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インタビュー/働くあなたに伝えたいこと

ゴールから逆算すると足りないものが見えてくる/グラッドキューブ 取締役COO/IRO財部友希さん


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「流れに身を任せるのがポリシー」と話す財部友希氏。経歴はCS(顧客満足 Customer Satisfaction)業務を中心にしながらも、転職経験が多く起業の経験は2回。少し前までは、会計についての知識や経験がない中で、CFO(最高財務責任者)を務めていた。

そのときどきで必要なものを見つけ、適任者がいなければ自分がやる。そんな風に仕事に向き合ってきたという財部氏に、これまでのキャリアを語ってもらった。

財部友希(たからべゆき)/グラッドキューブ 取締役COO/IRO
2000年9月 ケンコーコム株式会社 入社。ECサイト ケンコーコムの立ち上げに参画しCSマネージャー等を担う。転職後はコンタクトセンターの新規センターの立上げ業務、クライアント折衝に従事。イケアジャパン株式会社の2店舗目立上げ時からマネージャーとして従事したのち、2012年ソーシャルマーケティング支援の事業にて起業。研修先であったグラッドキューブの事業に携わるようになり、2014年1月に取締役COO就任、2019年1月に同社取締役CFO就任、2020年4月より現職。

スタートアップのケンコーコムに入社し、CSに出会う

20代の頃は転職を繰り返していましたが、転機になったのは20代後半。スタートアップのケンコーコム(現Rakuten Direct)に入社したことです。

当時ブームだったCS(Customer Satisfaction)部門の担当で、ベッツィ・サンダースが書いた顧客サービスに関する世界的ベストセラー『サービスが伝説になる時』(ダイヤモンド社)に深く感動。「私は日本のベッツィ・サンダースになろう」と心に決めたことが、後のキャリアに大きく影響しました。当時はスキルもなく、叱られることも多くありましたが、悔しさから必死で食らいついていきました。

ただ、必死になっている自分のせいで、 後輩の女性を無意識に追い込んでしまったんです。成長意欲が高いと思って仕事をお願いしていましたが、ある日突然会社に来なくなり、そのまま退職することに……。それからは、チームワークを大切にしようと、仕事の進め方を大きく変えましたね

その後の転職先は、電話やメール、チャットなど様々なチャネルからの問いあわせを一括でサポートする、コンタクトセンターの代理店です。保険会社などから委託されて、コールセンターを立ち上げるような仕事やプロジェクトをいくつも繰り返していました。

IKEAに転職し、英語ができないマネージャーに

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zoom取材に応じるグラッドキューブ 取締役COO/IRO 財部友希さん

その会社を辞めた後に、一度起業したのですが、自分自身のマネジメントがうまくいかずに畳み、IKEAに入社しました。

IKEAは国内で2店舗目ができるころ。レストラン部門の採用や教育がうまくいっていないのを横目で見て、とても気になって……。コンタクトセンター立ち上げの経験を活かしてサポートしているうちに、レストラン部門に異動となり、マネージャーに昇格したんです。

そこでは、スウェーデン、イギリス、ドイツ、アメリカと、多国籍な人たちと働けたのがとても刺激的でした。英語は初級レベルでしたが、ボスはフランス人。お互いに英語で話すしかありません。たとえ下手でも、英語ができればコミュニケーションが取れる!と開き直れたことも、大きな転機だったと思います。

TwitterやFacebookの仕組みに興味がわいた

5年ほど経った頃、SNSが流行してきました。昔から、ひとつのことをとことん突き詰めるタイプ。興味関心から海外の文献を読み漁っているうちに、SNSの仕組みや運用方法に詳しくなっていたんです。

CSの経験と、今後流行るだろうSNSを合わせた事業をしようと、自分で会社を創業し、SNSのコンサルティングをすることに。その顧客のひとつが、今いる会社のグラッドキューブです。当時はまだ小さなスタートアップで、人事制度も評価制度もない。それらを構築する手伝いをしていたところ、取締役として誘われ、参画することに。

入社後しばらくして上場を視野にいれることになりましたが、CFO探しに難航しました。ベンチャーキャピタルの担当者と今後の体制を考えているときに、私がCFOになってはどうかと打診されたのです。会計は畑違いもいいところなのですが、経理や財務の担当者に実務の面をまかせ、「足りない部分は私がやるしかない」と腹をくくりました

知らないことだらけで、用語も初めて聞くものばかり。1年間は毎日「Ⅰの部」を1件読むことを自分に課し、ひたすら勉強しました。「新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)」のことで、上場する会社のあらゆる情報が盛り込まれています。他の企業の事例を毎日研究して、知識を身に付けていきました。

流れに身を任せ、チャンスがあったら怖がらずにチャレンジする

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自社プロダクトを「TechCrunch Disrupt」に出展するためサンフランシスコに単独で。

社外でも、いろいろな女性と話す機会がありますが、「私なんてたいしたことない」「やれる自信がない」と言う人が多いと感じます。でも、1回きりの人生だから、怖がらずにどんどんやった方がいいと思うんです。

私にとっては、CFOが一番のチャレンジでした。自分から課題を見つけるのも好きですが、基本的には流れに身を任せるのがポリシー。チャンスがあったらそこに飛び込めばいいのだと思います。

あと、仕事をするときに心がけていることが1つ。どんな仕事にも、ゴールがありますよね。そこまでを俯瞰して見るようにしていますゴールから逆算すると、足りないものが見えてくる。その穴を埋めるための期間や人員なども考えて、他にやる人がいなければ私がやる。日頃から、そういうものの考え方をしています。

将来的には、興味関心のある美容や健康の分野に取り組んでみたい。社長とも、今の会社でやるか、いずれは子会社を作るか、と話したりしています。ある程度年齢を重ねてくると、いい年の重ね方をしたい、と思うんですよね。

そのために、いくつになってもチャレンジ精神を忘れない。私にとって大切なテーマとして、力を入れていきたいです。


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栃尾江美
外資系IT企業にエンジニアとして勤めた後、ハワイへ短期留学し、その後ライターへ。雑誌や書籍、Webサイトを問わず、ビジネス、デジタル、子育て、コラムなどを執筆。現在は「女性と仕事」「働き方」などのジャンルに力を入れている。個人サイトはhttp://emitochio.net

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