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「障がい×アート」ビジネスが壊す社会の壁。ヘラルボニーが挑むインクルージョン

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by 日本HP

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大きく社会が変化した2020年、私たちとテクノロジーのつながりはどう変わっただろう。MASHING UPは、サステナブルな未来の創造をおこなう日本HPとコラボレーションをし、「世の中を変えたい、世の中をよくしたい」という信念のもとに活動している若いアクティビストたちに注目。彼ら/彼女らの活動を伝え、日本HPの「Spectre」が可能にするクリエイティブなライフスタイルと、サステナブルな未来のあり方を考える。

多様性の推進が豊かな社会を作るヒントであり、イノベーションを起こすブレイクスルーでもあるという認識は、随分と普及しつつある。健常者と障がい者の間にあるボーダーを壊すべく奮闘するのは、知的障がいをもつアーティストたちが描くアート作品をビジネスの舞台に押し上げた、松田崇弥氏と双子の文登氏だ。『異彩を、放て。』をミッションに株式会社ヘラルボニーを立ち上げ、その想いを社会に投げかけている。

代表取締役社長の松田崇弥氏に、このビジネスに込めた想いとビジョンを聞いた。

松田崇弥(まつだ たかや)氏
ヘラルボニー代表取締役社長。チーフ・エグゼクティブ・オフィサー。小山薫堂の率いる企画会社オレンジ・アンド・パートナーズ、プランナーを経て独立。「異彩を、放て。」をミッションに掲げる福祉実験ユニットを通じて、福祉領域のアップデートに挑む。ヘラルボニーのクリエイティブを統括。東京都在住。双子の弟。日本を変える30歳未満の30人「Forbes 30 UNDER 30 JAPAN」受賞。https://www.heralbony.jp/

自由帳に書かれた謎の文字

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お兄さんが自由帳に描き込んだ「ヘラルボニー」の文字。全てのストーリーはここから始まった。

「ヘラルボニー」という言葉はこの世に存在しない。意味を持たないただの文字の羅列だ。しかしその文字は、あらゆる自由帳に何度も書き記されていた。

双子の崇弥氏と文登氏には4歳年上の兄・翔太氏がいる。“知的障がいをもつ兄貴”だ。崇弥氏が大学生の頃、実家の押し入れから幼少期に描いた、たくさんの自由帳を発見した。ページをめくると、好きなテレビ番組名や番組スポンサーの名前など、お兄さんはいろいろなものを書き記していた。どれも「多分あのことを指しているのだろうな」と察しが付くものばかりだったが、1つだけどうしてもわからないものがあった。それが「ヘラルボニー」だ。

「兄貴に『これはどういう意味?』と聞いてみましたが『わかんなーい』という答えで。インターネットで検索してみても検索結果は0件と、結局わからずじまいでした。私たちはこの“ヘラルボニー”のように、『一見意味のないもの』を世の中に価値として創出していきたい、という思いを込めて、ヘラルボニーという会社をつくりました」と、崇弥氏は当時を振り返る。

小さい頃からお兄さんと福祉施設で一緒に遊んだり、お手伝いをしたりといった過ごし方は当たり前だった崇弥氏と文登氏にとって、福祉の仕事を選んだのは自然な流れだったという。けれど、社会における障がい者の「枠」には違和感があった、と崇弥氏。

「家ではただの兄貴ですが、一歩外に出ると『障がい者』という枠組みに入れられる。兄貴はそういう枠組みの中で生きているんだな、と感じることが多くて、それを破壊していきたい、という思いがありました」(崇弥氏)

彼らだからこそ描ける世界に衝撃

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株式会社ヘラルボニー代表取締役社長の松田崇弥氏。

そんなある日、崇弥氏が地元・岩手県にある「るんびにい美術館」を訪れたことが、大きなターニングポイントとなる。

「たまたま帰省しているときに母親に誘われて行ったのですが、そこで展示されていた作品に衝撃を受けました。知的障がいがあるからこそ描ける世界がある。脳の特性が作品に現れるのだと強く感じました。これは勝負できる。知的障がいのイメージを変えていける可能性を秘めていると直感したんです」(崇弥氏)

