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- SDGsは遠い世界の話じゃない。私たちにできる具体的なこととは?
SDGsが目指す世界。17のゴールの全文から紐解いてみよう
前回の記事で、「持続可能な開発目標(SDGs)」の17のゴールがどのような問題を扱っているのかということや、その背景にある課題についてご紹介しました。
そこであらためて各ゴールの全文を確認すると、SDGs が目指している世界の姿がより明確に見えてきます。みなさんが関心のあるゴールはどれですか? 選択肢のなかから、いずれかの回答をクリックすると投票結果がすぐに表示されます。他の人が何に関心があるのか、チェックしてみてくださいね。
SDGsって、そんなに遠い世界の話じゃない
しかし、SDGsはこれだけではありません。各ゴールの下には合計で169のターゲット(具体的な目標)があり、SDGsの達成は、それぞれのターゲットの進展状況によって判断されています。
日本に住んでいると、SDGsは遠い世界のことのように思うかもしれません。しかし、私たちの暮らしと関係がないのかといえば、まったくそうではありません。ごく一部ですが、その理由を以下に示します。(※一部を省略して紹介。( )内の数値はターゲットの番号)
・あらゆる次元の貧困状態にある、全ての年齢の男性、女性、子供の割合を半減させる。(1.2)
→ 日本の子どもの7人に1人は貧困状態にあり、ひとり親家庭の半数が貧困状態にあります!
・世界全体の一人当たりの食料廃棄を半減させ、生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる。(12.3)
→ 日本の食品ロス(まだ食べられるのに廃棄される食品)は年間643万トンです。これは飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食糧援助量(年間約380万トン)の1.7倍です! (※1)
・海洋ごみや富栄養化を含む、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。(14.1)
→ 最近のレジ袋の有料化や、飲食店でのプラスチックストローの廃止などは、近年大きな問題となっている海洋プラスチック汚染対策としての取り組みの1つです!
・生物多様性の損失を阻止し、絶滅危惧種を保護し、また絶滅防止するための緊急の対策を講じる。(15.5)
→ 私たちが食べているクロマグロやニホンウナギは絶滅危惧種に指定されています!
このようにSDGsは私たちの暮らしと深いつながりがあるということがわかります。
各国・各地域の状況にあった取り組みが求められています
ところで、国連の文書では、各国がSDGsに取り組む際には、独自のターゲットを定めることを求めています。これは、各地域の状況や、人口や経済などの規模に見合った目標を設定し、持続可能な社会をつくりあげてこそ、世界レベルのSDGsが実現するという考えに基づいています。
日本の現状を見てみると、高齢化と人口減少、インフラの老朽化、自治体の消滅危機といった、SDGsのターゲットには含まれていない問題が多くあります。
こうした日本独自の問題も考慮して、国や各自治体はSDGs関連の目標や計画を定めています。これらの目標・計画に貢献・参加していくことも、私たちが足元からできるSDGsの取り組みの一つといえるでしょう。
市民・消費者としても、色々なことができるのです
ごく基本的なこととして、私たちは一人の市民あるいは消費者として、自由を享受するかたわらで、社会の規範やルールを守り、安全・安心な社会づくりに貢献することが求められています。
さらには、買い物をするときや選挙で投票するとき、金融機関にお金を預けたり投資をしたりするときに、それが社会課題の解決につながるかどうかを考えて行動を選択することなども、私たちにできるより積極的なアクションと言えます。
また、SNSで人と環境に良い影響を与えている企業や政治家を応援することもできますし、逆に疑問を投げかけることもできます。もし見過ごせない人権侵害や環境破壊が起きている場合には、裁判所などに訴えることも一つの手段です。
大事なことは、世界とのつながりやSDGsが目指す社会に思いを馳せつつ、日々の暮らしのなかで、一人ひとりができることから実践していくことでしょう。やがてそれは企業や社会に向けた強いメッセージとなり、世界をより持続可能な方向に変えていく力となるのではないでしょうか。
※1 消費者庁HP「食品ロスとは?なぜ食品ロスの削減が必要なの?」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/education/
[公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES)]Image via Shutterstock
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