“オフィス以外で働く”というスタイルが、徐々に浸透してきています。
では、そんな中で、「“どこでも仕事ができるスタイル”を確立する」には、またその上で、「心身ともにヘルシーに仕事をする」には、どうしたらいいでしょうか?
コンピューティング・デバイスの面から多様なワークスタイルをサポートするロジクールとMASHING UPは、3回にわたって「MASHING UP ✕ Logicool ワークスタイル研究会」を実施。そこで見えてきたのは、こんな結論でした。
自分の仕事、ライフスタイルにあわせて、
時間の使い方・環境・デバイスを、適切に「カスタマイズ」すべし。
オンとオフの切り替えが難しいリモートワークでは、「自分が働きやすい状況をいかにつくるか」が肝心。
例えば、
- どんなときでも仕事モードをオンにして集中するための仕掛けづくり
- リモートワーク時に必ず必要になる、チャットなどテキストコミュニケーションのルールづくり
- 持ち運ぶことが必要になるデバイスを賢く選び取ること
などが必要になってきます。
以下、ワークスタイル研究会で発見した「ここをカスタマイズすれば、仕事が捗る!」という働き方のポイント8つを紹介します。
研究会にはリモートワークが可能な企業に属する会社員、フリーランサー、自営業者などを含む16人が参加。写真は第2回の研究会の様子。
Point 1:時間の使い方にマイルールをつくることで生産性アップ
今回の研究会で、フリーランス、リモートワーカーの方が“もっとも大きな仕事上の悩み”としてあげていたのが、時間の使い方。
「いつでも仕事ができるぶん、オンとオフの境界線がなくなる」「やりとりの多くがメールやチャット。その返信に追われて、メインの仕事に注力できない」などがあげられました。
中央の海野さよこさんは企業の管理部門に所属。日々、社内外から大量のメッセージや書類を受け取る。タイムマネジメントもかねてPC作業の効率化を徹底。常時20以上の作業画面を立ち上げて作業するそう。
一方、その対応策として多くの方が実践していたのが、時間に関するマイルールを設けること。
「“緊急案件でなければ空いた時間に”とフィルタリングするなど、メールをする時間にルールをつくった」「自宅作業は早朝から子どもが帰宅する14時までと決めて集中。フリーランサーはいつでも仕事ができるけれど、自分の“終業時間”をしっかり設けることが肝心」などの意見が。
社外で仕事をする理由も、仕事ができる状況もそれぞれに違っています。今後は「いかに自分の生活に仕事をフィットさせるか」が重要。自分だけのマイルールを探る必要がありそうです。
MASHING UPの中村寛子と、第1回に参加した徳永啓太さん。車椅子を使用する徳永さんは現在、基本的にリモートワーク。徳永さんは「自分の生活の中での仕事の優先度が決まっているのでオンとオフの配分は自然とできる」そう。
Point 2:集中できる場所や環境を見つけて「仕事モード」のトリガーに
意外に多かったのが、「自宅は、家族がいたり趣味のものが近くにあったり、仕事がしにくい」という意見。これに対し、参加者からは、オフィスや自宅以外に集中できる環境や、きっかけをつくるべきという提案も。
「まずリサーチとしていろいろな場所で仕事をしてみて、“集中できるスペース”を見つけた。“このカフェの、この席”といった具体的な場所があると、意識の切り替えがしやすい」。「これを聴くとなぜか仕事が捗る、という音楽がある」と、BGMを“集中トリガー”として使っている方もいました。
仕事が進むプレイリストをブラッシュアップ中というライフハッカー[日本版]編集部の鈴木拓郎太さん(左)と、「リモートワークがはかどる街」を見つけて、そこでよく仕事をしているというMYLOHAS編集部の花﨑広樹さん(右)。
Point 3:2割増しで冷たく感じる、テキストコミュニケーションに注意
ほぼ全員がフリーランスやリモートワーカーならでは問題として答えたのが、一人で仕事をするからこその孤独感と、チャットやメールなどテキストコミュニケーションの難しさ。
「ずっと一人でいるとだんだん暗い気持ちになってマイナス思考に」「チャットやメールなどコミュニケーションは、必要以上にそっけなく感じてしまう」とのこと。テキストを送るほうも受けとるほうも、相手はそっけなさを2割増しぐらいに感じてしまうと考えておいたほうがよさそうです。
一方で、「“HELLO!”といった楽しげな挨拶メールから始まった仕事はうまくいく気が。相手のことを知り、好きになったほうが自分も楽しいし、仕事がスムーズに進む」という体験談も。そっけなさも2割増しなら、楽しさも2割増しなのかもしれません。
