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【読者プレゼント】ミシェル・オバマに学ぶ、well-beingを選んでしなやかに生きるヒント/寄稿・篠田真貴子さん

2020年4月、サイトローンチ1周年を迎えたMASHING UP。アドバイザリーボードメンバーのひとりである篠田真貴子氏より、読者におすすめの一冊をご紹介いただいた。(記事末尾に読者プレゼント情報があります。編集部)

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バラク・オバマとミシェル。娘たちが幼い頃、家族で海水浴へ出かけた際の一枚。

マイ・ストーリー」は、2017年1月まで8年間、アメリカのファーストレディーだったミシェル・オバマさんの回顧録です。ミシェルさんの生い立ち、バラク・オバマ前大統領との出会い、ワーキングママとしての様々な葛藤、そしてアメリカ初の黒人大統領・ファーストレディーとなってからの日々が綴られています。アメリカでは2018年11月に発売され、あっという間にその年のベストセラーとなりました。世界45言語に翻訳され1000万部も売れているそうです。

ミシェルさんは20代の頃、キャリアに悩んでいました。30代では、妊娠、仕事と育児の両立、そして夫との関係に葛藤を感じていました。本書では、そうしたエピソードや当時のミシェルさんの気持ちが率直に綴られていて、とても親近感がわきます。いくつかエピソードをご紹介しながら、well-being について考えていきましょう。

キャリアに悩んだ20代、背中を押したバラクの言葉

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ミシェルさんはシカゴの下町で生まれ、経済的なゆとりはないものの、絆の深い大家族の中で育ちました。優等生だったミシェルさんは、名門プリンストン大学、そしてハーバード大学ロースクールを卒業して弁護士となり、一流法律事務所に就職しました。まさに順風満帆です。でも、どうもしっくりこない。自分にはもっとやりたいことがありそうなんだけれど、それが何か分からない。やりたいことが見つかったとして、そのために高収入の「良い」仕事を捨てるのか。20代後半のミシェルさんは、キャリアに迷うようになっていました。

ミシェルさんは、バラク・オバマさんと勤務先の法律事務所で出会いました。バラクさんは自身の進路に迷いがなく、弱い立場にある人を助ける人権派弁護士として歩み始めます。交際を深める中で、ミシェルさんはバラクさんの考え方に影響されました。「君も信じる道を進むべき」と応援されて、最終的にシカゴ市長のスタッフへの転職を決めました。

不妊治療にワンオペ育児、子連れで臨んだ採用面接

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その後二人は結婚します。バラク・オバマさんは、弁護士からイリノイ州の州議会議員となり、続いてイリノイ州選出の上院議員に当選。そのため、家族の暮らすシカゴを離れ、平日は州都スプリングフィールドや首都ワシントンDCに単身赴任していました。その時期、ミシェルさんはシカゴ大学の事務部門や大学病院の幹部として働きながら、不妊治療を経て二人の娘を出産、ワンオペ育児で大忙しとなりました。ミシェルさんは、この時期の心情を詳しく、とても率直に書いています。

例えば、不妊治療中は、毎日自己注射することが辛くなり、日常生活に特段変化のない夫に恨みがましい気持ちを抱いたこと。育児に時間を割きたいから時短勤務にしてみたが、仕事量は変わらずお給料だけ減って、すごくストレスを感じたこと。二人目を出産する頃には、自分の母がそうであったように、仕事をやめて育児に専念しようと考えていたこと

そんな折、シカゴ大学病院で地域連携リーダーを探している、話を聞いてみないか、という誘いをミシェルさんは受けます。生後3か月の下の娘を連れて、院長との面接に臨みました。

これが私の現実なんです、採用していただくならこの現実も含めて丸ごとお願いします、という気持ちだったそうです。時短は懲りたからいや、夫は単身赴任、小さい子が二人いて、かなり柔軟な働き方が必要だ、ということを、赤ちゃんを膝に乗せ「おむつ漏れを気にしながら」院長に伝えました。

育児に専念しようと思っていたくらいだったこの時期、ミシェルさんは自分の中の優先順位がはっきりしていたのでしょう。「結果がどうなろうと、少なくとも自分の要求をしっかり伝えられて良かったと思った」。そして、見事合格します。

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フルタイムの仕事とワンオペ育児を切り盛りしていた頃の、ミシェルさんの日常の一コマを描いたシーンがあります。お昼休みに子どもの誕生日会のお土産やおやつを大急ぎで買い、自分のお昼にファストフードも買って、車の中で食べながら、「買い物も済んだ。家族はみんな元気に生きている。私って頑張ってるでしょ?毎日こんなにうまくやってる私を見て」という気持ちにひたるところです。すごくよく分かる!と大いに共感しました。大好きなシーンの一つです。

夫婦カウンセリングで迎えた大きな転換点

しかし、順調なことばかりではありません。ミシェルさんは、バラクさんと気持ちがすれ違うことが増えてきました。バラクさんは毎週末帰ってくるのですが、「もうすぐ着く!」と連絡が来てからなかなか現れないのです。子ども達とパパを会わせようと、食事やお風呂の時間を調整してるのに。ミシェルさんも頭にきて、家中を消灯して怒りながら先に寝てしまうことが続いていました。

