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Conference:MASHING UP vol.3

「女性の健康管理」に新しい常識を! フェムテックの今とその可能性

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「フェムテック」とは、フィーメール(女性)とテクノロジーをかけた新しい造語。

最新テクノロジーを駆使して、生理や妊娠・出産、更年期障害など女性の健康問題を解決するために生み出された、ソフトウェアやサービス、診断キット全般を指す。この数年で、急速に注目を浴びている分野だ。

2019年11月に開催したビジネスカンファレンスMASHING UP Vo.3では、「あなたの知らないフェムテック/フェムケアの世界」と題して、女性の健康管理の常識を変えるかもしれない、フェムテックの今とその可能性について、熱いトークが繰り広げられた。

最新テクノロジーと女性のカラダの意外な相性

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登壇したのは、「Forbes JAPAN」コミュニティプロデューサーの井土亜梨沙氏を進行役に、「fermata」の代表、杉本亜美奈氏、「白金高輪海老根ウィメンズクリニック」の院長である海老根真由美氏の3名。

「フェムテックがいつ始まったかというと、つい最近の2012年なんです。きっかけはデンマーク人のイダ・ティン氏という方が作った『クルー(Clue)』という最初の生理管理アプリです」と、杉本氏。

「クルー」は日本の「ルナルナ」のような生理アプリで、今や世界中で使用されています。

しかしイダ氏がこのアイディアを思いついたとき、ヨーロッパの投資家もまだ男性中心

そこでイダ氏は「フェムテック」という言葉を発案。新たな分野を作り、「これから市場になります」とプレゼンすることで、投資を得られるようになった。

「2017年にはフェムテックの会社は50社くらいしかなかったんですが、2年で221社になりました。すごく増えているんです」と企業のロゴがずらっと並ぶスライドを見ながら解説する杉本氏。

実際にいくつかの製品を紹介してくれた。

生理、更年期…女性の健康管理の常識が変わるかもしれない

fermata代表 杉本亜美奈氏

fermata 代表 杉本亜美奈氏

「これは韓国の『ルーンカップ(LOON CUP)』という会社の月経カップです。膣の中に入れるとそこに血が溜まっていく。だから自分の血の色や量が分かる。使い回しもききます」。現在このカップの裏にセンサーを付けて、膣の温度を測り、スマホと連動してアプリで伝えてくれるシステムを開発中とのこと。

「わあ、それでは医者の方は、経血がこんな色だったら何の病気とか、どれが正常値とか、今まで分からなかったことが研究できるようになりますね!」と感心の海老根氏。

続いてはエンジニアのエリック・デイ氏が開発した「ブルームライフ(Bloomlife)」妊娠中のお母さんのお腹に貼り、胎児と母体の状態を計測するキットだ。

「エリックはパートナーとの間に3回流産を経験して、この製品を開発したそうです。赤ちゃんのキックの数を測ってくれて、陣痛もモニタリングしてくれる。将来的に出産の時期まで予測できるように、現在お医者さんと共同開発しています。だから映画みたいに『破水しちゃった……、タクシー呼ばなきゃ!』というのがなくなる世界が期待できるんです」。

陣痛のデータって今までうまく取れる機械がなかったんです。だから、本当にそこまでできたらすごいです!」と、海老根氏も最前線のフェムテック事情に興奮気味。

3つ目は「デーム・プロダクト(Dame Products)」。コロンビア大学とマサチューセッツ工科大で学ぶアレックスとジャネットが、これまで男性目線でしか作られていなかったセックストイを女性が気軽に使えるよう、デザインや品質にこだわって開発したもの

一見何に使うか分からない、かわいらしいマスコットのような外見。これならバッグから落としても大丈夫!

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Forbes JAPAN コミュニティプロデューサー 井土亜梨沙氏

以前ジャネット氏に取材したことがあるという井土氏によると、「彼女がこれを作るきっかけになったのは、彼氏に高級なセックストイをプレゼントしたら、すぐに壊れちゃったこと。普通の家電が壊れたら、すぐ修理に出せるけど、セックストイを使うのが恥ずかしいから、修理に出す人も圧倒的に少ない。その結果、質の低い製品ばかりが市場に出回ってしまう。だったら自分はエンジニアだから、質の高い、そして女性が楽しんで使えるトイを作ろうと思い、この商品ができたそうです」とのこと。

個人のストーリーから生み出された、愛の詰まったプロダクトたち

白金高輪海老根ウィメンズクリニック 院長 海老根真由美氏

白金高輪海老根ウィメンズクリニック 院長 海老根真由美氏

最後はアジア系カナダ人女性、チャチャ・サンサン氏が開発した、更年期の女性のためのケア製品「DAMIVA」。

「実は、閉経を迎えた女性の85%が膣が乾いていて歩くのも痛いという悩みを抱えていて……」と杉本氏が言うと、「そうなんですよ!」と、すかさず海老根氏。

「年を取ってくるとエストロゲンがなくなるので、膣の中の細胞がだんだん萎縮して分泌物がなくなるんです。でも膣が痛いって人に言えないので、医者も分からない。仮に医者に来ても何もせずに帰しちゃう感じなんです」(海老根氏)

「私、閉経を迎えると、膣が乾いて痛みをともなうなんて全然知らなかったんです……。この製品は、膣の中にカプセルみたいのを毎日入れたら、10代のようなしっとり感が戻ってくるというものなんですが、こうした製品が出ることで、更年期の症状に対する、認知拡大にも役立ちますね」と杉本氏。

フェムテック関連の起業家が通常の起業家と大きく違う点は、自分のカラダの課題としっかり向き合い乗り越える経験を経て、それを製品にしていること、と杉本氏は強調する。

「製品が入っている箱の中にお手紙が入ってたりと、すごく愛が詰まっているんです。ただビジネス的な成功を目的にするのではなくて、個人のストーリーが入っているんですね」と井土氏。

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製品解説の後は、用意されたワークシートを元に、会場の参加者が自分のカラダの悩みをシェアする時間。

参加者たちは、こみいった話をすることにはじめ戸惑いつつも、どんどん話は盛り上がり会場は熱気に包まれた。初対面ということでかえってリラックスできたのかもしれない。

初対面の人と、いきなりそんな話をするのに戸惑いつつ、だからこそ逆にリラックスできたのか、この時間はかなりの盛り上がった。

女性特有の健康問題は、恥ずかしさやコンプレックスが先立ち、女性同士でもなかなか語り合えなかったのが、これまでの現状だったと思う。

しかし、昨今のダイバーシティの波と、ユニークで実用的なフェムテック製品の広がりは、女性のカラダに対するマインドを大きく変えてくれるに違いない。

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MASHING UP vol.3

フェムテックから始まる、女性のカラダの新しい向き合い方

撮影/c.h.lee

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若山ゆりこ

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