第1回から第3回まで通しで参加してくれた、デザイナーで経営者のみたけさやかさん。「時差のある国との仕事はマイルールをつくらないと24時間仕事になってしまうので気をつけています」。
Point 4:相手の顔が見えるビデオミーティングを積極的に活用
また、多くの方がビデオ電話の活用を推奨。「ビデオミーティングなら、相手の顔が見え、言葉の真意、状況を深く理解できる。いまは、画角を変えられ、背後の写り込みを調整できるものや、顔の印象を盛れるカメラもあります」。
カメラはPC内蔵のものではなく、コミュニケーション専用の外部カメラを使ったほうがいいという意見も。“どアップ”になりがちな内蔵カメラでは、リラックスして会話に集中することができません。
また、「誰とも会話をしないでいると気持ちが暗くなる」という声もあり、本研究会では、「近いうちに、もう少し気軽にビデオミーティングやビデオチャットをする風潮になるだろう」という見解でまとまりました。
企業内で営業サポートをする河埜はるかさん(左)は、多くのスタッフからの連絡を受けるため、とくにコミュニケーションに気を使っているそう。ライフハッカー[日本版]編集部の岸田祐佳さん(右)は「もっとビデオチャットや音声を使ったコミュニケーションを気軽に使ったほうがいい」と提案。
Point 5:一緒にいなくてもコラボレーションできるチームをつくる
また、特に組織に属しているリモートワーカーが気に留めたいのは、「目に見えないプレッシャー」の問題。
「上司のアカウントが遅くまで“オンライン”になっていると、自分も同じように働かなくてはいけないと思ってしまう」人もいるそう。
さらに、「チャットの返信が遅れたときなど、さぼっていると思われないだろうか、と考えてしまう。なぜか、見張られているような気持ちになる」という人も。
ロジクールの世界中のブランドウェブサイトを統括する秋吉梨枝さん。リモートワークで国をまたいだチームを率いているため、実体験を多くシェアしてくれた。
これに対して、参加していた管理職の方からは、「それぞれが抱えるプロジェクトや役割が違うので、働く時間に差が起きるのは当たり前のこと、プレッシャーは感じなくていい」との意見が。
「リモートワークが目指すもののひとつは、いつも一緒にいなくてもコラボレーションできるチームづくり。上司もオフィス内とは違った、スタッフ管理やマネジメントが必要だし、部下の間違った思い込みや慣習をなくしてあげることが大切」とのアドバイスには、一同大きくうなずきました。
離れて仕事をしていると、お互いの状況がわかりづらいもの。チームメンバーのそれぞれの仕事を定期的に共有し、立場の違いや物事に対する捉え方の違いを理解しあうことが重要になりそうです。
Point 6:プライベートを共有したほうがいい時もある
コミュニケーションにまつわる働き方のコツのなかで、特にユニークだったのが「節度をもってプライベートもシェアすべき」という提案。
フリーランスでイベントコーディネイトやPRをする前村詩織さん。組織に所属していたときは、あえてお子さんを職場に連れて行ったそう。
これには、「親近感がわき、モチベーションを共有しやすいから」といった理由や、「仕事仲間の子どもが熱を出したときに、子どもの顔や名前を知っていると、一緒に心配してあげられるし、快くフォローできるから」などの理由があるといいます。
また、チームのスラック内に「仕事とは関係のない“お笑いチャンネル”を作っている」という人もいました。
「スラックやチャットは、仕事の内容で埋め尽くされがち。ちょっと笑えるトピックなどをシェアすると、顔を合わせる機会の少ないリモートワーカーとの良い関係作りになる」からだそうです。
Point 7:鉄則は「とにかく荷物を軽く」
どこでも働くことができる一方、仕事に必要な最低限のものを常に携帯しなければいけない、というデメリットも。「バッグにはノートパソコンやマウスを入れている。荷物が重いと気が沈むし、パフォーマンスも落ちる」。
ワークスタイル研究会の進行を務めた奥部 諒さん。イベントマネージャーなどの仕事をしながら大学院へ通う。基本的に「その時いる場所」で仕事をするため、「荷物は軽く、メッセージは即レス」が信条。
参加者のなかには、タブレットやスマホのみという達人も。最近は、ワイヤレスの軽量キーボードも登場し、タイピングが必要なときは、それを活用しているそう。
「フリーアドレスのオフィスも多くなったし、重い作業ツールは極力避けたい。身軽でいることが、結果的にモチベーションのアップにも繋がっている」と話します。
Point 8:体の負担のないデバイスを相棒に選ぶ
そして、体のケアも、快適なリモートワークに必要不可欠です。「遠隔作業のぶん、どうしてもPCに向かう時間が増える。合間にストレッチをしてみたり、慣習的に体を動かすように心がけている」という人が半数以上いました。
