン・ルーサー・キング牧師の言葉に「善意の人々からの浅い理解は、悪意の人々からの絶対的な誤解よりも苛立たしい」というものがありますが、まさにそれ。本当に苦しかったですね。

後編に続きます。

取材・文/山下紫陽、撮影/TAWARA(magNese)

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山下紫陽

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