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真の「持続可能性」って?次世代の事業のあり方を考えよう/MASHING UPカンファレンスvol.4

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あらゆる分野でサステナブルであることの必要性が叫ばれている昨今。これまでスタンダードだった「大量生産・大量廃棄」といった考え方を改める動きや、製品の製造プロセスも透明度の向上が求められるなど、消費を取り巻く価値観はより「エコ」や「エシカル」、また持続可能な手法を取る方向へ舵を切っています。

そういったサステナブルなビジネスプレイヤーが国内外でますます増えている中、一度立ち止まって考えてみたい「持続可能性」。一言で持続可能性と言っても、どのようにそれを体現するのかは業界、またそれぞれが抱える課題によって異なるはずです。

2020年11月26日、27日に開催予定のMASHING UPカンファレンスvol.4。「サステナブルなビジネスって?『持続可能な事業』のあり方」と題したセッションでは、持続可能なビジネスを展開する登壇者の言葉から、次世代のビジネスのあるべき姿を考えます

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環境に良い「エシカルPC」を通して、日本の難民のイメージを変える

ファッションやビューティ業界では、ここ数年で随分とエシカルな概念が浸透し、原材料の精査や素材のリサイクルなどに対する賛同の輪は徐々に拡大してきています。しかし、同じように毎日使うスマートフォンやパソコンの消費についてはどうでしょうか?

「2019年に廃棄されたパソコン約300万台のうち、多くは埋め立て処分や熱処理によるリサイクルがなされています。今後いかに廃棄量を減らし、よりよい処理方法を見つけていくかが課題」。そう語るのは、これまでになかった電子機器分野にエシカルという息吹をもたらす事業を運営する、ピープルポート株式会社代表の青山明弘氏

同社が手がけるのは、環境に負荷をかけないエシカルパソコン「ZERO PC」、回収したユーズドのパソコンを修理し、新たに生まれ変わらせます。リサイクル部品を使用する分、通常のものより価格が良心的である点が魅力の一つですが、肝心のスペックも「新品同様」だといいます。

また、ピープルポートが雇用するのは主に日本にいる難民。エシカルと日本における難民問題を結びつけ、国内の環境問題に貢献することで難民支援に賛同する人を増やしていくという取り組みを行っています。本セッションでは青山氏が同ビジネスを通して実現したい未来のビジョンとサステナビリティの重要性について伺います。

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ピープルポート株式会社 代表取締役社長 青山 明弘
1990年生まれ。神奈川県出身。慶應義塾大学法学部卒。祖父母から戦争の話を聞いて育ち、「自分の大切な人が理不尽に奪われる戦争・紛争」に課題意識を持つようになる。カンボジアで、内戦経験者へインタビューした事をきっかけに、ソーシャルビジネスでの戦争・紛争解決、および被害者の支援を志す。新卒で株式会社ボーダレス・ジャパンに入社。東京のボーダレスハウス事業部で1年半、その後ボーダレスハウス台湾支店の立ち上げへ。2年で黒字化し、帰国後日本へ逃れてきた難民のために、ピープルポート株式会社を創業。環境負荷ゼロ、難民ゼロを目指すエシカルパソコン「ZERO PC」の販売を通じて、事業の拡大を図っている。

日本の難民のイメージを変えたい。「エシカルPC」で環境問題に挑む/ピープルポート代表・青山明弘さん

パソコンのリユース・リサイクル事業を通じて、日本の難民に雇用をつくることを目指す、ピープルポート株式会社代表の青山明弘さん。エシカルと難民問題を結び...

https://www.mashingup.jp/2020/09/220236_zero-pc.html

人が紡ぎ出す価値で街を活性化させる

「サステナブルなビジネス」を実現するためには、また真に持続可能な経済圏を生み出すには何が必要なのでしょうか。街としての魅力を高め、そこに住みたいと思う人を増やす……、そうすることで街自体が活性化し、そこから新しいアイデアや事業が生まれるはずです。