そこで、崇弥氏と文登氏、そしてそれぞれの友人とで「MUKU」というブランドを立ち上げる。知的障がいの人たちが描いた絵でネクタイを作り、インターネットやポップアップストアなどで販売したところ、たちまち完売。確かな手応えを感じたという。

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ヘラルボニーが手掛けるネクタイ。本作品はMUKU時代のものではないが、アーティストの感性が光る、存在感のあるネクタイだ。

「その時はまだ起業を視野に入れておらず、お楽しみ企画的に始めたものでした。ただ、クオリティがよいものを作りたいと思い、また彼らのアートが商品としてどんな風に仕上がるのかも見たかったため、銀座の老舗テーラー田屋さんにOEMで作っていただきました。それぞれ貯金を出しあって4種類200本を作り、1本22,000円で販売したのですが完売。儲けようと思って始めたものではありませんでしたが、結果的には黒字でした」(崇弥氏)

支援の意味も込めて知的障がいの人の作品を買おう、という人もいるだろう。しかし、彼らの作品は単にカッコイイし、他にはない魅力がある。

「ヘラルボニーのミッションに『“普通”じゃない、ということ。それは同時に、可能性だと思う。』という一文があります。健常者と障がいがある人は同じだ、とは思っていません。むしろ、知的障がいというカテゴライズを強めていきたい。彼らでなければできないことが確実にあるんです。それを伝えるため、そして彼らの活躍の場を作りたいと思い、ビジネスの軸をアートに絞りました」(崇弥氏)

また崇弥氏が、知的障がい者が手掛けるアートであることを、より打ち出していきたいと考えるきっかけになったエピソードも印象的だ。過去にヘラルボニーはアパレルメーカーのTOMORROWLANDとハンカチのコラボレーション制作も行った。これはZOZOTOWNのタオル・ハンカチ部門でも3カ月連続1位という売上記録を打ち立てた。しかし、崇弥氏の中には達成感がなかったという。

「このプロジェクトは、知的障がいの作家の作品ということを言わずに販売をしました。売上が良かったので作品自体が評価されたことになりますが、世の中には『知的障がいの人が描いたなんでてすごい!』とか『やるじゃん!』みたいなコメントがどこにもない。当然ですよね、公表していないわけですから。自分の中では、これは目指すことではないと確信しました。ヘラルボニーの事業は、彼らにスポットライトが当たることに意味があるビジネスだからです」(崇弥氏)

イベントスペースとの出会いが大きな転機に

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image via HERALBONY/色彩豊かなアート作品。全国各地の商業施設でおこなわれるポップアップストアは、毎回反響を呼んでいる。

ネクタイを作れば完売、今でこそさまざまな業種とコラボレーションし、唯一無二のポジションを築きつつあるヘラルボニー。しかし、ここまでの道のりは決して平坦なものではなかったという。

崇弥氏は、かつて若手起業家を支援するシェアオフィス/イベントスペースで開催されたイベントに登壇した時のことを振り返る。

「前職を辞め、会社を立ち上げたのに仕事もなく半年が過ぎた頃で、不安がいっぱいの時期でした。しかし、その時のイベント登壇がご縁となり、ヘラルボニーを応援したいと言ってくださる方が増えました」(崇弥氏)

これがきっかけとなり、仕事は徐々に増えていった。初年度は1500万円だった売上が、2期目で5500万円、3期目の今年は目標の1億円に届きそうだという。現在は、BtoCのアートブランド事業(自社商品販売、原画・複製画販売、コラボレーション)とBtoBのアートライセンス事業(販売ライセンス事業、ワンショットライセンス事業、OEM生産、全日本仮囲い*アートミュージアム&アップサイクル企画)の2つの事業を展開。

