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このままでは地球が終わってしまう。サステナブルな社会にむけた柳井氏の提言

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SDGsに向けて世界が動き出し、地球環境に対する意識が高まりつつある今。企業にもサステナブルな姿勢が求められている。ユニクロ(UNIQLO)などを運営する株式会社ファーストリテイリングは、持続可能な社会の実現に向けた取り組みをまとめた「ファーストリテイリング サステナビリティレポート 2021」を公式ウェブサイト上で公開。

2021年2月2日のメディア説明会では、代表取締役会長兼社長の柳井正氏グループ執行役員である新田幸弘氏がサステナビリティに対する思い、これからのビジョンを語った。

ジャック・アタリ氏と考える「コロナ後の世界のかたち」

ファーストリテイリングは、今までもサステナビリティレポートをステークホルダーや報道関係者に向けて発行してきた。しかし近年、持続可能性に対する意識が高まっていることを受け、2021年版は一般消費者向けに内容を刷新した。

「ファーストリテイリング サステナビリティレポート 2021」では、巻頭特集に柳井会長兼社長とフランスの経済学者で未来学者のジャック・アタリ氏との対談を掲載。これからのサステナビリティに欠かせない条件とは何か、 服はこれからどのように変わってゆくのかをアタリ氏と語り合った。

また、環境課題に取り組むスタートアップ経営者やサステナビリティ先進国であるスウェーデンのオリンピック委員会CEOのインタビューなど、国内外におけるサステナブルな社会活動についても紹介されている。

地球環境問題は、世界全体で取り組むべきもの

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「現在、地球上に起きている問題は一国レベルでは解決できない。全世界の人が『これは自分たちの問題だ』と自責に感じることが大切だ」と、ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長 柳井正氏

柳井氏は、サステナブルな社会の実現に向けて思いを語る。

「新型コロナウイルスの感染拡大によって、世界の状況が一変しました。グローバルの人の往来は止まり、各国の経済は停滞しています。加えて、世界の大国の間で政治的、経済的対立が激化し、ビジネスの現場にも深刻な影響を与えており、まさに危機的な現状だと言えます。しかしこのような状況に最も必要なことは、世界中の個人や企業がポジティブに考えてすぐに行動し、力を合わせてピンチをチャンスにすること、よりよい社会を実現することです」(柳井氏)

現在、地球上に起きている問題は一国レベルでは解決できない。全世界の人が「これは自分たちの問題だ」と自責に感じることが大切だと柳井氏。それもポジティブに捉えて行動する必要があると強調した。

さらに「現状は目先の利害だけを考えて行動している。世界とつながっていないフリをしているのは残念だ」と述べ、「このままだと、地球は今の世代で終わってしまうかもしれない」と辛辣なコメントも残した。

服のビジネスで社会課題を解決する

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サステナビリティを担当するグループ執行役員 新田幸弘氏。

ファーストリテイリングは、服のビジネスを通じてどのように社会課題に取り組んできたのか。グループ執行役員、新田氏は経緯を話した。

「社会貢献活動のスタートは2001年から。当社が初めて海外に進出した年に社長直轄で社会貢献室を設置。当初から事業を通じた社会貢献活動をするということで、服や店舗を活用し、お客様や従業員の協力を得て取り組んできました」(新田氏)

さらに、社会的に弱い立場の人々に対する根本的な解決策として、難民への衣料支援をはじめ、1000人以上の障がい者雇用、着脱しやすい前あきインナーの開発事例を紹介した。また、新型コロナウイルス感染症の支援に1600万枚のマスクの支給、143万着のガウンの提供を行っている。

ファーストリテイリングがここまで社会問題解決に取り組んでいるのには、「ビジネスが持続的に成長するためには地域社会が平和で安定、持続的に発展する必要があると考えているから」と新田氏は話す。

この社会課題への取り組みは、サプライチェーン全体で押し進めてきたとし、たとえば2004年には生産パートナー向けのコードオブコンダクト(社内外における行動規範)の制定、人権侵害行為への罰則を設けるなどの取り組みを行っている。2019年には国連女性機関とのパートナーシップに基づき、女性ワーカーのキャリア支援も強化。コロナ禍においては、サプライチェーン全体の影響を考え、発注の調整を行い、工場の労働環境の維持に努めたという。

またILO(国際労働機関)とパートナーシップを結んでおり、今後もアジアの労働環境の整備と社会保障の充実に向けた取り組みを進める予定だ。

2050年までの温室効果ガス排出量実質ゼロを目指す

持続可能性の実現を目指すファーストリテイリングは、パリ協定における2050年までの温室効果ガス排出量実質ゼロ目標を尊重している。その達成に向けた長期目標をサプライチェーンを含め策定することを明かした。

それに先立って子会社であるユニクロでは、サステナブルな服作りに取り組んでいる。その一つが昨年に販売を開始したドライEXポロシャツだ。再生ポリエステル素材を利用しており、生産時のCO2排出を3分の1に削減できるという。そのほかに初の循環型リサイクル商品「リサイクルダウンジャケット」の発売や服をリユース、リデュース、リサイクルする「RE.UNIQLO」の始動など、衣料ビジネスを通じて温室効果ガス排出削減に挑んでいる

地球が有限であると自覚する

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会見の最後には質疑応答が行われ、「これから力を入れていきたい環境問題、社会課題はあるか」という質問に「まずは地球が有限であると自覚することが必要。その上で今回のパンデミックを世界が協力して収束させること、地球環境に対してできることを積極的にやっていくことが必要になってくると思います」と柳井氏。

さまざまな社会問題の解決に取り組んできた柳井氏は、地球環境問題を広い視点で捉えることが必要だと語った。その中でコロナウイルスの感染収束には、世界規模で取り組まなければならないと強調する。

最後に柳井氏は「サステナブルであることは全ての前提である」とし、「会社の存在そのものが社会をより良くするために、我々は本気で行動することをお約束します。皆様の支援をぜひよろしくお願いします」と決意を述べ、協力を求めた。

ファッション業界をリードしてきた大企業が環境問題に挑み続けるのは、地球環境に対する危機感を持っているためだ。今後も付き合い続ける社会課題に対し、私たちも個人や企業で何ができるのか考える必要があるだろう。

ファーストリテイリング サステナビリティ レポート 2021 ]画像提供:ファーストリテイリング

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