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自分の強みを戦略的に打ち出そう。世界中のgirlsが共に学んだ6日間:G(irls)20レポート[前編]

若い女性を未来のリーダーに育てることを目指すカナダの団体G(irls)20。毎年G20サミット開催国でG(irls)20サミットというイベントとワークショップを開催しています。

記念すべき10回目となる今回は、2019年5月25日から30日までの日程で、東京で開かれました。参加者は、独自の活動が評価され、高い倍率をくぐり抜けて選ばれた各国代表の18〜23歳の女性たちです。

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24の国と地域を代表して集まった参加者たち。1600人以上の応募者の中から選抜された。

24人の参加者たちは、4日間のワークショップで交渉術やリーダーシップなどのスキルを学び、5日目のサミットでは専門家のトークセッションを聴講。並行して、皆で議論を重ねながらG20に集まる首脳へ向けた提言書を練り上げます。

MASHING UPがパートナーとしてサポート!

MASHING UPは、G(irls)20サミットJapanのメディアパートナーとして、ワークショップとサミットの運営をあらゆる面でサポート。MASHING UPの活動拠点ともいえる東京・渋谷のイベントスペースINNOVATORS' HUB(運営:株式会社メディアジーン)を、ワークショップ会場として提供しました。

この記事では4日間で開催されたワークショップのなかから、2つを抜粋してご紹介します。

ソーシャルビジネスを成功させるには?

まずは、「ソーシャルビジネスの立ち上げ方(Launching a Social Business)」というワークショップ。コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニー塚本幸子さんが講師を務めます。

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べイン・アンド・カンパニーの塚本幸子さん。

多くの社会貢献事業にもサービスを提供しているというベインのノウハウをもとに、塚本さんは事業を成功に導くためのフレームワークを解説。

それぞれが自国で社会貢献活動に取り組む参加者たちは、すでに百戦錬磨の経営者であるかのような真剣な面持ちで講義に聞き入り、議論を交わしました。

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ソーシャルビジネスの3つのカギって?

塚本さんは押さえるべき点を3つに分けて、順を追って説明します。

1)戦略立案
誰を対象とするのかを明確にし、他のサービスとの差別化をはかる。対象者が必要としていることを見極め、サービス内容を絞り込む(あれもこれもと広げすぎない)。

2)オペレーション構築
人・モノ・時間のマネージメント。拠点・ツール・資材などリソースの確保。規制や制度の理解。

3)資金調達
ボランティアベースの事業でもコストは発生する。運営資金を調達する最適な方法を探る(例:銀行からの借り入れ、投資家からの出資、個人や企業からの寄付、それらの組み合わせなど)。
サービスを提供する事業の場合、利用者への課金は可能か? 寄付に頼る場合は、安定的に集める仕組みを作れるか?

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トピックごとに様々な問題提起がなされたあと、参加者はグループ内で自分のプランを発表。互いにフィードバックを行いました。

各国代表者はどんな課題に取り組んでいるの?

参加者たちの活動内容は、性暴力被害者支援、うつ病に苦しむ女子学生のサポートネットワークなど、多岐に渡ります。18〜23歳という若さですでにサークルやNGOなどを立ち上げ、社会にはたらきかけている彼女たちの行動力に脱帽です。

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トルコ代表のセナ・ナムルさん。

トルコ代表のセナ・ナムルさんの活動は、難民支援。隣国シリアでの紛争が長引く中、特に厳しい環境にさらされている女性への支援を訴え、インターネットを介して市民が気軽に参加できる仕組みを作っています。「私自身も移民のルーツを持っている。それが活動の原動力なんです」(ナムルさん)。

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サウジアラビア代表のフトゥーン・アル・サエディさん。

サウジアラビアの美大生フトゥーン・アル・サエディさんは、アートプロジェクトがきっかけで、リーダーシップの重要さを痛感。アーティスト支援活動と並行して、近代化が進むサウジアラビアで女性が力を発揮できるよう、ワークショップを運営しています。

