1. Home
  2. Social good
  3. 一人ひとりが変わるとまちが良くなる。みんなでやるともっと良くなる。

SDGs & Me

一人ひとりが変わるとまちが良くなる。みんなでやるともっと良くなる。

Urban farmer

Image via Shutterstock

いま世界全体では、「都市化」が非常に速いペースで進行しています。ここで言う都市化とは、人口が都市に集中することに加えて、都市型の便利なライフスタイルが周辺に広がっていくことを指します。

日本では、大都市はもちろん地方の小さな町でも、基本的にはいつでも電気や水が使えて、スーパーマーケットやコンビニでの買い物、ネットショッピングも可能。道路は舗装されていて、車や公共交通機関での移動もできますよね。

都市生活の便利さは、いろいろな支えがあること、言い換えるとどこかに負荷をかけていることの裏返しでもあります。実際に、都市の面積は地球表面のたった2%程度ですが、すでに世界の約54%の人々が住んでおり、世界全体のエネルギー消費の約3分の2、地球温暖化に大きな影響を与える二酸化炭素(CO2)排出量の70%以上は都市に由来します。

前回の記事でお話ししたとおり、私たちがこの地球に暮らす上で「温室効果ガス排出量実質ゼロ」は必ず達成しなくてはならないことです。2009年を境に世界的に都市居住者が多数派となり、その後もさらに都市化が加速する中で、都市で暮らす私たちの行動を変えないかぎり、排出量実質ゼロは達成できません。

ただし、都市の持続可能性とは、脱炭素に限りません。モノやエネルギーの消費量が多いということは、それだけ様々な面で環境負荷をかけていること。また、モノやエネルギーの原材料になる天然資源の多くは、いつか枯渇してしまうと言われています。持続可能な都市生活に向けて、私たちに何ができるのでしょうか?

私たち一人ひとりにできることとは?

環境負荷の大きい都市生活ですが、利便性を保ちつつなるべく持続可能性の高い選択をすることはできます。

①モノやエネルギーの絶対量を減らし、
②使わざるを得ないものは長く大事に使う
③そしてできればコミュニティでシェアする

上記の3つがその基本です。

例えば、通勤通学には自転車や公共交通機関を利用。どこかにお出かけしたくなったら、電車で行ける場所を候補にしてみる。急な買い物に備えて普段からマイバッグを持ち歩く過剰包装を断ることはもちろん、無駄な輸送を減らすためになるべく近くで生産・販売されているモノを買うことや、洋服や食器、家具などは今あるものをうまく使ってDIYしたり修理をしながら使い続けたりするのもいいですね。自宅を高気密高断熱にするとか、再生可能エネルギー(再エネ)からできた電力を利用するのも、持続可能なエネルギーの選び方のひとつです。

地球温暖化の観点では、まずは、自分のライフスタイルがどれくらい温室効果ガスを排出しているのかを把握し、自分で変えられることを確認するのもひとつの手です。IGESも、パリ協定の目標達成と豊かな生活の両立に向けた「1.5°Cライフスタイル」を発表し、日本で一般的なライフスタイルが世界の地球温暖化に与える影響と、比較的日本で取り入れやすく、かつ温室効果ガス削減効果の大きな選択肢を提示しています。

1_5_report-1

IGESがフィンランド・アールト大学およびD-matと共同でまとめた「1.5°Cライフスタイル」(2019年2月発刊)。日常生活での消費や行動が気候変動に与える影響を推定し、パリ協定の目標達成と豊かな暮らしの両立を探った報告書だ。

みんなで取り組めば、仕組みも変えられる

以上のように個人でできることを実践するのは非常に大切なことですが、一方で、ひとりで持続可能な都市生活のあり方を変えるのは難しいですよね。せっかく、多くのヒトやモノ、便利なインフラに恵まれた都市に暮らしているのであれば、みんなで、もっと大きな社会の仕組みを変えてみませんか? たとえば、こんなアイディアがあります。

