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Conference:MASHING UP vol.3

ダイバーシティ時代の都市・サービスを生みだすためのヒント 3/4

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「ダイバーシティ時代」が始まった今、持続的で多様な社会を作るためには、企業は商品やサービス、そして街のシステムをどのように変化させるべきなのでしょうか? これからの時代に対応する都市・サービスを生みだすヒントについて、4人の登壇者がセッションを展開しました。

  • 角谷真一郎(ヤフー ノーマライゼーションPJ プロジェクトマネージャー)
  • 東浦亮典(東急 執行役員 渋谷開発事業部 フューチャー デザインラボ)
  • 半澤絵里奈(電通 プロデューサー)
  • 東由紀(Allies Connect 代表)

——このセッションは、2019年11月7日・8日に開催されたビジネスカンファレンスMASHING UPで行われました。

組織の中には無意識のバイアスがある

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Allies Connect 代表の東 由紀さん。

前回から続く)

半澤:ここまでハードだったり、サービスの話をしていただいたんですけど、次は、人々の意識や行動の話を聞いていきたいと思います。東さんは人材の領域でプロフェッショナルです。

東: OSが変わると同時に、人の意識も変わる必要がありますよね。最初に、みなさんが所属している組織について聞いてみたいと思います。次のようなことが、自分の組織にもあると思う人は手をあげてください。

「チームで会議をすることになった。会議室の予約をするのはいつも若手の社員である」(半分以上の手が上がる)。次は「会議の議事録をとる人は、いつも若手の女性社員である」(半分以上の手が上がる)。「会議が長引いた時、最後に仕切るのはいつも年長の男性社員である」(半分以上の手が上がる)。はい、ありがとうございました。

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みなさんの組織には、会議室の予約や議事録とるのは若手とか女性社員という就業規則や会議のルールがあるのでしょうか。きっと違いますよね。なんとなく暗黙知があるとか、そういう空気をみなさんが読み取っているのだと思います。その組織には、「雑用は若手社員や女性社員の仕事」「決断は年配社員の役目」という暗黙知が存在しています。このような状態で、「ダイバーシティ取り入れましょう」と多様性を持つ社員を会議に入れたとしても、自由な発想や発言が本当にできると思います? 多分、難しいと思います。

私が日系企業で9年間働いた後に、外資系企業に戻って最初に気付いたのは「会議で発言がワンテンポ遅れる」ということでした。なぜ遅いのだろうと自分自身を観察したら、発言する前に「このメンバーで発言してもいいだろうか」「私はこれを言える立場だろうか」と瞬時に考えていたのです。自分の発言が適切かどうか数秒考えている間に誰かが発言してしまう。私のように海外生活と外資系企業の経験が長い人間ですら、先ほどのような暗黙知のある組織に長年いると、自分自身がその場に慣れてしまう。これはとても怖いことだと思います。

無意識のバイアスは、自覚しづらい

東:「無意識のバイアス」という言葉を聞いたことある人はいますか?(会場にきく)。半分ぐらいですね。

「無意識の偏見」や「アンコンシャスバイアス」とも呼ばれています。「無意識のバイアス」は、私たちの脳の中に自動的に組み込まれているもので、危険から私たちの身を守り、集団の中で生活するために自然に身につけているため、誰もが持っています。社会や組織の中で疎外されないように、適切に行動しようと自動的に、かつ無意識に働くので、自分では気づきにくいとされています。

特に、日本人にとって「無意識のバイアス」を回避するのは難しい。なぜかというと、空気を読んで行動すること、慮ること、常識的であることは、日本人にとって美德とされていますが、この3つの行動には全て無意識のバイアスが働いているのです。

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ルールとして書かれていなくても、誰かに言われなくても、「常識的とはこういうこと」「こういうことが求められている」と私たちはその場の状況を慮って、常識的な行動をすることが正しいと教育されています。この習慣をなくすことは、日本人には難しいと思う。でも、会議で新しいアイデアを出そうという時に、その場で求められている行動をしようという「無意識のバイアス」があると自由な発想や意見が出にくい。だからこそ、組織の中にある「無意識のバイアス」をなんとかしないといけない状況に直面していると思います。

私たちは、常識という言葉を聞くとポジティブに感じますよね。でも、「無意識のバイアス」研修の時に紹介するアインシュタインの言葉では、「常識とは、18歳までに身につけた偏見のコレクションである」とされています。私たちが身につけた常識は、異なる環境で育った人や違う価値観を持つ人にとっては偏見かもしれないということを知らなければならないのです。これが「無意識のバイアス」で行動することを回避するポイントの一つです。

もう一つのポイントは、「普通はこうだよね」「あり得ないよね」「当たり前だよね」という3つの言葉に気をつけることです。この3つの言葉を枕詞にして何かを言おうとする時は、自分の常識、つまり「無意識のバイアス」で判断し、相手にそれを当てはめようとしています。そんな時はグッと言葉を飲み込んで、「これは私だけの考えじゃないだろうか」と考えてから発言するようにするだけで、「無意識のバイアス」によって判断するのを防ぐことができます。

半澤:ありがとうございます。バイアスを否定するというより、もうあるということでみんな自覚すればいいってことですよね。

東:誰もが「無意識のバイアス」を持っているので、「私は偏見持っていません」「差別的な感情持っていません」ということはあり得ません。自分は常に偏見と差別をしていると自覚すること、自分の常識は他の人にとって偏見となること、「無意識のバイアス」に気づくために異なる意見を取り入れることが重要です。(次回に続きます)


MASHING UP vol.3

ダイバーシティ時代の都市・サービスを生みだすためのヒント

撮影/TAWARA(magNese)

*続きはこちら

ダイバーシティ時代の都市・サービスを生みだすためのヒント 4/4

「ダイバーシティ時代」が始まった今、持続的で多様な社会を作るためには、企業は商品やサービス、そして街のシステムをどのように変化させるべきなのでしょう...

https://www.mashingup.jp/2019/12/mu3_report_diversity4.html

*第1回と第2回はこちら

ダイバーシティ時代の都市・サービスを生みだすためのヒント 1/4

「ダイバーシティ時代」が始まった今、持続的で多様な社会を作るためには、企業は商品やサービス、そして街のシステムをどのように変化させるべきなのでしょう...

https://www.mashingup.jp/2019/12/mu3_report_diversity1.html

ダイバーシティ時代の都市・サービスを生みだすためのヒント 2/4

「ダイバーシティ時代」が始まった今、持続的で多様な社会を作るためには、企業は商品やサービス、そして街のシステムをどのように変化させるべきなのでしょう...

https://www.mashingup.jp/2019/12/mu3_report_diversity2.html


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MASHING UP編集部

    Conference:MASHING UP vol.3

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