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変貌した「アフターコロナの学び」の形。キャリアの多様化を後押しするリカレント教育の現状とは?

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image via Getty Images

世界が大きく変化した2020年、さまざまな分野において新たな様式が生まれた。それは学びを取り巻く環境においても同様で、世界中の大学で授業がオンラインへ移行。また、海外渡航の制限により、以前から計画していた語学留学の中断を余儀なくされた人も多いなど、「学び」をめぐる環境は大きく変化している

しかし、世界150か国から約4万人の留学生を受け入れている語学学校チェーン「カプラン・インターナショナル・イングリッシュ・ランゲージ(以下、カプラン)」によると、このコロナ禍でも留学をあきらめず、新たな形で英語を習得する人が出てきているという。現在の社会人留学事情、そして昨今関心が高まるリカレント教育をめぐる状況について、アジア地域ディレクターのチャーチル・聡子氏に話を聞いた。

今だからこそ、得られる学びがある

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アジア地域ディレクター チャーチル・聡子氏。留学先としても人気が高いロンドン在住のチャーチル氏の目には、昨今の社会人留学事情はどのように映っているのか伺った。

留学情勢が変容した現状を、学びを志す人たちはどう捉えているのだろう。

「現地での生活を通して英語を学ぶという、留学の醍醐味を提供しにくい現状は歯痒いが、そんななかでも渡航を決意する人には共通点がある」と、チャーチル氏。

「海外で得られる、“生きた経験”に重きを置いている人は、『コロナ禍であろうとなかろうと、関係ない』と。人生設計の一部として留学を考えているので、困難な状況下であってもその目的は遂行したい、という声をよく聞きます」(チャーチル氏)

カプランでは「コロナ影響下の留学に関する意識調査」や、留学生を招いてのオンライン座談会を実施。そこから見えてきたのは、「コロナというピンチをチャンスに変える」という強い意志だった。

ロックダウン1週間前に飛び込み留学

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英語圏の主要6カ国に37の語学学校を展開するカプラン。

座談会に出席した30代の男性は、経営コンサルタントの仕事を休職してイギリス・リバプールに留学。本来はアメリカへの留学を希望していたが、渡航時期はアメリカに入れなかったため、受け入れ可能だったイギリスへ留学先を変更。1年以上前から休職の意思を伝え準備を進めてきたこともあり、延期するつもりはなかったそうだ。

また、アメリカでの大学進学を目指す20代の女性は、家族に咎められながらもロックダウンになることを恐れ、当初の予定より1週間早く渡航した。実際、入国してわずか1週間後、完全にロックダウンとなり、「ぎりぎりセーフの入国。留学して本当によかった」と話したという。

「座談会では、この時期に渡航した人の意志の強さを目の当たりにしました。私が住むイギリスでは、コロナ禍で、以前より留学生同士の絆が強まっているように感じます。自分で積極的に友達を作ろう、会話をしようという姿勢が明確で、本当の意味で自発的に“海外をサバイブ”できる人が集まっている印象です」(チャーチル氏)

オンライン学習を交えたハイブリッドな留学生活

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教室での授業は、感染症対策も万全におこなわれている。

留学生を対象に行った意識調査では、現地にいる生徒がオンライン授業プログラム「K+ LIVE」を活用している様子もうかがえたという。

「K+ LIVE」は通常の対面式授業と同じように、教師の指導のもとでほかの留学生とともに授業が受けられる少人数制のバーチャルクラスだ。授業以外にもオンラインアクティビティに参加したり、無制限にアクセスできるオンライン教材を利用したりと、個々の目的に合わせて英語力を伸ばせる環境を提供している。

「学校を一時閉鎖せざるを得ない国もあったため、カリキュラムを滞りなく進められるようにオンライン授業を整備しました。ノウハウはあったのでシステム構築は早く、世界各地の優れた授業をコンテンツとして共有できています。ただ意外だったのは、生徒がそれをコロナ対策ではなく、新たな学びの場として捉えてくれたということです」(チャーチル氏)

オンラインで授業を受ければ、対面では会えない他の地域の生徒と一緒に授業が受けられる。レベルやコースが選びやすい、友達のネットワークが国中に広がったなど、ポジティブな感想が多かった。

「一人ひとりがこの状況下で、英語力を上げるという自分の目標にもっとも近づける道を探している。その一つとしてオンライン授業が選ばれていることに、衝撃を受けました。アメリカの大学は、2021年の春学期もオンラインがほとんどですが、それに対しても抵抗感がまったくない。非常に柔軟です」(チャーチル氏)

英語圏で生活しながら、オンラインでさまざまなクラスを受講するというハイブリッドな留学生活。まさに「アフターコロナの学び」といえるスタイルを、生徒が自ら創りあげつつあるようだ。

キャリアの多様性が受け入れられる社会へ

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またチャーチル氏は、リカレント教育としての留学の意義についても語った。

「日本は、仕事を継続し続けることに非常に価値を置く社会に思えます。有給を10日間とることも難しいなかで、例えば1年の留学のためにキャリアを分断するというのは、かなり重い決断だと言わざるを得ません。

しかし、その経験によって今後の人生の支えとなる力や柔軟性は、確実に身につくはず。人生100年時代といわれる今、留学によって英語や海外とのつながりをつくることで、より長期的なキャリアを築くことも選択肢のひとつになるのでは。1年間の休職が単なる“ブレイク”でなく、次につながるステップになり得る、社会全体がそういったキャリアの多様性をもっと受け入れられるようになれば」(チャーチル氏)

カプランはそのような社会実現のために貢献すべく、さまざまなサポートを提供している。

現在、オンライン授業の充実に加えて、2021年度内に申し込まれるコースの延期保証「Book with Confidence」や、校舎の消毒徹底など、海外でビジネスの即戦力となる英語力を身につけたいという意欲を持つ人に、安心・安全で充実した留学体験を提供している。

いま自分に見えている、短期的なキャリアの枠の外に一度出てみれば、必ず新しいキャリアや人生の形が見えてくる──。チャーチル氏の言葉が、生涯を通して学び続けるリカレント教育への示唆を与えてくれた。

カプラン・インターナショナル]Images via KAPLAN International English Languages

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田邉愛理
ライター。学習院大学卒業後、センチュリーミュージアム学芸員、美術展音声ガイドの制作を経て独立。40代を迎えてヘルスケアとソーシャルグッドの重要性に目覚め、ライフスタイル、アート、SDGsの取り組みなど幅広いジャンルでインタビュー記事や書籍の紹介などを手がける。

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