*建設現場を囲う「仮囲い」を期間限定の「ミュージアム」と捉え直す地域活性型のアート・プロジェクト。知的障がいのあるアーティストが描くアート作品で彩り建設現場の仮囲いが、活用から企業の利益につながる形で、仮囲いの新しい可能性を追求

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アート作品を、ターポリンにプリントし、JR東京駅構内に掲出。アートターポリンは​一定期間、駅構内に掲出されたあと、撤去され、トートバッグへとアップサイクルされる試みを行った。image via HERALBONY

「仮囲いは、元ゼネコン社員だった双子の文登の発案です。仮囲いに使われるシートはのちに裁断し、バッグとして販売(アップサイクル)します。どの事業でも使用した作品のアーティストにロイヤリティを支払う契約になっており、商品化されたものは必ず本人に贈っています」と、崇弥氏。

先日、ロイヤリティを支払ったアーティストの親御さんから手紙が届いたという。そこには「息子がお金を稼ぐなんて夢にも思っていませんでした。いただいたお金で家族みんなで焼き肉を食べに行きました。あんなに美味しい焼き肉は初めてでした」と感謝が綴られていたそう。

「親御さんは、自分の子どもの作品がお店で売られていたり、街で展示されているのを見に行ったり、親戚や近所の人にも『見てね』と伝えます。すると、本人は近所で『見たよ、すごいね』とか『アーティスト!』と声をかけられたりする。彼らが生きやすくなるんです。収入支援もありますが、障がいがある人についてオープンに話せる社会になることが重要なんです」(崇弥氏)

コロナ禍で知った「関わり消費」という立ち位置

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岩手県盛岡市にブルワリーを構え、日本のクラフトビールでグランプリを受賞した「ベアレン醸造所」。17周年記念ラベルとして、アーティスト小林覚(るんびにい美術館)のアート作品である「埴生の宿」とコラボレーションが実現。image via HERALBONY

「おすそわけしマスク」をご存知だろうか。コロナ禍で、福祉施設もマスク不足に陥った。そこで崇弥氏は、「福祉を面白くしよう」と志を同じくする仲間たちと共にこのプロジェクトを立ち上げた。おすそわけしマスクのサイトでマスクを55枚買うと、そのうち5枚が福祉の現場におすそわけされるというものだ。

「おかげさまで多くのご支援をいただき、60万枚近くのマスクを寄付することができました。このとき、Twitterで『私も何かしたかったので、ようやく支援に関われた』『同じ値段だったらこっちを買おう』というようなコメントを多く目にしたのですが、自分たちのビジネスはまさに『関わり消費』なんだと腹落ちしました」と、崇弥氏は語る。

また、こんなエピソードもある。中学時代の同級生で、当時障がい者を揶揄する友人がいた。互いに大人になった今、その友人からヘラルボニーがコラボレーションしているクラフトビールを、お歳暮用に大量に購入したいと久しぶりに連絡があったという。

「そいつが家で、ビールをきっかけに自分の子どもたちに障がい者のすばらしい才能について話してくれるかもしれない。すると学校の友だちに知的障がいの子がいたら、『このアートすごいね』って彼らについて会話するきっかけに繋がるかもしれないですよね。それも私たちの目指すところです」(崇弥氏)

アート単体としても素敵であることは、ハンカチの事例が証明している。しかし、ヘラルボニーのアート作品は、単なる作品に留まってはならない。障がい者の人たちについて知るきっかけを与えてくれて、初めてその使命がまっとうされるのかもしれない。

最初は不安でも、社会に自分の思想をぶつけてみる

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ヘラルボニーは社会変革推進財団による「インパクト投資」も受けている。インパクト投資は、会社が成長することによって、社会も良くなっていくというビジネスを行う企業、インパクト指標がある会社として認められた企業が対象となる

