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Reshape:パートナーシップ

家族ってなんだろう。子を持ち、育てる「ふたりぱぱ」が教えてくれたこと #ふたりのはなし

「ふたりぱぱ」として、男性同士のパートナーシップのなかで子どもを持ち、育てているみっつんさんとリカさん。スウェーデンでの子育て生活について、「#ふたりのはなし」を伺いました。

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左から、リカさん、息子さん、みっつんさん。

みっつんさん(名古屋出身)×リカさん(スウェーデン出身)
2008年に東京で出会い、2011年にスウェーデンの法律の下、結婚。同年、東京からロンドンへ移住。2016年、サロガシー(代理母出産)により男児を授かったのを機に、リカさんの出身地であるスウェーデン北部に移住。2015年よりみっつんさんの運営するブログ「ふたりぱぱ」で代理母出産の経験や子育て日記を紹介。2019年8月上旬、みっつん著『ふたりぱぱ ゲイカップル、代理母出産(サロガシー)の旅に出る』(現代書館)発売予定。

「ふたりまま」は地域で10組ほど。でも、「ふたりぱぱ」は僕たちだけ

——2016年に代理母出産(サロガシー)によって息子さんを授かられ、現在はリカさんの故郷であるスウェーデンで暮らしていらっしゃいますね。お二人の身近には、子どもを持っているゲイやレズビアンのカップルがたくさんいらっしゃるのでしょうか?

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息子さんが夜寝るときと、朝起きたときに隣でつぶやく「パッパ」の声に癒されるというみっつんさん。

みっつんさん(以下、みっつん):たくさんではありませんよ。僕たちはスウェーデンの北部、人口7万5千人ほどの小さな街に住んでいます。ゲイカップルのパパたちは、この街には僕たち以外にはいません。でも、ここ数年でレズビアンカップルのママたちは増えてきました

僕たちは2016年から地元のプライドパレードに参加しているのですが、レズビアンカップルのママはその年は1組だったのに、去年(2018年)には10組にもなっていました。スウェーデンでは、シングルの女性やレズビアンの女性には体外授精が認められていて、政府からの補助金も出るので、生殖補助医療にアクセスしやすいという背景があります。

——レズビアンカップルのほうから先に、出産や子育てへの道が切り開かれつつあるのですね。息子さんは3歳になりましたが、3人での暮らしはいかがですか?

みっつん:最初の一年は、ふたりとも仕事を休んで分担して子育てをしていました。でも、2年目からはリカはフルタイムの仕事をして、僕は語学学校に通ったりもしています。リカとふたりで分担しながら子育てと家事をやっています。

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息子さんと遊ぶリカさん。ふたりで分担し、協力しながら子育てと家事を行う日々。

リカさん(以下、リカ):息子の成長や、毎日の生活を楽しむ様子を見ていると、笑顔になれます。

みっつん:僕たちは同性カップルなので子どもを持つことは簡単ではありませんでした。でも、だからこそ、子どもを持つことについてよく考えることが出来た。毎日の生活を「これはあたりまえのことじゃないんだ」と感じ、一日一日を大切に思えていますね。

親であるということは、親であるというだけ。男だから女だからは関係ない

——「パパがふたり」ということで何かハードルの存在を感じたことはありますか?

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凍った海の上を歩く3人。家族が仲良く暮らすために「家の中で過ごすだけではなく、一緒に外出すること」を心がけているそう。

みっつん:男親だけだからということで困ったり苦労したりすることはないです。僕たちは、経済的なことも家事も、そのときできる方ができることをやるというスタンス。パパ役、ママ役というテンプレもなし男だから、女だからということは関係ない気がします。

