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CONFERENCE:MASHING UP vol.3

“女性活躍”を掲げる前に、“男の上げ底”をやめません?/社会学者・上野千鶴子さん

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東京大学で祝辞を述べた際の記念パネルを手に。今年の東大のオープンキャンパスには、例年より多くの女子生徒が参加したそう。

MASHING UPいよいよ開幕! 上野千鶴子さんからメッセージ

突然ですが、「女性活躍」という言葉、どう思いますか?

「う〜ん、今の女性はもう充分活躍してるんじゃない?
わたし別に活躍したいわけじゃない。そこそこ仕事して、食べていければそれでいいんだけどな」
「活躍活躍言われても、こんな不完全なシステムの中、これ以上どうがんばれって言うのよ⁉」

人によってその感じ方は様々でしょう。

「わたしはね、“女性活躍”を叫んで女の後押しをする前に、男の上げ底をまずやめろ、と言いたいの。東京医科大の不正入試に、今も公然と続く採用差別。そういう差別を撤廃すれば、女はもっと活躍できる。シンプルでわかりやすいでしょう?」

舌鋒鋭くそう語るのは、社会学者の上野千鶴子さん。2019年4月、東京大学の入学式での祝辞が大きな話題となりました。本日からいよいよスタートするMASHING UPカンファレンス2日目の11月8日、なんと、2つのセッションに登壇します。

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社会学者で東京大学名誉教授の上野千鶴子さん。認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)の理事長も務める。

「女性活躍」をテーマにしたセッションでは、女性活躍という言葉に関して感じる思いや、クォーター制の是非などを、4人の登壇者が徹底討論。さらに、「女性活躍」に代わる新しい言葉を参加者とともに模索します。20代から70代までの、世代を超えた登壇者によるクロストークは、かなり刺激的なものになること間違いなし。

日本の法律には罰則規定がなく、実効性がない。つくってもつくっても、そのたびに骨抜きにされてきたの。典型的なのが均等法。女性をあっという間に総合職と一般職に分断してしまった。総合職を選んだ女性には、歯を食いしばって、男並みに頑張ることを強いた」(上野さん)

男女雇用機会均等法とは一体何だったのか? なぜ日本ではジェンダーの溝がいつまでも埋まらないのか? 「女性活躍」にまつわる歴史や背景を、上野さんが鮮やかにひもといてくれるでしょう。

DAY2_女性活躍はキモチワルイ

11月8日15:15スタート。登壇するのは女性向けエンパワーメント動画メディア「BLAST」CEOの石井リナさん、アドビバイスプレジデントの秋田夏実さん、モデレーターはBusiness Insider Japanの浜田敬子統括編集長。

さらに、直前に行われる「家族のカタチ2019 – 家族 is the bestという呪縛」セッションも必聴。2つのセッションに続けて参加すれば、日本の女性の立場というものを深く理解できるはず。

家族のカタチ2019 – 家族 is the bestという呪縛

「日本には家族の呪縛がいっぱいある」

2019年6月、あるテレビ番組の取材にそう語った上野さん。家事や育児、介護など、家の中のこと=ケア労働は娘や嫁がするのが当たり前。そういった古い価値観もあまたある「家族に関する呪縛」のひとつといえるでしょう。

「そのベースにあるのは、“父親が一家の大黒柱”という“男性稼ぎ主モデル”。でも実はこの世帯モデルは1960年代に定着して、1990年に解体に向かってる。たかだか約30年くらいと歴史としては浅いんですよ

“男性稼ぎ主モデル”を脱却し、 男性も女性も、家族にまつわるあらゆる呪縛から自由になるには? 結婚制度やパートナーシップのありかた、おひとりさま、家事や介護の問題までからめて、現在の、そしてこれからの「家族のカタチ」を探ります。

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11月8日、13:30スタート。モデレータは、パートナーが主な家事や育児を担う「逆転婚」をしているコラムニストの犬山紙子さん。

「家族」と「女性活躍」。一見相反するようですが、実は、密接に結びついている2つのテーマ。ぜひ、両方のセッションに続けて参加してみてください。社会に潜むバイアスやモヤモヤのもとが、くっきりと見えてくるかも。

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「誰かがハッキリ言わなきゃいけないことを、当日はガンガン言いたいわ(笑)」。

今からでも申し込みOK! MASHING UPの概要はこちら

撮影:中山実華


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