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TikTok戦略「3つの勝ちパターン」。韓国ビューティブランド躍進の理由とは?

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2020年は、NYXやe.l.fコスメティクス(e.l.f Cosmetics)といった多くのビューティブランドが、広告キャンペーンでTikTokの記録を更新するなど、盛り上がりを見せている。しかし今、注目されているのは、なるべく低コストで認知度を高める取り組みであり、各ブランドは具体的な戦略に力を入れている。

そうしたブランドに、韓国の大手化粧品会社MBX傘下のカジャ(Kaja)とアイデューケア(I Dew Care)がある。カジャは2019年11月にTikTokに参入、現在のフォロワー数は145万人、一方2019年12月にチャンネルを開始したアイデューケアは、約42万人のフォロワーを擁する。

両アカウントが、TikTokのグロースに本腰を入れ始めたのが、2020年3月以降。MBXのCEOディーノ・ハ(Dino Ha)氏は、「ロックダウンによってTikTokの視聴者数が増加しはじめ、TikTokが消費者コミュニティにエンゲージメントする基盤になると気づいた」と言い、カジャとアイデューケアがTikTokで成功したのは、人気のあるダンス動画を真似るのではなく、パッケージやテクスチャー、カラーに焦点を当てるという、Kビューティならではの位置づけを押し出したおかげだと指摘する。

我々が最初にTikTokアカウントを作った時にダンス動画を投稿をしなかったのは、そのジャンルがすでに飽和していたから。我々は音楽を通じて、また製品のテクスチャーや色を多く見せることによって、商品のストーリーを違った方法で伝えることに注力し、それが結果的に大成功に結びつきました(ハ氏)

凝った動画は必要ない。求められるのは商品のテクスチャーとクローズアップ

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米国の人気セレブリティが率いるブランド、フーダビューティー(Huda Beauty、フォロワー数290万人)やカイリーコスメティックス(Kylie Cosmetics、フォロワー数170万人)、また同国のミレニアル/Z世代に支持を得るクリーンビューティ・ブランド、ミルクメイクアップ(Milk Makeup、フォロワー数約49万人)など、カジャとアイデューケアよりもSNSで大きな存在感を示すブランドもある。しかし、この2つの新鋭Kビューティブランドは、アナスタシアビバリーヒルズ(Anastasia Beverly Hills、フォロワー数約26万人)やMAC(フォロワー数約7万人)といった老舗ブランドのフォロワー数を上回っており、TikTok上でもっとも勢いのあるブランドの一つであることに変わりはない。

具体的に言うと、カジャもアイデューケアも人気の曲や歌をバックに、アイシャドウの重なったケースを手で開閉したり、商品のパッケージを開封したり、色を試したりする動画を投稿することが多い。また両ブランドとも、新製品に関しては発売日の約3週間前からTikTokで情報を小出しに公開している。


@kajabeauty

A star? A firework? Nah, just Toasted Caramel ? Get lit this NYE w/ this beaming Beauty Bento ? @sephora #kajabeauty#kbeauty#sephora

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出典:TikTok/@kajabeauty

ソーシャルメディアに関するマーケティング会社、マジェンタエージェンシー(Magenta Agency)の創設者トリーナ・アルバス(Trina Albus)氏は、カジャが2つの投稿でそれぞれ1,000万回以上と1,600万回以上の再生回数を記録していると指摘。どちらの投稿も、アルバス氏が「TikTokの勝ちパターン」と呼ぶ、製品のテクスチャー、クローズアップ、ASMR(聴覚や視覚への刺激による心地良い感覚)を押さえている点が特徴的だ。アイデューケアでは、(ひとつを除き)100万回以上の再生回数を記録した6つの投稿のすべてにおいて、クローズアップの動画とテクスチャーを組み合わせている。

TikTokのクリエイティブスタジオであるフライトハウス(Flighthouse)のマネージングディレクター、アッシュ・スタール(Ash Stahl)氏は、TikTokではしょっちゅう同じ曲が繰り返されるし、動画のスタイルも似通っているが、かといってまったく新鮮で新しいコンテンツはそれほど求められていないと話す。

多くの美容ブランドは製品の品質を見せようとしていますが、カジャやアイデューケアは、形やパッケージ、色をTikTokのセンスに合わせて見せているんです(スタール氏)

TikTokは今、コミュニティ形成にもっとも適したプラットフォーム

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現在TikTokは、両ブランドにとってコミュニティを形成するにあたりもっとも相性の良いプラットフォームだと言え、MBXのオムニチャネル戦略の礎になるとハ氏は語る。コメント、いいね数、そしてシェア数や、リアクションから測定したカジャのTikTokアカウントのエンゲージメント率は24%。そしてブランドのTikTokフォロワーの約10%が、インスタグラムでもカジャとアイデューケアをフォローしている。

アイデューケアは、TikTokのフォロワー数の増加に加え、10月にはコストコと、大手小売店のターゲット(Target)での販売も開始。カジャもアマゾンと、化粧品小売大手のセフォラ(Sephora)に販路を拡大した。これらの小売業者とそのハッシュタグは、両ブランドのTikTokの動画でもたびたび紹介されている。

ハ氏はカジャの売上高については語らなかったが、アイデューケアの売上高は、2020年の第1四半期から第3四半期までの間に前年比36%増加したと発表した。同じくMBXが運営するKビューティブランドの、ポニーエフェクト(Pony Effect)、アイムミミ(I'm Meme)、ヌニ(Nooni)は、当初は新型コロナウイルスの影響で10~20%の売上減少を予想していたが、実際は売上増との見通しを示した。

TikTokで現在力を入れているのは、できるだけ早く、できるだけ頻繁にコミュニティを成長させること。TikTokと我々の公式サイトのトラフィックの増加、およびEコマースサイトの利用時間には相関関係がありますが、売上の面では直接的な関係はありません。今後数年で、TikTokのエンゲージメントと売上の差を縮めていく(ハ氏)

*各ブランドのTikTokフォロワー数は、本記事執筆時点2021年1月での数字。

原題 [How K-beauty brands Kaja and I Dew Care became TikTok favorites ]/(翻訳:Maya Kishida)/Images via Getty Images

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Glossy Japan編集部
Glossy Japan編集部
ビューティ・ウェルネスの未来を考えるメディア&コミュニティ。最先端トレンドを発信し、業界の未来を切り拓くことをミッションとしています。イベントや取材を通して、US含む海外トレンド分析と日本における時代潮流を読み解いていきます。

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