「いいモノ」であるだけでなく、それらを入手することで社会に少し貢献できたり、わたしたちをちょっとエンパワーしてくれたりする。そんなすてきなアイテムを紹介するコーナー「mu_lifestyle」。
今回は、サステナブルな服づくりに貢献する新システム「3D・CGスキーム」。
現物サンプルを3D・CGで表現できる
アパレル業界において問題視されているものの1つが、余剰在庫や衣類廃棄量。少し前の統計になるが、独立行政法人 中小企業基盤整備機構調べによれば、2018年の日本国内における衣類廃棄量は年間約100万トン。枚数換算すると33億着にのぼるという。
この余剰在庫問題の解決の糸口となるシステムが、三菱商事ファッション株式会社からリリースされた。
「3D・CGスキーム」といい、CAD(コンピュータによる洋服の型紙設計)を起点に、3Dモデリング、生地スキャン、CG技術を連携させることで、現物サンプル作成のプロセスを削減できるスキームだ。
リアルな3D・CGサンプルで、在庫負担軽減を目指す
アパレル商品の生産工程では、商品企画の決定まで複数回の現物サンプル作成プロセスを経て、デザイン・シルエット・色目などの確認が行われる。企画決定後、ブランドは需要予測をもとに商品を見込み発注するため、各社とも在庫を抱えることになる。
この3D・CGスキームでは、これまでアパレル業界で実験的に導入されてきた3Dモデリングに、異業種で利用されている機器を組み合わせ、独自の方法で生地のスキャニング、CG制作を連携させた。これにより、アパレルにCGは不向きと言われていた一因である、生地の微妙な風合いなどの表現の感度を磨き上げ、現物に近い商品のイメージを画面上にバーチャルに表現することが可能に。
よって現物サンプル作成の手間が省けるほか、現物写真と同等のカタログやEC用CGを作成することができるため、カタログやEC事業者は商品を作らず先行受注も可能となり、見込み生産を回避し、在庫の軽減に寄与できるのだ。
服づくりには、デザイン決定までの確認サンプル、展示会サンプル、撮影用のモデルサンプルなど、多くの現物サンプルが必要とされる。3D・CGスキームは、こういった生産工程上の無駄の削減、効率化への一助となるし、それに伴い、コストダウンも実現できる。サステナブルなモノづくりに貢献する、画期的なシステムに期待したい。
三菱商事ファッション株式会社
電話:03-6757-2915(担当・山口氏)
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