勤務先や学校に再生可能エネルギーの利用を働きかける。

IKEAやユニリーバなど私たちの生活に身近な企業も含めて、事業に必要な電力をすべて再エネにする流れが世界的に加速しています。例えば、Appleはすでに世界43か国のオフィスで再エネ100%を達成しました。日本でも、リコージャパンやイオン、他にも多くの全国の中小企業や自治体が再エネ100%での事業運営を目指すことを宣言しています。参考:日本気候リーダーズ・パートナーシップ再エネ100宣言 RE Action

持続可能性を考えたチョイスを

持続可能性を意識した投融資(ESG投資)を行っている銀行や保険会社を使う。

化石燃料を使った産業や事業に投融資している金融機関を使うと、間接的に地球温暖化を促進してしまう可能性も……。投融資先に軍事産業がないかも要チェック。平和の観点に加えて、例えば米軍の活動はなんとスウェーデンやペルーなど140か国の合計よりも多くのCO2を排出しているんです! ホームページや窓口で確認してみましょう。参考フォーブスthe conversation

地域活性化につながる脱炭素への取り組みを応援してみる。

地元でのお買い物や、近くで採れた木材やバイオマス燃料の利用など、モノやエネルギーの調達を地域内で行うと、輸送にかかるエネルギーを押さえながら、その土地の資源を有効活用でき、さらに地域への投資にもつながります。地域が元気だと、資源の管理や、環境負荷削減に向けたインフラ整備もしやすくなりますね。参考イギリス・プレストン日本・地域循環共生圏の推進

そしてもちろん……

投票は何よりも重要です。

選挙のときには政党や候補者の、環境や持続可能性に関する取り組みやコミットメントを確認してみましょう。マニフェストや政党の各政策課題への立ち位置のまとめや評価を行っている組織もあるので、そちらを参考にするのもいいかもしれません。参考:政治一般 / No Youth No Japan2019年参議院選挙マニフェストについて/ NGO Climate Youth Japan (CYJ)JAPAN CHOICE早稲田大学マニフェスト研究所

SDGsのゴール17は「パートナーシップで目標を達成しよう」。国という大きな単位でも、国だけの取り組みでは持続可能性の実現は難しいのです。私たちも、一人ひとりが持続可能性を意識するだけでなく、それを都市ならではのコミュニティや企業、自治体や政治との接点を通じて伝え、続けていくことが、持続可能な都市づくりのいちばんの近道ではないでしょうか。

※選択肢のなかから、いずれかの回答をクリックすると投票結果がすぐに表示されます。

SDGs: 17公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES)

▼ Sponsored

はじまりの季節に思い出す、私の背中を押すあの言葉/モデル 浜島直子さん

“はまじ”の愛称でも親しまれるモデル・浜島直子さんを今でも励ましてくれる言葉とは? はじまりの季節にぴったりの、エールのようなエピソードと笑顔を届け...

https://www.mashingup.jp/2020/03/citizen_xc_hikari_4.html

  • facebook
  • twitter
  • hatena
小池 宏隆
公益財団地球環境戦略研究機関(IGES)都市タスクフォース 研究員 。2018年より現職。自発的自治体レビュー(VLR)を中心に、日本とアジアの自治体におけるSDGs推進に従事。著書に、『SDGsハンドブック─持続可能な開発目標を学ぶ』(共著、2017)。2014年より、国連アドボカシー(政策提言)に従事し、ニューアーバンアジェンダやSDGsハイレベル政治フォーラムでは、国連メージャーグループ「子どもと若者」の国際代表を務めた。ジャパンユースプラットフォーム創設者。

    SDGs & Me

    おすすめ

    powered byCXENSE

    メールマガジンにご登録いただくと、 MASHING UPの新着記事や最新のイベント情報をお送りします。

    また、登録者限定の情報やイベントや座談会などの先行予約のチャンスも。

    MASHING UPの最新情報をご希望の方はぜひご登録ください。