リカ:親であるということは、親であるというだけ。男女のカップルの両親と、そんなに違いを感じたことはないですね。

みっつん:僕たちの生活の様子を見た日本人の方から、「みっつんがママ役なんだね」と言われたことがあります。僕はそのとき、違和感があった。パパ役、ママ役ってなんだろう、と。家庭には男女の夫婦がいて、子がいて、母親の優しさと父親の厳しさが必要というような、ステレオタイプなものの見方の影響がここにはあるのかもしれない。僕自身も日本で生まれ育ってきて、そんな家族神話を自分も持っていた時期があったようにも思います。そのような家庭でないと子どもって幸せじゃないんじゃないか? と思い込んでいたのかもしれない。

けれど、今はそんなふうには思わないです。子どもが育つ上で、周りにはたくさんの大人たちがいる。あたりまえですが、幼稚園の先生やおばあちゃんなど、女性たちにも囲まれています。ですから、家庭がパパだけであっても、問題はないかなと。

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ふたりぱぱだからこそ気を配っていることは、現段階では特にないというリカさん。親子の絆に、男も女もパパ役もママ役もないのだ。

リカ:息子がこれから大きくなるにつれ、他の家族との違いに気づいたり、自らの出自について考え始めたりするころには、ともに寄り添って、何をどう伝えるのか気を配っていくことになるとは思います。

みっつん:そうですね。将来的にはそういった局面が出てきますが、現時点では母親不在についての悩みはありません。息子が通うスウェーデンの幼稚園でも、僕たちがゲイカップルだからといって特別視されることもない息子の友達も、僕たちはパパが二人いる家庭だというのを理解して受け入れてくれています。子育ては家族のなかだけでするものじゃない。社会のなかですることだから、身近な周りの人々と関わりながら、楽しく子育て生活をしていますよ。

リカ:僕たちの場合、親も子どもも同性だから、更衣室やトイレにいつも一緒に入れるので、実は子育てしやすいというメリットもありますよ。

パートナーシップも、子育ても。性別という枠組みは関係ない

——初めての子育てをしてみて、ご感想は?

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もともと子ども好きだったというみっつんさん。「子煩悩ふたりぱぱ」に囲まれて嬉しそうにニコニコ笑う息子さんが可愛らしい。

みっつん:子育ては24時間の仕事だと散々聞いていて、頭では分かっているつもりだったけど、実際にやってみるとこんなに大変なことなのか! と実感します(笑)。他のパパやママたちといつも「子育てって体力だよね!」と言い合って、共感し合っています。子育ての苦労は、男女に関係ないと思いますね。リカと協力しあって、子ども中心の生活を送っています。息子がイヤイヤ期を迎えたときは、リカの接し方が素晴らしかった。忍耐力が僕よりもずっとあって、気長に待ってあげることができる。どうしたらこの子が楽しく前向きになるムードになるのかとずっと考えてくれて。僕に足りないところを補ってくれています

リカ:僕は息子と一緒になって、レゴや恐竜の人形で遊ぶのも楽しいですから。

みっつん:子育てで疲れても、息子の眠る姿を見ると、それだけですべてがチャラになります。行ってきますのハグやキスをするとき、ああ、また頑張ろうと思えるんです。

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代理母出産を経て、家庭を築くみっつんさんとリカさん。「男だから」「女だから」といった固定観念を脱ぎ捨てて、お二人は「親」として息子さんと向き合いながら、パートナーシップを育てています。

男だから、女だからということは関係ない。
親であるということは、親であるというだけ。


写真/みっつんさん提供(1枚目:Claudia Burlotti、2枚目以降:futaripapa.com)

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濱野ちひろ
ノンフィクションライター
1977年、広島県生まれ。2000年、早稲田大学第一文学部卒業後、雑誌などに寄稿を始める。2018年、京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了。現在、同大学大学院博士課程に在籍し、文化人類学におけるセクシュアリティ研究に取り組む。2019年、『聖なるズー』(集英社)で開高健ノンフィクション賞受賞。2020年、同書で大宅壮一ノンフィクション賞及び講談社本田靖春ノンフィクション賞候補、2020年ノンフィクション本大賞ノミネート。https://chihirohamano.jp/ (写真/小田駿一)

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