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「急がば回れ、ハッピーも回れ!」持続可能なビジネスを支えるマニフェスト/マーカス・フライターグさん[後編]

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トラックの幌や自転車のタイヤインナーチューブ、車のシートベルトを再利用したバッグや財布で知られるフライターグ

マーカスと弟ダニエルのフライターグ兄弟が1993年に小さなアパートで始めたブランドは、その27年後、世界25か国に、26店舗のFREITAG STORE、約300店舗の取り扱い店、そしてチューリッヒに拠点を置くオンラインストア を展開するまでに成長した。

来日したマーカス・フライターグに、サスティナブルなビジネスを可能にする同社のマインドを聞く後編。

>>前編はこちら

会社が大きくなったから、できることがある

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マーカス・フライターグ氏。1970年、スイス生まれ。フライターグの創業者。

——兄弟2人で始まったビジネスが、ここまで大きくなったことをどう感じていますか?

マーカス:僕らにとって会社が大きくなることはそんなに大事なことじゃなくて今あることをより良くしていくことのほうが大事なんだ。

——フライターグのバッグスワッピングサービスである「S.W.A.P.」のシステムを作ったところに、その理念が現れているのかな、と。

マーカス:そうだね! フライターグの理念をそこから感じることはできるかもしれない。S.W.A.P (Shopping Without Any Payment)は、自分がいらなくなったフライターグのバッグを、別の誰かのフライターグバッグと無料で交換できるんだ。自分にとって不要になったバッグも、それをほしいと思う人に使ってもらえたらいいよね。

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フライターグ ストア 東京渋谷店の修理コーナー。腕の良い職人が常駐し、スペアパーツの交換から幌の補修、色の復元まで、可能なかぎり対応してくれる(程度により有償)。

会社が大きくなってよかったって思うことは、いろんなプロジェクトに取り組むことができること。S.W.A.Pや修理サービスのようなね。会社が小さいままだったらできなかったかもしれない。チームで働けるのも、会社が大きくなったから。一人ではできなかったことができるようになったよ

急がば回れ。何ごとも「あと2回」考えて実行する

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カラフルなバッグのインナーには、100%リサイクルペットボトルでできた素材を使用。

——フライターグ社のマニフェストは、私たちが目指す社会に通じるものがあるかと思います。特に「We lose speed to win time」は、ビジネスをする上で忘れがちなことかもしれません。

マーカス:「急がばまわれ」ということなんだけど、遠回りしたりゆっくりやることで、実際は慌ててやるより早く終わるということがたくさんあると思う。

何事もあと2回考えてみて実行するほうがよりいいとぼくたちは思っているんだ。みんなもっと、時間をかけてゆっくり考えてみてもいいんじゃないかな。

Freitag Manifest

1.We keep stuff in closed cycles
2.We own objects that last
3.We repair
4.We believe in systems designed for compatibility
5.We prefer access over ownership
6.We pay for results not resources
7.We lose speed to win time

P.S. Happiness is cyclical

——「Happiness is cyclical 」もすてきな考えですね。

マーカス:私がハッピーだとあなたもハッピー、あなたもハッピーだと、あなたの隣の人もハッピー。だから、ハッピーはサイクリカル(循環する)。モノも人の気持ちも、循環させていきたいよね。

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世界にまだ3台しかないフライターグの自転車の1台がフライターグ ストア 東京渋谷に。

やりたいことややるべきことは尽きない

——これからやりたいことを教えてください。

マーカス: やりたいと思っていることはたくさんあるよ! まず家具。フライターグの店舗に使っている陳列棚は2つのパーツだけでできているんだ。実際、いろんな人に欲しいって言われてる。靴箱にしたり、小物を入れる棚にしたり。

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フライターグ ストア 東京渋谷の店内には2つのパーツだけでできた棚がずらり。1つ1つの引き出しすべてに一点ものの商品が入っている。

自転車も本格的にやりたいかな。あとはホテルにも興味があって。自分が個人的に好きなものは実現させてみたいと思っているよ。

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渋谷店は自転車でも店内を通り抜けできる。本国スイスのチューリッヒ旗艦店と、同じくチューリッヒにある自分だけのオリジナルバッグが作れるフライターグのDIY専門店SWEAT-YOURSELF-SHOPではこの自転車を無料で貸し出すサービスを実施。観葉植物など大きなものを前輪側についたフライターグバッグに積んで運んだりする人が多いそう。

廃棄物を最小限に抑えた店舗デザイン。同社のコンセプトを体現する京都店

——最後に、2019年12月にオープンした京都の直営店について教えてください。なぜ本社のディストリビューションセンター(流通センター)をイメージしたものにしたのですか?

マーカス:本社の雰囲気を知ってもらいたいというのは、その根源にある、装飾ではなく機能性をメインにデザインしていることを感じてもらいたいということなんだ。だから僕らはインダストリアルなデザインが好きだし、京都の店舗は全体に工業施設に使われているような色がたくさん目に入ると思うよ。

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インダストリアルな雰囲気のフライターグ ストア 京都。撮影/Daici Ano

僕はもともとVMD(ビジュアル・マーチャンダイザー。客の視覚に訴えかける売場づくりをする人)をしていたんだけど、店内で作業するといろんな廃棄物が出るんだ。だから、いちばん廃棄物が出ない方法でその場をラフに仕上げるのがいい。またそれがデザインもよかったりする。

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ディストリビューションセンターらしく、トラックのイラストが目印。撮影/Daici Ano

——店内には、タープの切れ端で自分だけのアイテムが作れるDIYコーナーもありますね。

マーカス:フライターグの商品は素材をリサイクルしているからこそ世界に同じものが2つとない自分だけのバッグができる。これを感じられる場所になればいいなと思っているんだ。あと、みんながDIYをすることで自分だけのオリジナルなものを作る楽さを知ってほしいな。

——楽しい時間は人をハッピーにするし、ハッピーはサイクリカル、ですね。本日はありがとうございました。

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フライターグ ストア 東京渋谷:東京都渋谷区神宮前6丁目19-18・詳細
フライターグ ストア 京都:京都府京都市中京区井筒屋町400-1・詳細

撮影/キム・アルム 取材・文/山崎香

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MASHING UP編集部

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