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- 「プラスチックごみ問題」と、私たちの暮らし
プラスチックごみ問題は、2016年のエレン・マッカーサー財団(イギリス)による報告や、ウミガメの鼻に刺さったストローの映像が公開されたことなどがきっかけとなり、世界中で認知されるようになりました。エレン・マッカーサー財団の報告によると、いまの私たちの暮らしをつづけていくと、2050年には海洋中の魚の重さよりも、プラスチックの重さの方が重くなるといわれています。
プラスチックごみ問題は、SDGs達成に向けた重要な課題
プラスチックごみ問題は、SDGsの17のゴールと169のターゲットには直接的に記載されていないものの、ゴール12(持続可能な消費と生産)やゴール14(海洋生態系の保全)に大きく関連するなどSDGs達成に向けた重要な課題です。
国際社会でも、海洋プラスチックごみを中心とするプラスチックごみ問題は何度も議論されています。2019年に日本で開催されたG20エネルギー・環境大臣会合は、海洋プラスチック問題への取り組みが大きく前進する場となりました。このように国際的な機運も高まるなか、今回は、私たちが日々使用しているプラスチックに着目していきたいと思います。
「私たち」ができることは?
最近話題となっているのは、プラスチックごみ問題の中でも「海洋プラスチックの問題」です。推計によると、世界では年間約800万トンのプラスチックがごみとして海洋中に流れ込んでいるとされており、世界中の研究者が海洋中に流れ込んだプラスチックの排出源や発生経路、また人体への影響などについて研究を進めています。
この問題に対しては、政府、企業、そして私たち一人ひとりが、プラスチックごみを海に流入させないための対策を取っていくことがとても重要です。具体的には、どのような対策ができるのでしょうか?
最も大切なのは、「プラスチックごみを減らす」ことです。そのために個人でできることは、3R(リデュース、リユース、リサイクル)の実践、つまり、使い捨てプラスチックの利用削減、プラスチックの再使用、プラスチックごみの再利用を進めていくことです。
たとえば、買い物をする際には、不要な容器包装やレジ袋を断るなどして、使い捨てプラスチックの使用を減らすことができます。欧州では、こうした企業と個人による使い捨てプラスチック削減のための取り組みが積極的に行われています。
個人的な話になりますが、筆者が昨年イギリスを訪れた際に洋服と靴を購入したところ、お店の人は商品を袋に入れずにそのまま渡してくれました。また、会議では、当たり前のように参加者全員がマイボトルを持参するなど、プラスチックに対する社会的・個人的意識の高さに少し驚いた経験があります。
「企業」に期待される役割
次に、企業に対しては、使い捨てプラスチックに代わる代替品や新素材の開発、製品の軽量化、またそうした技術を用いた製品開発などの役割が期待されます。
環境負荷の少ない代替品への切り替えや新素材を用いた製品を開発し、消費者にとってサステナブルで魅力的な商品やサービスをつくっていくことも重要な役割になるでしょう。
また、政府や他社との連携を通じて、デポジット制度(使い捨ての容器等の回収率を上げるため預り金を製品の価格に上乗せし、返却された場合に預り金を返す制度)を構築していくことなども考えられます。
このように、プラスチックごみをめぐる消費者の行動や選択を変える土台作りにも、企業による貢献が大きく期待できるのではないでしょうか。
「政府」に求められること
最後に、政府には、企業による技術・素材開発への支援、代替品に切り替えていくためのインセンティブづくりなどがあげられます。また、消費者行動の変化を促すような政策やキャンペーンの推進も期待されます。
昨年には、環境省による『プラスチック・スマート・キャンペーン』 が立ち上げられ、企業・市民からのプラスチックに関する情報共有や企業間・その他セクターの連携促進などを目的とした取り組みにも注目が集まっています。
さらに、ごみを出さないための対策と同時に、ごみとして排出されたプラスチックに対して、適切に管理・処理していくための廃棄物管理を徹底していくことも、政府に求められる重要な役割です。
プラスチックを使わないことは難しいですが、まずは、問題を知ること、そして、意識して何ができるのかを考え行動することが、課題解決に向けた第一歩になるのではないでしょうか。
あなたは、プラスチックごみの問題を解決するためにどのようなことを実践していますか?
[SDGs:12,14/公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES)]Image via Shutterstock

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