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誰かを責める言葉の裏に「私を認めて」の気持ちはないか?/MASHING UP座談会[後編]

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より良いコミュニケーションの在り方を探るため、「ソレ、傷つくんですけど!」という言われてつらかった言葉をシェアしあう座談会。前編は「どんなことを言われても、相手との間に信頼関係があるかないかで受け取り方がまったく変わる」という結論に。

後編は、座談会参加者全員が感じたことがあるという、決めつけられることで傷ついた経験から話し合います。

■出席者(五十音順)
あゆみさん……社会人5年目の営業職。一昨年、転職を経験。
伊是名夏子さん:コラムニスト。骨形成不全症のため車椅子で生活する。著書に『ママは身長100cm』(ハフポストブックス/ディスカヴァー・トゥエンティワン)がある。
岡田さん……会社員を1年経験し、現在は大学院生。
加賀直樹さん……ライター・韓国語翻訳家。ゲイであることを公表。
光太郎さん……営業職。若手からそろそろ中堅と呼ばれる立場に。
篠田真貴子さん……昨年株式会社ほぼ日のCFOを退任し、現在“ジョブレス”を謳歌中。

決めつけ厳禁! パーソナリティを見よ!

——それほど相手との距離が近くない場合、属性で判断されることがよくありますが、これについてはどうでしょうか。

光太郎さん:年齢や性別などで機会を奪われることって、仕事の上では結構あります。聞こえよがしに「若手には任せられないんだよね」などと言われると気分が悪い。僕にも、自分が発案したプロジェクトなのに、若手というだけで参加させてもらえなかったことがあって。あと、便利だからかもしれませんが、毎年新卒社会人に「○○世代だね」とか言うのもやめて欲しいですね(笑)。

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ずっと心の中にあり、消化できていないという経験をシェアしてくれた加賀さん。

加賀さん:「ゲイだったら男の気持ちも女の気持ちもわかるよね」みたいなことを言われるのもちょっと嫌。「おしゃれなんでしょ」とか。実際、今日は全身ユニクロなんですけどね(笑)。

最近一番傷ついたのは、仕事関係のわりと親しい二十代の女性に「近年はLGBTに対する理解が進んでいるけれど、私にはどうしても性的マイノリティの人に対する嫌悪感が拭えないんですよね」と打ち明けられたこと。「加賀さんだから言うんですけどね」とも。 自分ではどうにもならないことを、どうしてこんなふうに言ってくるのか、それに対して僕はどう答えたらいいのか。それについての答えはまだ出ていません

篠田さん:いやあ……びっくりですね。それって、アイデンティティの否定じゃないですか。加賀さんに直接言うなんてどこからどう切ってもアウト(一同頷く)!

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あまりのことに、思わずみんなで頭を抱えてしまう場面も。

相手を責める言葉の裏には「私を認めて」という思いがある

——そんな発言は論外だとしても、口に出してしまってから、自分の発言にハッとすることはありますよね。

あゆみさん:部下に教えているときに「あなたにはもうちょっと期待していた」と言って泣かせてしまったことがあるんです。しかもオープンスペースで! もっと配慮した発言が必要だったと、言ってすぐに後悔しました

光太郎さん:何でも完璧にやらせたがったり、自分で作った枠の中に相手をはめようとしたり、求めすぎるから傷つけてしまうのかも。自分はできるのに、相手はできなかったりすると、余計ぶつけちゃいそうです。一人一人、立場も状況も違うのに。

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「グループで話をしているときに、もしも誰かが誰かを傷つけたら、それを指摘しない同席者も同罪」と伊是名さん。

篠田さん:あることに関して自分が頑張ったという自負があると、それができない人は頑張っていないように見えてしまうんですよね。でも、それって「頑張った私を認めて欲しい」という気持ちの表れだと思うんです。例えば私も、子どもたちに対して「あなたのためを思って……」なんて言いながら、 私が頑張ってきたのと同じ分野に取り組ませようと水を向けてきた。「そんなこと言われても知らんがな」って子どもが言うのは、ごもっともなんですよ。

自分の気持ちに余裕があれば、率直な発言も怖くない

——ただ、傷つけないようにとばかり考えていると、本当のコミュニケーションが取れないような気もしますよね。

あゆみさん:私は、たまには相手に怒られてもいいのかなと思って。こっちが勝手に相手を枠にはめて話したときなどには、違う!ってキレられたほうが、こちらの知見を広げるチャンスかもしれない。

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自分に人の話を聞く余裕があるか、イライラしていないかなど、「コミュニケーションには自分の状態を把握することも必要」と篠田さん。

篠田さん: 私への共感を示した人が、一般論ではなくて 自分が感じたことを素直に言ってくれたら、びっくりはするかもしれないけど、ちゃんと受け止められるはず。反対に、安全地帯から正論然として石を投げる、みたいな発言には引いてしまいます

コミュニケーションに関して私が参考にしているのが『こころの対話 25のルール』(講談社)と『この気もち伝えたい』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)という2冊の本。どちらも日本のエグゼクティブコーチングの草分け的存在、伊藤 守さんの著書なんですが、これを読んで以来、相手に「通じない」と思ったときには「私には“聞く”ができてないんだな」と思えるようになりました。

もちろん、全然話の通じない相手に最初から耳を傾けられるほどの天使じゃないので(笑)、家族や親しい友人とじっくり話すことで自分を落ち着かせる時間を取るようにする。そうすると多少トゲトゲした関係の相手に対しても、興味を持てるようになるんです。

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篠田さんが参考にしているという伊藤 守さんの著書『この気もち伝えたい』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)と『こころの対話 25のルール』(講談社)。

加賀さん:最低限、相手を尊敬する気持ちや知りたいと思う心があれば、コミュニケーションにおいてそんなにおかしなことにはならないと思う。でも、そのためには自分の心に余裕がないと。無条件にいろんなことを言い合える相手との時間って大切ですね。

——敬意を持って相手の話に耳を傾けることから、円滑なコミュニケーションは始まるのかもしれません。本日はどうもありがとうございました。

取材・文/山下紫陽、撮影/TAWARA(magNese)

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山下紫陽

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