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一変したサンプル文化。試供方法はデジタル・インタラクティブがトレンドへ

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ヘアスタイリストのセス・ギャリントン(Seth Garrington)氏は、英国ベースのヘアケアブランド・コーラブヘア(Colab Hair、以下「コーラブ」)とインフルエンサーエージェンシーのオビアスリー(Obviously)からドライシャンプーのプロモーションについて協力を持ちかけられた。ギャリントン氏はこれで、初となる視聴者へのサンプル提供を、インスタグラム上で行うこととなった。

2020年5月、ギャリントン氏は12,000人以上のフォロワーに向けてスワイプアップリンクを投稿。投稿をスワイプした人が、先着順で同ブランドのドライシャンプーの箱入りカスタムサンプルを、付帯条件なしで受け取ることができた。

「私のフォロワーは、自分たちに何ができるのかを聞きたがるんです。それが自分向けの商品かどうかはさておき、好きになるかどうかわからないものに20USドル(約2,000円)を払うよりも、サンプルを手に入れるほうがリスクは低い。私に興味を持ってくれるブランドにしてみれば、私のフォロワーとの距離を縮めることができて、アフィリエイトマーケティングよりも効果的です。ファンの側からすれば、(サンプルが届くというのは)インフルエンサーのような気分になれるうえに、商品もプレゼントしてもらえる魅力があります」(ギャリントン氏)

実際の店舗ではいまだに美容関連のサンプルやテスターが廃止されている状況にあるため、企業はいかに潜在的な顧客に、商品を手にしてもらうかを工夫している。

需要高まるインフルエンサーを介したサンプル配布

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英国を拠点とするコーラブにとって、インフルエンサーを起用したサンプリングは、ウォルマート(Walmart)、ターゲット(Target)、ウォルグリーン(Walgreens)など、米国の大手小売店やドラッグストアへの進出のタイミングにあわせて、米国のオーディエンスに向けてブランドをアピールすることを意味していた。

「1月から新規の1万店舗での販売を開始しましたが、新型コロナウイルスの感染拡大後は、いかに人々に製品を試してもらい話題にしてもらうかは大きな課題でした。インフルエンサーは、こちらが求めている顧客にアピールするための、まさにターゲットを絞った方法だと考えました」と話すのは、コーラブヘアの親会社であるSLGブランズ(SLG Brands)のプロダクト&マーケティングディレクター、ヘザー・ベリー(Heather Berry)氏だ。

オビアスリーの創業者でCEOのメイ・カーウォウスキー(Mae Karwowski)氏によると、コーラブの実績は、モデルケーススタディになったという。21人のインフルエンサーを通じて9,393個のサンプルが配布され、コーラブのインスタグラムのフォロワーは9,100人以上に増加、コーラブのウェブサイトではランディングページのクリック数が1,185回を記録した

莫大なコストがかかることの多い自社ブランドサイト経由でのターゲティングとは異なり、インフルエンサーなら好みの似た買い物客やファンからより深く理解されるとカーウォウスキー氏は強調する。

「インフルエンサーを介したサンプリングの真のメリットのひとつは、ターゲットとなる顧客と密接な関係を構築できること。顧客があなたをフォローし、あなたは顧客のメールアドレスを手に入れることができる。そうするとそれ以降顧客との長い関係を築くことが可能になります。さらに、このような短い時間で、これほど大量のサンプルを直接手渡すことはできません」(カーウォウスキー氏)

ギャリントン氏はコーラブとの提携以来、7月に発売されたセフォラ(Sephora)のリップグロス「セフォラ コレクション(Sephora Collection)」との契約も結んだ。ギャリントン氏いわく、約500人が無料サンプルに関する彼のインスタグラムのストーリーを見て、20%がスワイプして製品を受け取ったとのこと。また、スポンサー付きのインスタグラムの投稿やストーリーは「パーソナルな」感じがしないが、「サンプルをプレゼントするモデルは、よりインタラクティブ」だと感じると話す。これらの投稿による報酬は、“いかにもPR然とした”投稿と同じく、ストーリーは150USドル(約15,000円)から、フィードの投稿は300USドル(約31,000円)からだ。

カーウォウスキー氏によると、パンデミック以降、オビアスリーではインフルエンサーのサンプリングプログラムへのリクエストが急増していると言う。新規クライアントにはセフォラやブルガリも含まれており、ブランドは30日間でサンプルをリクエストした新規顧客約1万人の情報を得ることができると述べた。

しかしこのインフルエンサーによるサンプリングは、店頭で商品を発見してもらうという課題に対して、現在美容企業が取り組んでいる方法のひとつにすぎない。

バーチャルメイクがもたらすインタラクティブな経験

今月、『アリューア(Allure)』誌2020年11月号は、この問題を解決するための独自の試みを発表した。「The Ultimate Guide to Shopping(究極のショッピングガイド)」と題して『アリューア』誌はメイクアプリの「YouCam」と提携、同号のメイクアップセクションの全製品をバーチャルで試せるようにした。さらに百貨店大手のノードストローム(Nordstrom)とともにデジタルショッピングの拠点を立ち上げ、そこで同誌の編集者が選んだ商品を紹介する。

「新型コロナウイルスの感染予防のために、美容の小売店の在り方は大きく変化しています。まだ店頭ではテストや見本、サンプリングなどの体験はできないかもしれませんが、美容の消費者は今も製品を試したいと強く願っているんです」と同誌の編集長ミシェル・リー(Michelle Lee)氏は言う。

『アリューア』誌によると、allure.comへの月平均のユニークビジター数は前年比10%増、ソーシャルオーディエンス数は前年比10%増の450万人となっている。これらの数字を受けて、リー氏と編集チームは多くの読者がインタラクティブに化粧品を試せることを魅力に感じるだろうと確信したという。

また、8年目を迎えた『アリューア』誌のサブスクリプションサービス「ビューティボックス(Beauty Box)」に対する興味も増加している。2020年2月から5月にかけて会員数が15%急増し、前年比で18%の収益増加があった。11月のボックスに入っているブランドは編集部が選んだもので、必ずしも「YouCam」やノードストロームと関係があるわけではなく、リー氏は同誌の「ビューティボックス」は、今後も提携パートナーを増やしていくだろうと示唆している。

「このボックスでは、私たちの絶対的なお気に入りをキュレーションして定期購読者に届けることができるんです。11月号のように毎月のボックスには有名ブランドと新進気鋭のブランドをミックスしていきたいですね。また9月に発売された「アワード受賞リミテッドエディション(Award Winners Limited Edition)」のような、一度だけの特別なボックスも引き続き取り組んでいきます」(リー氏)

原題 [Beauty sampling programs get more creative]/PRIYA RAO(翻訳:Maya Kishida)/Images via GettyImages

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Glossy Japan編集部
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