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悩んだ挙句、ミシェルさんは友人に教えてもらった夫婦カウンセリングを受けることにします。ミシェルさんは、カウンセリングに行ったら、いかに自分が正しいかを認めてもらえると期待していました。しかし実際は、そうではなかったのです。カウンセラーは、二人の話をじっくり聞き、それぞれが感情の迷路から抜け出す手助けをしてくれる役割だったのです。その結果、「私は自分で自分の最もネガティブな部分をかき立てて、何もかもが不公平だという考えに囚われ、その証拠を熱心に集めていた。」「ジムに行く予定を入れるバラクに腹を立てるあまり、自分が定期的に運動するすべを考える余裕さえなかった。」といったことに、ミシェルさんは気づいていきました。

「これが私にとっての転換点で、自分を変えるきっかけになった。」
ミシェルさんはこう記しています。まず自分の体の健康にもう一度、目を向けることにしました。近くに住む母親の協力を得て、ジムの早朝のクラスに友達と通うことにしました。また夜は、子ども達の食事や寝かしつけの時間をきっちり決め、バラクさんに合わせて調整しないことにしました。

そのように自分のペースを自分でコントロールできるようになったことで、ミシェルさんは身体が健康になり、精神的な余裕も生まれました。気持ちにゆとりができると、夫との違いも受け入れやすくなっていきました。

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ミシェルの人生は日本の私たちの半歩先。しなやかに生き抜くヒント

こうして見ていくと、ミシェルさんの20代から30代は、日本の私たちが直面しがちな悩みをフルコースで経験してきたことがわかります。そして、悩みへの対応法が、経験を重ねながら成熟していったことが読み取れます。若いうちは恋人に影響されたり、イライラしながらも我慢するようなやり方でした。それが、二人目出産後の採用面接では自分が働きやすい働き方をきちんと伝えたり、夫とカウンセリングを受けると決めるなど、解決していこうと意思を持って自ら動くように変化しています。そしてカウンセリングが転換点となり、自分は状況の被害者ではなく、どんな状況でも自分で決められる余地がある、と考えられるようになりました。我慢してやり過ごすよりも、自分の守りたいことをしっかり守れるようになりました。

自分のwell-beingは自分で作るもの

さて、今年のMASHING UPのテーマのひとつである well-beingとはなんでしょうか。WHO憲章の全文にはこう書かれています。「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます」。原文は “Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.” つまりwell-beingは「満たされた状態」なのですね。

この定義に照らして、改めてミシェルさんの経験を振り返って見ましょう。私は、ミシェルさんは、自分のwell-beingを自分で作り出せるようになったんだと考えています。友達とジムに通う。生活リズムを整える。自分の心身の健やかさを保つことを大切にし、気持ちのゆとりを作り、その結果、家族との関係も仕事もうまく回るようにしたのです。

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ミシェルさんは、ホワイトハウス入りしてからも、自分の well-being を保つ原則を大切にしていました。毎日家族4人で夕食をとる生活リズムをなるべく守りました。プロのトレーナーについてもらい、女友達のグループと泊まりがけで運動とおしゃべりを堪能する「合宿」を毎年開いていました。

ミシェルさんが赤ちゃん連れで面接を受けたり、夫婦カウンセリングを受けようと夫を説得するところを「自分だったら」と想像すると、すごく勇気がいるなあと思います。自分の変化を受け入れるのも、簡単ではありません。でもミシェルさんは自ら決めて行動した結果、well-beingな状態に自分を保つ方法を身につけたのですね。well-being は、優しい誰かが授けてくれるものではない。私たちが自らの意思で、勇気を出して求めた先にあるものなのだ、と本書から学びました。

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篠田 真貴子(しのだ・まきこ)
慶應義塾大学経済学部卒、米ペンシルバニア大ウォートン校MBA、ジョンズ・ホプキンス大国際関係論修士。日本長期信用銀行、マッキンゼー、ノバルティス、ネスレを経て、2008年10月に(株)ほぼ日(旧・東京糸井重里事務所、2017年3月JASDAQ上場)に入社。2008 年 12 月より 2018 年 11 月まで同社取締役CFO。約1年間の充電期間を経て、2020年3月よりエール株式会社の取締役に就任。「ALLIANCE アライアンス———人と企業が信頼で結ばれる新しい雇用」監訳。

MASHING UPサイトローンチ1周年記念!
ミシェル・オバマ「マイ・ストーリー」の単行本を5名様にプレゼント

MASHING UPは2020年4月に創立1周年を迎えました。これを記念し、読者の皆さまに日頃の感謝を込め、ミシェル・オバマ「マイ・ストーリー」の単行本を5名様にプレゼントいたします。

【応募方法】こちらのフォームからご応募ください。
【応募締切】2020年4月30日(木)23:59まで

※受付は終了しました。ご応募ありがとうございました。

寄稿/篠田 真貴子、写真提供/集英社(8枚目をのぞく)


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