「若手起業家アクセラレーションプログラムの第1期生にお声掛けいただき、11社のメンバーが参加しました。最終プレゼンに残った3社が投資を受けられるというプログラムを経て、現在投資を受けています。このときにシンガポール人のメンターにいろいろご指導いただいたのですが、印象的な言葉に『君は物を売るな。思想を売れ』というものがありました。このビジネスモデルはどの国でもできると。ヘラルボニーチャイナ、ヘラルボニーUSと、グローバル展開も視野に入れ、投資家の方々と相談しているところです」(崇弥氏)

崇弥氏は27歳で会社を辞め、現在29歳。「素晴らしいビジネスですね」と言われても仕事にはつながらない日々が半年続いたけれど、辞める気はまったくなかったそう。

そんな同氏は、「まずはやってみることです。私も最初は福祉の仕事に漠然とした想いしかありませんでしたが、るんびにい美術館に行って確信を得ました。今でこそ、こうしてインタビューなどで想いやビジョンなどをお話できますが、これも最初は全然整理できておらず、話すことができませんでした。プレゼンをしたり資料を作ったり、イベントでお話させていただく経験の中で、少しずつ整理してきました。だから、まずは自分の思想を社会に一旦ぶつけてみる。それが大事なのだと思います。世の中の反応がいろいろなことを教えてくれるはずです」と、穏やかながらも力強く語る。

アートのプレゼンにPCは不可欠

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HP Spectre x360 14

ほとんどの作業がスマホで完結できる時代になっても、ビジネスにおいてPCは不可欠。アート作品を扱う企業であるヘラルボニーは、プレゼン時に作品を見てもらう事が多いという。

今回崇弥氏に試してもらったのは、HP Spectre x360 14>。モノづくりを追求した美しいデザインと、テクノロジーの粋を集めた高いパフォーマンスが魅力の、「HP」の新モデルだ。ノートブック、タブレット、テント、スタンド、そしてフラットモードと、1台で5役を務めてくれる点も心強い。

まず崇弥氏が着目したのが、画面の比率。<HP Spectre x360 14>は、画面が3:2と通常のディスプレイよりも縦が長くなっている。さらに、有機ELを採用しており色も鮮明なのが特徴だ。

「現在ヘラルボニーには、アーカイブも含めて約2000点の作品があるのですが、それらをお打合せの場などで、お客様にお見せすることも多い。1画面で大きく作品を表示できるこの比率は、かなり使いやすいですね」(崇弥氏)

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PCのタッチパネルを試す崇弥氏。「弊社のブランドページを見せながらの説明も、動きがスムーズでストレスがありませんね」とお気に入りの様子だ。

さらに、多くの人がスマホに慣れた今、気になるのがPCの立ち上げ時間。<HP Spectre x360 14>の起動に必要な時間はわずか10秒と、ストレスフリーだ。また、バッテリーも最長15時間持続*するので、外出先で終日作業することも可能であるなど、使う場所を選ばない点もありがたい。
*構成により異なります。

「ヘラルボニーのアーティストたちは全員手描きで作品を描いていますが、それが商品化に至るにはデジタルテクノロジーはマストです。特に日本全国にいるアーティストと本社がある岩手、そして普段私がいる東京でのやりとりを高速、かつシームレスでつないでくれるこの<HP Spectre x360 14>は頼れる存在ですね。彼らの作品を世界に送り出すツールとして、唯一無二の存在と言えます」(崇弥氏)

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ヘラルボニーの色彩鮮やかなトートバッグともマッチするポセイドンブルーのPC。

スペック、デザイン共に崇弥氏も納得の<HP Spectre x360 14>は、毎日のビジネスシーンからプライベートまでをサポートしてくれる頼もしいパートナーになってくれるはずだ。

撮影/俵和彦、取材・文/島田ゆかり

[Holiday Campaign サイトHP Spectre x360 14]

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