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社会をサスティナブルに導く鍵は消費者の声とSNS/フライターグ創業者 マーカス・フライターグさん[前編]

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2019年12月、トラックの幌や自転車のタイヤインナーチューブ、車のシートベルトを再利用したバッグや財布で知られるフライターグが、国内4店舗めとなる直営店を京都にオープンした。

今回MASHING UPは、これに際して来日した創業者のマーカス・フライターグ氏にインタビュー。サスティナブルなビジネスの先駆者に、ブランドへの思いと持続可能な社会へのヒントを聞いた。

スイスの森がなくなっていく。危機感を覚えた子供時代

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マーカス・フライターグ氏。1970年、スイス生まれ。フライターグの創業者。空間デザイナー。グラフィックデザイナーである弟のダニエル氏とともに、1993年、トラックの幌をアップサイクルしてつくるバッグブランド「フライターグ」を立ち上げた。

——幼い頃からサスティナビリティに興味があったと伺いました。それはスイスという国柄からでしょうか? それとも家庭環境や育ち方が影響していますか?

マーカス・フライターグ(以下マーカス):子供の頃からものづくりに興味があったんだ。弟のダニエル(フライターグの共同創業者 ダニエル・フライターグ)と一緒に道に捨てられていた鉄くずとか集めて、それで何かを作ったりもよくしていたよ。すごく楽しかったけど、それもリサイクルのひとつだよね。

もちろん、両親や祖父母が環境問題に関心が高かったのもあったと思う。でも、いちばんは学校の授業で環境問題について勉強したからかな。

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フライターグ ストア 東京渋谷に並ぶ色とりどりのトートバック。手に取るとその軽さに驚く。

実際、1986年当時、スイスは大気も汚染されていてあまりいい状況とは言えなかったんだ。森もどんどんなくなっていくような状況だった。だから、両親に「車に乗らずに、電車とかバスとか公共機関を使ってよ!」と訴えかけたりしていたよ。

今、グレタ・トゥーンベリさんが、世界に対して環境問題を強く訴えかけているけど、彼女を見ていると子供の頃の自分を思い出すんだ。

世界がサスティナブルを目指して舵を切ったとき

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終止、丁寧に質問に答えてくれたマーカス氏。

——今、サスティナブルな社会を目指して世界が大きく動き出しています。ですが、フライターグは27年前からすでにこれに取り組んでいますね。社会が追いついてきたと感じたのはいつごろだったのでしょうか?

マーカス:フライターグはブランドが生まれた瞬間から「サイクルで考え、行動する」をずっとテーマにしているんだ。素材からプロダクトが生まれて、これがまた素材に還り、またプロダクトになる、といったサイクルを生むことをずっと考えている。これに社会がどう追いついてきたかというのははっきりとは言えないけれど……いい質問だね(笑)。

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店内のディスプレイは定期的にテーマカラーがかわる。この時期はグリーンのアイテムがずらり。

思い当たるのは、どこかの工場の働かせ方がよくないとか、労働環境が良くないといった情報が出はじめた頃かな。僕が思うに、世界を動かすのにいちばん大きな影響を与えたのはSNSの普及じゃないかな。これによって様々な会社の悪い部分が広まったことがきっかけだと思う。

世界を変えるのは消費者の声

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布の部分はペットボトルを100%再利用した素材を使用。素材の生産過程でも節水プロセスを徹底している。

マーカス:悪いことが広がるのはすごく速いけれど、それを改善するまでにはすごく時間がかかるんだ。だから、今、マーケティング主導でサスティナブルなビジネスが動いているけれど、現場でものをつくる人たちは本当に大変だと思う。

例えば、コットンは製品化の過程で大量の水を使うんだ。それに比べると、リネンやヘンプは、水を使う量が少ない。だけど、コットンに比べると地球上に生えている量そのものが少ないんだよね。だから、ファストファッションブランドがサスティナビリティを目指して素材を切り替えようとしても、実現するのは難しい。現場にはたくさんの壁が存在しているんだよ

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マーカス氏のお気に入りはオレンジのバックパック。

それでも僕は「サスティナブルなものや環境にいいものがいい」と消費者が言うことが大事だと思う。

人々から「こういうものがほしい」という声があがれば、作る側も動きだすはず。この商品がいくらで、どういうふうに環境に影響するのか、サスティナビリティがあるのか、と疑問を持って訴えることで、企業側もよりドラスティックに変わっていけると思うよ。

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この日の取材はフライターグ ストア 東京渋谷で。表通りと裏道をつなぐ位置に店舗があるため、「人々が気軽に通り抜けられるように」と、店舗内を貫くように道路と道路をつなぐセンターラインがあしらわれている。「自転車での通り抜けもOK」だそう。

後編はフライターグの理念についてうかがいます。

撮影/キム・アルム、取材・文/山崎香

「急がば回れ、ハッピーも回れ!」持続可能なビジネスを支えるマニフェスト/マーカス・フライターグさん[後編]

フライターグ兄弟が1993年に小さなアパートで始めたブランドは、その27年後、世界25か国に展開するまでに。マーカス・フライターグに、サスティナブル...

https://www.mashingup.jp/2020/01/freitag_markus_02.html

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MASHING UP編集部

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