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日本代表のエバデ・ダン・愛琳さん。

日本代表のエバデ・ダン・愛琳さんは、出身地の岐阜県に住む外国人女性のための防災の手引きの作成に取り組みたいといいます。「情報へのアクセスが限定されがちな外国人女性に向けて、災害時にはどう行動したら良いかを伝えたい」と力強く語りました。

ブランディングはリーダーに欠かせない能力

次なるワークショップは、「パーソナル・ブランディング(Branding and Social Media)」。講師を務めるのは2人のコミュニケーションのエキスパートです。

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エデルマン・ジャパンのディレクター、デボラ・ヘイデンさん。

一人目は世界的なPR会社エデルマンの日本法人で企業M&Aや危機管理などに携わるデボラ・ヘイデンさん。

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ルミナラーニングジャパンの代表取締役、エリザベス・ハンドーバーさん。

そして二人目は、人事コンサルタント会社、ルミナラーニングの日本支部代表エリザベス・ハンドーバーさん。女性に向けたリーダーシップ講座やコミュニケーションスキル講座を、大手企業や有名大学などに提供しています。

情報が溢れる現代では、自分の特性を世間に向けて明確に示すことはリーダーにとって欠かせない能力だと二人は言います。

・自分の長所と資質
・発信したいメッセージ
・仕事人として、どう見られたいか

ワークショップではこれらの項目別に、自分の特性を洗い出す作業からスタート。

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「意識高いアピール」と思われたくない⁉

「自分の強みって何だろう?」。じっくり時間をかけ、棚おろしをした参加者たち。さらに、これをグループ内でシェアしているうちに、あちこちからこんな葛藤の声が上がってきました。

「自信を持つことは大事だけれど、偉そうに見られたくない
「社会貢献の活動をSNSでシェアすると、意識高いアピール、と煙たがられるのではないか」
「周りの反応を気にして、自分の成果を控えめに言ってしまう

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日本人だけでなく、世界中の女性たちが(しかもこんなに堂々としている優秀な女性たちでさえ)、「まわりからどう見られるか」を気にしてしまっているとは! でもそれに対し、こんな前向きな意見も出ました。

「私は、すごいと褒められたら素直に喜ぶことにしている。その上で、あなたもやればきっとできるよ、と言う」

ヘイデンさんも、「そのとおり。批判は気にせずに心から支援してくれる人と喜びを分かち合うことが大事ですよ!」と訴えました。

立ち居振る舞い、話し方。人に与える印象を意識して!

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続いて語られたのは、ハロー効果(Halo Effect: haloは後光の意)について。

ハロー効果とは社会心理学用語。あることに秀でている人を、別のことでも優秀に違いないと判断してしまうこと、または同じ成果に対し、好印象の人には良い評価を、悪印象の人には厳しい評価を下すという人間の認知の特性を指します。

「立ち居振る舞いや話し方などの対人スキルは、仕事の成果を大きく左右します」。ハンドーバーさんは、見た目も含め、人に与える印象について意識的であることの大切さを説きました。

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ワークショップは参加者たちにとって、さまざまな視点から客観的に自分自身を見つめなおす、またとない機会となりました。地理的にも文化的にも異なる背景を持つ同世代の仲間と悩みをシェアし、意見を交わしたことも彼女たちにとって大きな財産となることでしょう。

また、ワークショップでは真剣そのもので社会課題について議論する彼女たちが、休憩時にはお菓子に群がって冗談を言い合ったり、時には音楽を流してダンスしたり。等身大の若者らしい、天真爛漫な姿も印象的でした!

次回はG(irls)20サミットの様子をレポートします。【後編はこちら⇛

撮影/今村拓馬

女の子たちを未来のリーダーに/G(irls)20 CEOヘザー・バーナビーさん[前編]

意思決定の現場に参加し、世の中を動かしていける女性たちを増やす——。そんなミッションを掲げているカナダの団体、G(irls) 20。CEOのヘザーさ...

https://www.mashingup.jp/2019/02/girls20.html

人は創造性を発揮しているときが一番楽しい!/石川善樹さん[前編]

「人生100年時代」と言われ長寿が現実になりつつある今、単に長生きできることは幸福なのでしょうか? 石川善樹さんに聞きました。

https://www.mashingup.jp/2019/02/singularity5_1.html

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野澤朋代

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