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Conference:MASHING UP vol.3

社会課題の解決に取り組む理由は、強い使命感からでも大きなきっかけがあったからでもなかった/GoodMorning代表取締役社長 酒向萌実さん

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「社会課題の解決に取り組んでいる人」と聞いて、どんな人を想像するでしょうか。意識の高い人? 強い使命感がある人? なにか大きなきっかけがあったから取り組んでいる人?

「社会課題の解決」というカテゴリーに特化したクラウドファンディングプラットフォーム「GoodMorning」代表取締役社長の酒向萌実さんは、そのどれでもありません。強い使命感も、大きなきっかけも特にないと言います。

では、どんな思いから社会課題と向き合うのか。11月7・8日に開催するビジネスカンファレンス「MASHING UP」にも登壇する酒向さんに、お話を伺いました。

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酒向萌実(さこう・もみ)さん
1994年2月生まれ、東京出身。ICU卒。2017年1月より株式会社CAMPFIREに参画。ソーシャルグッド特化型クラウドファンディング”GoodMorning”立ち上げメンバーとしてプロジェクトサポートに従事、担当した代表的な事例として、スタディクーポン、日本初の裁判費用クラウドファンディングなど。事業責任者を経て、2019年4月に事業を分社化、株式会社GoodMorning代表に就任。一人ひとりが連帯し合える社会を目指し、クラウドファンディングを活用した社会課題解決や認知拡大などに取り組む。 https://camp-fire.jp/goodmorning

サポートするのは、社会課題と向き合う人たち

——まずは「GoodMorning」について、どのようなことをしている会社なのか教えてください。

社会課題の解決を目的としたクラウドファンディングのプロジェクトを掲載したい、という人たちのサポートを行っています。

もともとは、「CAMPFIRE」といういま日本で一番大きい規模のクラウドファンディングプラットフォームのなかで、社会課題の解決を目的としたプロジェクトだけを扱うサブブランドとして2016年10月に始まりました。

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CAMPFIREはオールジャンルのプラットフォームで、フードやガジェット、サブカルチャーなどのプロジェクトが多いのですが、それらのプロジェクトと社会課題の解決のためのプロジェクトが並ぶと、社会課題のほうは見てもらえなかったり、良さが伝わらなかったりしたんです。お金の流れも、社会課題のプロジェクトは「自分のためにモノを買う」ではなくて、「誰かのためにお金を払う」という行為なので、そもそも消費のモチベーションも違いました

そこで、隣で並べるのではなく、社会課題に関するプロジェクトは別の窓口を作ったほうがいいんじゃないかということで始まったのがGoodMorningです。

お金がないと新しいチャレンジをすること自体難しいので、いままでは、個人や小さい組織ではチャレンジするハードルが高かった。でも、クラウドファンディングという方法があることで、どんな人でも一歩踏み出せるような、お金を理由に諦めなくていいような社会が作れるんじゃないかという思いで、この事業をやっています。

——酒向さんは、GoodMorningに入社する前はなにをされていたのですか?

新卒で入ったアパレル企業で、実店舗での販売をしていました。昔から、洋服が好きだったんです。

学生時代は、服を生産する国の児童労働や、大量に出る洋服のゴミ問題、環境問題など「アパレル業界の問題」に対して新しいアクションを起こしているエシカルファッションの会社でインターンとして働いたり、NPOのボランティアに参加したりもしていました。

ただ、大学卒業後にそういう領域で仕事をするというのはなかなか難しいと当時は感じていました。NPOも、新卒で入れるところは本当に数が少なくて。関わるならビジネスとしてやってみたい、という思いもありました。そういう理由から、新卒では一般企業に入ろうと思って、アパレルの企業に就職しました。

——それから、なぜGoodMorningに?

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アパレルの店舗で働いていたときにモチベーションが一番上がったのが、たとえば妊婦さんが来たときに、買い物しづらい配置になっているからどうしたら良いか考えているときや、耳の聞こえない方が来たときには、じゃあ筆談してみようと工夫してみたときだったんです。

社会にはたくさん課題があって、自分と同じような生活ができていない人はたくさんいて。それを解決するために自分は何ができるのか。そういうことを考えているときが一番楽しかった。

すごく好きなものを仕事にしたけど、好きなことよりも課題意識を感じているところを仕事にするほうが多分自分には向いているなと気がついたので、転職しようと決めました。

そのタイミングがちょうどGoodMorningが立ち上がったばかりのタイミングでした。ここで働きたい! と思って入社して、そこから立ち上げメンバーとしてずっと一緒にやってきています。GoodMorningがCAMPFIREから分社化するタイミングで、代表取締役社長に就任しました。

社会にはたくさんの問題があるという意識は、ずっと感覚的に持っていた

——社会課題を解決することに強い思いを持ち始めたのはいつからだったのでしょうか。なにかきっかけはあったのですか?

