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ブレない倫理観と発信力がファンをつくる/Z世代&ミレニアル世代へのD2Cブランド戦略

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デジタル活用に長け、それぞれ異なる消費観を持つミレニアル世代とZ世代。これらの世代がより主たる購買層となっていくこれから、ビューティ・ウェルネスの世界はどう変化していくのだろうか。

Glossy Japanでは初のオンラインイベントとして、2020年10月15日(木)「Z世代&ミレニアル世代へのD2Cブランド戦略」をテーマにインスタライブを開催

学生時代からファッションブランドを立ち上げ、現在は生理から選択を考えるプロジェクト「ILLUMINATE」を手がけるウツワ 代表取締役社長のハヤカワ五味氏と、米・サンフランシスコで日本のコスメとスキンケアアイテムのキュレーションプラットフォーム「Cosme Hunt」創始者兼CEOの高橋クロエ氏が登壇。それぞれZ世代とミレニアル世代である両氏が、日米の異なる観点から、D2Cブランドの今を語った。

Z世代とミレニアル世代の消費行動の違いは?

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ウツワ 代表取締役社長 ハヤカワ五味氏(上)とCosme Hunt Founder & CEO 高橋クロエ氏(下)

ブランドを運営する中で、世代による消費行動の違いを実感しているというハヤカワ氏と高橋氏。

「インターネットやSNSが中学生の頃から身近にあった私たちZ世代は、個人情報を出すのもまったく抵抗がない。そこは、消費の仕方にも影響していると思います」とハヤカワ氏。

例えばZ世代の消費観がよくわかるエピソードがある。

コスメなどは、気になるものがあればまずメルカリで残量が1割ほどの商品をテスター代わりに購入し、自分に合いそうだったら通常の商品を購入するという。「(オンラインショッピングで)注文して、合わなかったら返品するというのにも抵抗を感じない世代だと思います。一般的な返送方法や配送方法にも慣れています」(ハヤカワ氏)

一方、高橋氏は米国事情を以下のように語る。

「米国では、約10年前からコスメのサブスクリプションボックスが多く登場しました。コスメのセレクトショップ、SEPHORA(セフォラ)でサンプルをもらうことも、私たちミレニアル世代では一般的ですね」(高橋氏)

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image via Shutterstock コスメのサブスクリプションサービスの草分け的存在とも言えるBIRCHBOX(https://www.birchbox.com/)

自分で手を伸ばして試すのか、セレクトされた中からサンプルを試すのか。そうした「購買時の決断方法」には、世代間で違いがあると両氏。さらに、実際に購入までに至る心理も、自分がいいと思ったからか、口コミで評判が良いためか、あるいは所有することをステータスと感じるからなど違いがある。

「所有すること」にステータスを感じないZ世代

所有することに対する価値観は世代ごとに大きく違うと思っています。私を含め、Z世代は、“持たないこと”を選択するケースが多く、必要なときはレンタルやシェアを選びます。その背景には部屋が狭くて、多くの物を持てないという事情や、不要品はネットを経由して誰かに譲るケースが多いことも関係しています。自分には要らないものでも、誰かにとっては価値があるものかもしれないのですからね」(ハヤカワ氏)

米国においても、サステナブルという観点からモノを共有することは多い。また、リテラシーの高い消費者も多く、女性の6割が化粧品を購入する前に裏の成分表をチェックしている、と高橋氏。一方で、Z世代では化粧品に慣れていないこともあり、インフルエンサーが宣伝しているものをそのまま購入する傾向も多く見られる。

米国でのC-Beauty・K-Beautyの存在感

ハヤカワ五味氏の運営するILLUMINATE(https://illuminatewith.com/)

高橋氏の拠点であるサンフランシスコでは、韓国コスメへの注目度が非常に高い。日本と比べ、英語で世界に向けてPRしているブランドやマーケターの英語話者率が高いことから、米国の消費者と適切なコミュニケーションを取り、訴求できる点が韓国ブランドの最大の強みだ。

「韓国はK-Beautyだけでなく、K -POPなどのカルチャーを含めてアピールする圧倒的なマーケティング力があります。中国のコスメも将来的にはもっと注目されるようになるでしょう」と、高橋氏。

中国発のブランドに関して、ハヤカワ氏も 「中国産の商品のクオリティに対してポジティブな意見は増えているように感じます。だからチャイボーグメイク(中国的な女性の凛々しさを引き立てる“強めのメイク”)や中国コスメが流行っているのではないでしょうか」と、語る。

SNSのビジネスでの活用法は?

