ダイバーシティ・インクルージョンの問題を考えるときに必要なのは、自分ではない誰かの「視点」を持とうとすることに尽きるのではないでしょうか。他者の考えや感覚を理解しようとすること。「私」ではない「その人」にとって、これはどんな意味を持つのだろうと想像してみること。
3回目のMASHING UPカンファレンスのテーマは「Reshape the Perception -知らないを知って視点を変える-」でした。
2018年2月に最初のカンファレンスを開催してから今日まで。このわずかな期間で社会は大きく変化しています。「昨日の常識は今日の非常識、今日の常識は明日の非常識」になりうるということを、強く感じた今年。コンテンツ制作のプロセスを通じて、社会の今を反映するたくさんのキーワードに出会い、私たち自身も日々視点を「Reshape」し、アップデートしてきました。
これまで当たり前だと思っていたことはこれからも当たり前であり続けるのだろうか……。そんな問いの種となる「他者の視点」が、様々な形で今回のカンファレンスのなかで浮かび上がりました。
キーノートスピーカーのイノベーティブな視点をはじめ、食の未来を考えるセッションや、女性のヘルスケアとフェムテックのセッション、組織論まで。私たちを取り囲む現実から生まれたテーマを起点に行われた、2日間のセッションの全てをこれからレポート記事として掲載します。
宇宙、アフリカ、教育、ソフトウェア。食、フェムテックそして、組織論
理論物理学者・科学者のアドリアーナ・マレ。
キーノートスピーカー、南アフリカの理論物理学者・科学者のアドリアーナ・マレは、他の惑星への移住のための技術開発を行うプロジェクト「プラウドリー・ヒューマン」を設立。南極への移住プロジェクトによって、宇宙移住のシミュレーションを行おうとしています。日常とはかけ離れた世界の話のように思えますが、科学者である彼女によると、他惑星のリサーチは人類の未来に大きく貢献するものであり、今人間が直面している危機に対してソリューションを導こうとするものでした。
韓国の起業家、スイン・リーは障がいを持つ子どもから開発途上国の子どもまで、あらゆる子どもの学習をサポートし、能力を高めるアプリを開発しています。個人的な体験がきっかけとなりスタートした彼女の事業はアフリカの子どもたちに人生を帰る学びの体験を提供するに至っています。
VICE MEDIAのアジア太平洋地域のクリエイティブ責任者、ジーニー・グルナニは、Diversity is not culture fit であると言います。企業文化という言葉が均一化を招いているのではないかと。(企業文化を尊重することが素晴らしいという価値観はもう過去のものになるかもしれない)。
私ではない、誰かの視点を持とうとすること。立場や環境が異なる人の視点を理解すべく、他者の声に対話に耳を傾けること。
女性の視点でデザインしたこのカンファレンス、参加してくださったみなさんがインクルーシブな社会のありかたを考えたり、気づきを得るきっかけとなるよう願っています。
MASHING UP 編集長 遠藤祐子
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