一方で、体への負担が少ないデバイス選びを実践しているという人も。たとえば、ブルーライトカットのメガネや柔らかく耳にフィットするヘッドセット、人間工学の視点から開発されたマウスなど。「すべて体に直接触れるもの。効率や快適さに直結する大切なポイントとして、デバイスを見直すことは重要です」。
「MX MASTER 3」は人間工学に基づいたデザインで手のひらにぴったりフィット。1秒で1000行のスクロールが可能なホイールや割り当て機能つきのボタンなど、高い機能性を誇る操作エリアも指先にしっくり馴染み、生産性を大幅に向上する。
この研究会を企画したロジクールの弓場公平さんも、「デバイスの在り方で仕事の質は大きく変わる」と言います。
ロジクールの弓場さんからは、デバイスを用いて心地よい働き方を実現するアイデアが多く飛び出した。
「ロジクールでは、人間工学などを駆使し、人がデバイスに合わせるのではなく、デバイスが人の一部になるような製品づくりをしています。例えばマウスでいうと、これまでは“人が手でマウスを操作する感覚”が普通でした。でも今は、“マウスが自分の手の一部として動くような感覚”の製品を生みだしています。
それは、Healthy Computing(心身に負担のない、コンピューターとの向き合い方)を推進するためであり、この実現によって、働く人がより健康的に楽しく働けるからです」。
持ち運びしやすいポータブルマウス「Pebble ワイヤレスマウス M350」。小ぶりなのでスペースを取らず、またクリック時の“カチカチ”音が大幅に軽減されているのも魅力。カフェや周囲を気にせずに作業できる。
自分にぴったりなワークスタイルは必ず見つかる
ウェブディレクターの今西翼さん。社会人1年目で先輩や上長への確認作業も多く、会社にいたほうが仕事が進むそう。積極的に会社での作業を選択することも時には必要、というヒントをくれた。
「どこで働くか」「いつ働くか」「何を使って働くか」など、いま、仕事の仕方の選択肢はますます増えています。
さまざまな意見を交換したこのワークスタイル研究会でわかったのは、たくさんの選択肢の中で、自分の業種や職種、役職、業務内容、そして性格などのパーソナリティにあわせて、仕事が捗るような心地よいワークスタイルを自分で探求し、カスタマイズする必要があるということ。
MASHING UPの中村茉莉花(左)とコラムニストの伊是名夏子さん(右)。リモートワークを取り入れてから「仕事のスピードが上がった」と中村。伊是名さんの「デバイスを見直すのは、よっぽど困っているときか、よっぽど暇なとき」という発言に一同うなずく。意識的に見直してみたい。
自分だけのワークスタイルづくりはとてもクリエイティブな作業。まずは上記の8つのポイントを抑えながら、自分のスタイルを研究してみるのはいかがでしょうか。
ロジクールは「#WORKFROMANYWHERE」を推進しています。これは、今後必ず増えていくとされるリモートワークやフリーアドレスなど、“場所にとらわれず、どこからでも仕事をする人(work from anywhere)”を応援しようというキャンペーン。同社は「work from anywhereの実現をはばむいかなる壁も、デジタルで必ず越えられる」と信じ、活動を続けています。
ぜひ皆さんも、自身のワークスタイルの研究成果をハッシュタグ「#WORKFROMANYWHERE」とともに、SNSでシェアしてください。
リモートワークを快適に集中して行うための8つのポイント
1. 時間の使い方にマイルールをつくることで生産性アップ
2. 集中できる場所や環境を見つけて「仕事モード」のトリガーに
3. 2割増しで冷たく感じる、テキストコミュニケーションに注意
4. 相手の顔が見えるビデオミーティングを積極的に活用
5. 一緒にいなくてもコラボレーションできるチームをつくる
6. プライベートを共有したほうがいい時もある
7. 鉄則は「とにかく荷物を軽く」
8. 体の負担のないデバイスを相棒に選ぶ
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!
文/松本雅延、撮影/中山実華
[Logicool]
sponsored by 株式会社ロジクール
Tag
イベント
おすすめ
JOIN US
MASHING UP会員になると
Mail Magazine
新着記事をお届けするほか、
会員限定のイベント割引チケットのご案内も。
Well-being Forum
DE&I、ESGの動向をキャッチアップできるオリジナル動画コンテンツ、
オンラインサロン・セミナーなど、様々な学びの場を提供します。