大きなきっかけは特にないですね。私、1994年生まれなんですけど、バブルが崩壊した直後で、小さい頃から、テレビをつければ景気が悪いです、人口が減っています、気温が上昇していますとか流れていて。

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それで、「あ、どうやら社会にはたくさんの問題があるらしい。しかもそれをこうむるのは私たちで、さらには私たちよりもっと若い世代なんだな」というのをなんとなくずっと感覚的に持っていたんです

そのなかで地球はこのまま続いていくし、自分もしばらくは生きているだろうし。そう思ったときに、「課題がたくさん発生しているのであれば、解決しながら生きていかないと、人も地球も死んでしまう」と思った。なにか特別な、この社会課題を解決しなければならないという強い使命感というよりは、自然に、普通に思ったんです。そして、課題を解決することに面白さや、やりがいを感じていなければ、楽しい未来はない、とも。

——なぜそんなにも、社会のことを考えられるようになったのでしょうか。

なんでなんだろう(笑)。でも、ひとつあるのは、自分がものすごく特権的な立場だというのは感じていて、選択肢の多い人生を歩めてきたと思っているからかもしれません。行きたい学校も自由に選べたし、転職するときも実家に済んでいたので強い不安も持たずに会社をやめることができ、自分のやりたい仕事を選べて。

でも、ということは、そうじゃない人も絶対いると思ったんですそこに明らかな差が構造的にあるはずで、それって間違っているなって。自分のなかでそういう意識があることが、社会課題の解決に取り組む理由のひとつかもしれません。

——誰も見捨てない、助け合える社会に、と考えているのですね。ですが、意外にも酒向さんは「SDGs」という言葉があまり好きではない、という話を聞きました。それはどうしてでしょうか?

嫌いとかではないんです。ただ、個人の努力で解決できる問題って、私はあんまりないと思っていて、基本的には社会の構造を変えていかなきゃいけないと考えています。

SDGsのなかで「気候変動に具体的な対策を」とありますが、たとえば「マイボトルを持ち歩きましょう」と言って、みんながマイボトルを持つという個人的な努力に頼っても、正直かなり限界があると思うんですね。

私もマイボトルは持っているけれども、そもそもゴミを出さないような仕組みをつくる、という方向性に向かうべきですよね。SDGsのシールを貼ってマイボトルを持てば、それだけで社会がよくなるなんていうことは絶対にないので。

SDGsという目標が設定されていること自体はすごく重要なことだと思います。その目標はクリアしなきゃいけないものですし、目指していかなきゃいけないことなので。でも、社会全体で自分たちが起こしてしまった社会のバグみたいなものを直していかなきゃいけなくて、そのために企業はSDGsのマークをつければいいだけじゃないと思っています。

目指すのは、誰の痛みも無視されない社会

——酒向さんは、今後、どんな社会をめざしていきたいですか。そのために取り組んでいきたいことを教えてください。

今後も、社会課題や問題が起きることを防ぐのは難しいと思うんです。今ある社会や文化は、誰かが「より良くしたい」と思ってつくったはずですが、どんなにいい方向に進もうと努力をしても、きっとまた課題は生まれてくるし、今後課題がものすごく減るという社会は、多分、実現が難しい。

「私はこのせいで痛いです」とか「虐げられています」という人が現れたときに、「これって課題だよね」って誰かが気がついて、その声を無視せず、みんながその課題を解決しようとエネルギーを持っている。そんな社会になればいいなと思います。

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そのために、「誰の痛みも無視されない社会に」というビジョンを掲げるGoodMorningが、解決したいと声を上げる人をサポートするような場になればいいなって。社会は変わっていけるから、間違っているって思ったら「間違っている」って言ってみようと思えるような社会を作れたらいいですね。

いま、GoodMorningのサイトにはクラウドファンディングのプロジェクトがたくさん並んでいて、それを見ていると、社会って問題はたくさんあるけど、毎日前進しているんだなっていうのがすごくわかるんですね。解決したいと思ってお金払っている人はこんなにいるんだ、解決したいと思って自分でソリューションを考えてプロジェクトを立ち上げる人ってこんなにいるんだ、と。

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それを毎日見ていると、まったく絶望しないんです。「絶望しなくていいんだな」って思えるのはすごく大事にしたいことなので、それを感じてもらえる場に、GoodMorningはなっていきたいです。なので、いま、それらをちゃんとみんなにも伝えたい、社会に発信できたらと思って、社会課題と出会える場所のようなものをGoodMorningとして始めようと準備しています。

——最後に、MASHING UPのカンファレンスの登壇に向けて、一言お願いします。

GoodMorningは、いままでチャレンジできなかった人や、NPOのプロジェクト、地域で子ども食堂をやっている方のプロジェクトなどをサポートしてきています。小さなアクションから始めて少しずつ変えていくこともすごく重要な一方で、やはり大きな組織が変革していくことも絶対に必要で。なにかそのあいだの橋渡しになるような話ができたらと思っています。

——MASHING UPカンファレンスで酒向さんのお話が聞けるのを楽しみにしています。ありがとうございました!

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※「MASHING UP Vol.3」は終了いたしました。MASHING UP Vol.3にご参加・ご協力くださいました全ての方々に厚くお礼申し上げます。次回カンファレンスにどうぞご期待ください!

[TALK SESSION]ニューエコノミー SDGsはCSRの延長線ではない

2019-11-08[FRI]15:15-16:05 @TRUNK(HOTEL) 1F ONDEN
タイムテーブルはこちら / チケットのご購入はこちら

カンファレンス「MASHING UP vol.3」イベント概要はこちら

撮影/中山実華

HOW TO ENJOY MASHING UP/マッシングアップを200%楽しむ方法

いよいよ、明日開催のMASHING UP vol.3。200%楽しむ方法をお伝えします!

https://www.mashingup.jp/2019/11/enjoy_mashingup2019.html

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JICAの青年海外協力隊事務局で働く浦輝大さん。アメリカンフットボールの選手を経て、青年海外協力隊としてバヌアツに渡り、ある言葉に衝撃を受けたといい...

https://www.mashingup.jp/2019/11/jica_sports.html


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MASHING UP編集部

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