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高橋クロエ氏が運営するCosme Hunt(https://cosmehunt.com/)

今や企業のマーケティングに不可欠で、各社より効果的な使い方を模索しているSNS。両氏はどのように活用しているのか。

高橋氏が運営する「Cosme Hunt」は、米国で生活する中で高橋氏が日本のコスメが手に入らないもどかしさを感じ、周りにもそうした声が多かったという原体験がスタートのきっかけになっているという。そんな高橋氏はSNSの活用に関して 「今でも、周りの人やSNSでどんなものが求められているのかサーベイしながらやっています。FacebookやTikTokは美容系に興味がある人が多いですね」と語る。

また「SNSの反響は、売り上げの見込みを立てるのに役立つ」と、ハヤカワ氏。ユーザーの声に関して、「SNSのふとした意見が一番インサイトを持っているような気がします」 という通り、SNSでユーザーが発するオーガニックな発言のほうがリアルなことが多いのだという。

さらに、ブランドの成長に伴いSNSの利用方法も変わってくるという。ハヤカワ氏は、「私はSNS上で、ターゲットとなるペルソナが自分の半径1メートル以内にいる層だとしたら、今自分がコミュニケーションをしているのは半径何メートルのところにいる人なのかをよく考えています」と、語った。その距離が自分から遠ざかるにつれ消費者の発言内容も多様になり、同時にブランドや自身が発するメッセージの内容に関してもセンシティブになる必要があるのだという。

コロナ後の世界でD2Cブランドが重視すべきもの

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今後は、日本発のコスメの良さをもっと広くアピールしていきたい、と高橋氏。優れたアイテムを持ちながらも、まだ米国内で認知度が低いブランドは多くある。そういったブランドをサポートしつつ、Cosme Huntも成長できれば、と語った。

ハヤカワ氏は、「女性の健康をサポートするサービスは増えてきた。今後は数ある選択肢の中から、ユーザーに最適なものを提案するサービスを展開できれば」と今後の展望を語る。

また高橋氏がハヤカワ氏の事業に関連して、日本における生理のイメージを問うシーンも。「徐々に風向きが変わってきて、メディアでも多く取り上げられるようになったと感じます。少しずつ、友達同士だけじゃなく、親やパートナーにも話せるようになってきているのではないでしょうか」と、ハヤカワ氏。「ただ、まだフェムテックを享受するのにお金がかかるのが現状。コスト面でも仕組みを考えていきたいと思っています」と、抱負を語る。

また日米共にこのコロナ禍でECが急速に普及した。そんな中で、高橋氏もハヤカワ氏も事業において一番大切にしているのは「倫理観」だと言う。

特に高橋氏は「これからますますオンラインでコミュニケーションが取れるブランドは共感されやすくなっていくと思います。でもだからこそ、私たちにとって重要なのが一貫性。情報やトレンドはいくらでも変わっていきますが、ブランドが変化するときも、きちんと自分で判断して納得してから始めないと、今まで応援してくれた人に納得してもらえないと思うのです。ブランドを通して伝えたいメッセージをしっかり考えていきたいですね」と、語った。

日米、世代と違いはあっても、ブランドとしての軸を持ち、ブレない発信をしていくことが、今後、ますます重要になっていくようだ。

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中島理恵
ライター。神戸大学国際文化学部卒業。イギリス留学中にアフリカの貧困問題についての報道記事に感銘を受け、ライターの道を目指す。出版社勤務を経て独立し、ライフスタイル、ビジネス、環境、国際問題など幅広いジャンルで執筆、編集を手がける。

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