街に住む人やコミュニティに着目し、国分寺市で「クルミドコーヒー」と「胡桃堂喫茶店」という2つの喫茶店を経営される影山知明氏。さらに、カフェをハブとして国分寺で使用できる地域通貨「ぶんじ」、学びを求める人によって組織される「クルミド大学」など、さまざまなプロジェクトを運営しています。

影山氏の活動の根幹にあるのは人を大切なリソースと捉え、お金を単なる通貨としてでなく、「人の仕事」と等価交換するための手段としている点です。すると、その結果生まれたのは人の温度感が存在する経済活動でした。例えば、アプリやデジタルとの相性が良いとされる地域通貨ですが、「ぶんじ」は敢えての紙幣。使う人は紙幣の裏側に渡す人へのメッセージを書くという、モノを受け取る側が渡す側に感謝の気持ちをギブする仕組みになっています。

価値観を同じとする人が集まり、コミュニティを盛り上げ、そして作られる街は生き物さながら。ビジョンを共有する人たちから生まれるポジティブなエネルギー、そして人と人との関係から紡ぎ出される温度感のある経済圏は、サステナブルな社会を作るために大切な視点ではないでしょうか。

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クルミドコーヒー/胡桃堂喫茶店 店主 影山知明
1973年東京西国分寺生まれ。大学卒業後、経営コンサルティング会社を経て、ベンチャーキャピタルの創業に参画。その後、株式会社フェスティナレンテとして独立。2008年、西国分寺の生家を建て替え、多世代型シェアハウスの「マージュ西国分寺」を開設。その1階に「クルミドコーヒー」をオープンさせた。2017年には2店舗目となる「胡桃堂喫茶店」を開業。出版業や書店業、哲学カフェ、大学、米づくり、地域通貨などにも取り組む。
著書に『ゆっくり、いそげ ~カフェからはじめる人を手段化しない経済~』(大和書房)。『続・ゆっくり、いそげ ~植物が育つように、いのちの形をした経済・社会をつくる~』(査読版、クルミド出版)。

地域のリソースを活かし、ビジネスにつなげる

2020年7月31日、オンラインコミュニティ「MASHING UP SALON」で行ったセッション「未来ビジョンの描き方と、新しいコミュニティ・シップ」のゲストとして迎えたリ・パブリック共同代表の市川文子氏が本カンファレンスにも登壇します!

市川氏は、持続可能なイノベーションをテーマに、地域や組織における環境整備およびプロセス設計を手がけ、さまざまな自治体と協働し、その地域の起業家たちを支援しています。これまで九州の各都市や広島などでプロジェクトを行ってきた市川氏は、地域コミュニティがもともと持っていた資源を価値として据えなおし、現代に受け入れる形に変換し、ビジネスとして落とし込んできました

国内の各都市が持っているけれど、まだ掘り起こされていない価値はきっとまだまだたくさんあるはずです。自分の興味や価値観に沿う街で、好きな事に従事し生きていけたら……市川氏の言葉を借りるなら“コミュニティ・アントレプレナー”として生きていくことは、価値を生み出しながらその土地を活性化させることができる、とてもサステナブルな営みですよね。

あなたの中に眠る興味関心やビジョンの芽は、実はこのセッションを視聴する別の人も抱いている共通の想いかも。本セッションではそれらを現実的で持続可能なビジネスとして転換させるためのマインドセットを得られるのでは。

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株式会社リ・パブリック 共同代表 市川 文子
慶應義塾大学大学院政策メディア研究科修了。慶應義塾大学大学院にて修士課程修了後、フィンランドに渡航。通信系メーカーノキアに入社し世界各国でのリサーチを起点としてさまざまな製品やサービスの開発に従事。博報堂イノベーションラボを経て、2013年シンク(Think) &ドゥ(Do)タンク、株式会社リ・パブリックを創設。地域や組織における持続可能なイノベーションのためのプロジェクトを多数手がける。監訳に「シリアルイノベーター~非シリコンバレー型イノベーションの流儀」。2019年トランスローカルマガジン「MOMENT」発行。2019年からはサーキュラーデザインカンパニー株式会社fog取締役を兼務。

