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Conference:MASHING UP vol.3

同調圧力に負けない強さがダイバーシティを生む/VICE MEDIA ジーニー・グルナニさん

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「普通でいなきゃ」をやめよう。

MASHING UPカンファレンスvol.3で壇上に立ち、そう会場に語りかけたジーニー・グルナニさん。

オンラインメディアVICE MEDIAと傘下の広告代理店VIRTUEのアジア太平洋地区でのクリエイティブ責任者を務める傍ら、ドラァッグ・クイーンとしても活躍しています。

Diversity is not culture fit

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セッション「朱に交わるな、カラフルであれ。組織がクリエイティブであるには」に登壇したジーニー・グルナニさん。

英語でculture fit (カルチャー・フィット)という言い回しがあります。「企業文化や校風などある特定の組織やグループに馴染む」という意味がありますが、婉曲的に異質な人間を排除したいときや、少数派の意見を抑圧したいときにも使われます。

小さな頃から変わり者で同調圧力と闘ってきたと言うグルナニさんは、大人になって広告代理店に入社。自由人が多い環境でのびのびやれると思いきや、そこでも音楽や映画の趣味などで人をジャッジする排他性を感じ、ガッカリしたそうです。

グルナニさんのスピーチでは次のような印象的なフレーズがありました。「Diversity is not culture fit(ダイバーシティとカルチャー・フィットは相入れない)」

異質な人を排除しないよう心がけてほしい、そして平均値から外れることを恐れないでほしい。そんな言葉で会場にいる人々を勇気づけたグルナニさんに、お話を伺いました。

風通しのいい社会の第一歩は、周りの人に寛容になること

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——MASHING UPの感想をお聞かせください。

グルナニさん:「ダイバーシティ」に焦点を当て、様々な個性を持った人をエンパワーしていくという方向性が素晴らしいですね。

——日本では、構内アナウンスで細かく行動を指示されるなど、あらゆる場面で「正しく振る舞うこと」を意識させられます。こうしたことが同調圧力を強めている気がします。

グルナニさん:ルールを大事にすることそれ自体は良いことです。でも、もっとオープンな社会にしていくにはどうしたら良いか? そう考えた時に個人ができることは、身近な人に寛容であることだと思います。

普通とは違う人がいたら、いいねと言葉にして、味方がいると知らせてあげること。寛容な人が増えれば社会は変わり、自分自身も自由になれるはずです。

日本は社会全体でみたら保守的なのかもしれませんが、私自身の経験からすると個人レベルではオープンな人が多い印象です。なので、みんなが自分の感じていることを素直に表に出していけばよいのではないでしょうか。

違いを認め、受け入れる

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——メディアのなかでLGBTQの人々に対する差別的な表現は減りましたが、やはり異質でエッジーな人々として描かれがちです。そこの壁を乗り越えるには?

グルナニさん:人によっていろんな意見があるでしょう。でも私自身は、エッジーと見られていいと思っているんです。

平均的ではないという部分は、むしろ大切にしていくべきです。LGBTQの人たちは美的感性に秀で、何百年にも渡りアートや音楽、デザインの世界で活躍してきました。違いを認め、ありのままに受け止めることが大切だと思います。

ドラァッグで追求するのは、リアリティを超えた美しさ

——大学時代から10年以上ドラァッグ・パフォーマンスを続けてきて、表現方法は変化してきましたか?

グルナニさん:私はインド系なので、最初の頃はボリウッド女優のような美しさを目指していたんです。だんだん実験的なことに挑戦したくなり、発展させていくうちに今のコワかわいいスタイルにいきつきました。

「本物の女性」らしさがゴールではなく、人間らしさすら超えていきたい。目指すのはファンタジーの世界に住む、魅惑的な生き物です。リアリティからかけ離れることで、見る人がリアリティそれ自体を問うように仕向けたいんです。

表現は受け手がいて初めて完成する

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——広告の仕事と、身体表現。クリエイティビティの違いは?

グルナニさん:ドラァッグ・パフォーマンスでは、観客の反応がその場で返ってきます。それが最大の違いでしょうね。広告はアイディアが形になるまで時間がかかるし、大勢の人たちで作っていくものですから。

共通するのは、オーディエンスがいるということ。どんな表現も、受け手がいて初めて完成するので、そこが一番肝心な部分です。

広告制作は、ダイレクトな反応を得られない。だからこそ時間的にも地理的にも離れた受け手のことを常に念頭に置くようにしなければいけません。パフォーマンスの活動は、オーディエンスの大切さを噛みしめる良い機会となっています。

——これからの目標は何ですか?

グルナニさん:ドラァッグ・クイーンとしては、中国で影響力のあるインフルエンサーになることを目指しています。

会社の仕事に関して言うと、VIRTUEでは一方的に理想を押し付けるのではなく、人々の生活実感を知り、本当の意味で響く広告を作っていきたいです。またメディア企業のVICEを地域でもっとも野心的で、面白く、影響力のあるストーリーテラーにしていきたいです。

GENIE GURNANI/ジーニー・グルナニ
Head of Creative for VICE / Virtue。米国発のオンラインメディアVICE MEDIAのAPACにおけるクリエイティブ責任者に加え、VICE MEDIAが手掛けるクリエイティブエージェンシーVIRTUREのクリエイティブも兼任。夜や週末にはドラッグクイーンというエンターテイナーとして活躍しており、リアリティ番組「Drag Race Thailand」にも出演する。パフォーマーとしての活動は、クリエイターそしてエンターテイナーの両方に大きな影響を与えていると考えている。インスタグラムアカウント:@wishforgenie

撮影/柳原久子(インタビュー)・今村拓馬(セッション)、取材/野澤朋代

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