縦ではなく、横につながる世界へ。コミュニティ・シップが未来を拓く

「未来ビジョンの描き方と、新しいコミュニティ・シップ」について、リ・パブリック共同代表の市川文子氏いきものCo./たべものCo.代表の菊池紳氏に聞い...

https://www.mashingup.jp/2020/08/218308mu_salon3_communityship.html

フラットでコレクティブな関係が生み出す持続可能性

先述のオンラインサロンにも登壇した、食料、農畜水産、生物資源分野を扱う起業家にしてビジネスデザイナーであり、農産流通プラットフォーム『SEND』の創業者、いきものCo.代表の菊池紳氏がモデレーターとして、このセッションをまとめ上げます。

今後国内市場が縮小傾向にある中、より目の前にあるものでその時代に必要なモノを生み出すことが求められてくるはずです。菊池氏が、7月に開催したオンラインサロンの中で語った、「地域の人だけでなく資源も人格的に捉えて、その“人”たちと長くコレクティブな関係を形成するにはどうしたらいいか、ということなのかもしれないですね」という言葉が印象的です。企業や組織のあり方も変わりゆく中、時代に見合った持続可能性を創出するには、まさにコレクティブでフラットな人間関係がカギとなってくるのではないでしょうか。

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菊池紳
Business Designer / Incubator / 研究者。インパクト・インキュベーター『チキュウ(chiQ)』や農産流通プラットフォーム『SEND(センド)』の創業者。農林漁業・食料、生物・資源・生態系と共にある社会づくりを手掛ける。いきものCo.代表 / 慶應義塾大学SFC研究所 上席研究員 / 農林水産省生物多様性戦略 検討委員ほか。グッドデザイン金賞など。

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MASHING UPカンファレンスvol.4

会期:2020年11月26日(木)13:00〜21:00 ※オンラインのみ
11月27日(金)13:00〜20:00 ※オンライン及びオフライン
オンライン配信:チケットご購入後、ご視聴方法とURLをお送りいたします。
オフライン会場(11月27日):ザ・ストリングス表参道
住所:東京都港区北青山3-6-8
アクセス:表参道駅B5出口 地下通路より直結
主催:MASHING UP実行委員会(株式会社メディアジーン、mash-inc.)

チケット:
・スタンダード(2日間のオンラインセッション全てに参加可)¥7,700
・ワンデイDAY1(11/26のオンラインセッション全てに参加可)¥5,500
・ワンデイDAY2(11/27のオンラインセッション全てに参加可)¥5,500
・プレミアム(オンライン+オフライン全てに参加可)¥22,000 ※完全招待制チケットです。ご希望の方は、コンタクトフォームよりお問い合わせください。
【学割】
・学割スタンダード(2日間のオンラインセッション全てに参加可)¥4,400
・学割ワンデイDAY1(11/26のオンラインセッション全てに参加可)¥3,300
・学割ワンデイDAY2(11/27のオンラインセッション全てに参加可)¥3,300

※セッション内容、登壇者、開催時間等は変更になる可能性がございます。

公式サイト:https://conference.mashingup.jp/

MASHING UPは、女性の視点から社会課題をピックアップし、議論を行うメディア&コミュニティ。女性活躍・ダイバーシティ推進を起点にスタートし、カンファレンスにおいては異なる性別、年齢、国籍、業種、業界を混ぜ合わせ(マッシュアップして)、新しい対話を生み出し、ネットワークを築くのはもちろんのこと、新しいビジネスを創出できる場を目指しています。国内外のスピーカーを招聘し、個人と企業、そして社会に、新たな視点をもたらすセッションを組み立てます。今年のテーマは「Explore! The New Well-being(これからのウェルビーイング)」。

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MASHING UP編集部
MASHING UP=インクルーシブな未来を拓く、メディア&コミュニティ。イベントやメディアを通じ、性別、業種、世代、国籍を超え多彩な人々と対話を深め、これからの社会や組織のかたち、未来のビジネスを考えていきます。

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