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Conference:MASHING UP vol.4

SDGs達成を夢物語にしないために。iamtheCODEマリエム・ジャムの行動に学ぶ

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世界各地に、教育機会や社会関係資本に恵まれない少女たちが大勢いる。彼女たちが弱い立場を抜け出して、社会のなかで尊厳を持って生きていくためには、価値あるスキルの習得と人との繋がりが重要だ。

そうした考えのもと、STEAMD(Science, Technology, Engineering, Arts, Mathematics, and Design)教育を通じて少女たちへの支援を行うiamtheCODE。英国に本拠地を置くこの団体は、「プログラミング教育」「SDGs達成をテーマにしたハッカソン開催」「メンターシップ・プログラム」など、さまざまな活動を世界中で展開。心に深い傷を負っている少女たちが心の問題を話し合える場を作るなど、精神面のサポートも活動の大きな柱となっている。

iamtheCODEの設立者であるマリエム・ジャム氏(以下、敬称略)が、MASHING UP カンファレンスVol.4でキーノート・スピーカーとして登場。ケニアの難民キャンプやブラジルの貧民街など、厳しい社会状況にある場所も多いなか、このコロナ禍でどのように活動を行っているのか、課題と取り組みをオンラインで聞いた。

気にかけてもらえる安心感が、学ぶ意欲を支える/iamtheCODE マリエム・ジャム

2030年までに100万人の女性エンジニアを育てることを目標に掲げるiamtheCODE。設立者のマリエム・ジャム氏がMASHING UPカンファレ...

https://www.mashingup.jp/2021/01/mu4_report_iamthedode.html

コロナをきっかけにオンライン活動を強化

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オンラインで取材に応じるマリエム・ジャム氏(2020年12月)。

——新型コロナウイルスの流行で、世界中の子供たちの教育に影響がでています。各地の社会情勢がますます厳しくなり、チームやボランティアの移動が制限されるなど、iamtheCODEの活動への影響は大きいと思われるが、どのように対応していますか?

マリエム・ジャム:これまで私は世界中を飛び回っていましたが、コロナウイルスの感染拡大が始まってからはオンラインの活動にシフト。ウェブサイトをリニューアルし、教材やレッスンにアクセスしやすくしたり、メンタリング・プログラムで、企業と女の子たちをオンラインで結びつけたりしています。

難民キャンプにある活動拠点では、協力企業の支援により石鹸を用意し、食事やマスクなども提供。インターネットに繋がるようにし、我々のプログラムにアクセスできるよう整備しています。

——コロナで分断しやすくなった各国の若者の横の繋がりを築くためには、どのような取り組みを考えていますか?

マリエム・ジャム:過去にハッカソンに参加してくれた女の子たちを繋ぐフェイスブックグループを、2021年はもっと力を入れて、世界各地の参加者の繋がりを強化しようと考えている。そして、SDGsの達成に向けて活動していきたい。

日本でも、もっと多くの女の子たちに参加してもらいたい。SDGsについて理解を深め、世界各地の女の子たちと繋がってほしい。1月からバーチャルな活動もスタートさせ、各地の参加者同士のコラボレーションを促そうとも計画中。日本、アフリカ、私が住んでいるイギリス、それぞれの地域ごとに良いところがあるので、互いから学び、力を合わせることはとても大事なことです。

自分自身を知るチャンスを与えられることは幸せだ

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2019年11月に東京で開催された「SDGsハッカソン」の様子。

iamtheCODE提供

——プログラミングなどのスキルを身につけることで、良い仕事につけるかもしれません。でも「タスクをこなせる人」を超えて、自分で考えを深め、それを発信できる人になるのは難しいことですよね。

マリエム・ジャム:私がいつも言っているのは「あなたは、あなた自身の人生のイノベーターですよ」ということです。若い人だけでなく大人も、自分の人生の目的が分からない人が多く、親を喜ばせるために良い大学に行ったり、経済的な理由やステータスのために、企業で働きキャリアを築くことに力を注ぎます。教育はもちろんとても大事です。でも本当に重要なのは、皆が自分自身について知るチャンスが与えられることです。

私はオックスフォード大学に行ったり、MBAを取ったりすることはできませんでした。でも、幸運にも世界経済フォーラムの「ヤング・グローバル・リーダー」に選出され、発信していく立ち位置を得られました。でも、自分が本当にやりたいことを定めるには、深く考えぬく必要がありました。

アフリカにはウブントゥ(Ubuntu)という考え方があります。「あなたがいるから私がいる」というような意味です。日本には「生きがい」という考え方がありますね。iamtheCODEではそれらの発想を合わせて、「ikiguidance(生きガイダンス)」という活動を行っています。人生には目的が必要で、若い人には「自分を超えたもの」に目を向けられるようになって欲しいと思っています。

また、達成したいことがあったとして、それが本当に世界に必要とされているのかという視点も大事です。似たようなプロジェクトが乱立して、資金が無駄になってしまってはもったいないですから。

内にこもらずに、手を差し伸べて

——「日々の仕事で果たすべき責任」と「生きるべき理想」のギャップに悩んでいる人は多いと思います。

マリエム・ジャム:誰もが心の内側に勇気を持っています。私だって最初から自信があったわけではないんですよ。ただ、昔から集中力はあったと思います。あれもこれも手を広げなくてもいい、何かに真剣に取り組むこと。あとは感謝の気持ちを持つこと。これが私からのアドバイスです。

よかったら、私たちの活動に参加してください。iamtheCODEに参加している若い人のメンターとなってください。それほど多くの時間はかかりません。彼女たちと会話したり、彼女たちのプロジェクトについて助言を与えてくれる人を募集しています。

「自分」の外に出ることは大切です。10ドルの寄付をして「いいことをした」と満足するだけの自分でもよいのかも考えてください。「コンフォートゾーン(居心地の良い場所)」から抜け出て、手を差し伸べてください。

個々人がバラバラのまま、それぞれが孤独を抱えていては、何をしてよいか分からない状況が続いてしまいます。悲しみや嫉妬に囚われて、人生に目的を見出せなくなれば、メンタルヘルスの問題にも繋がります。

2021年は「人間性のサプライチェーン(supply chain of humanity)」を拡大していきたいです。私が誰かと繋がって、その人がまた他の人と繋がる。そうやってどんどん輪を広げましょう。

このトピックとかかわりのあるSDGsゴールは?

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SDGsをテーマにしたビジネスカンファレンス、MASHING UP SUMMIT 2021 開催!

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国内でSDGsやESG経営の第一線で活躍するリーダーや有識者を迎え、いかにそれらをビジネスに実装し、価値を見出していけばよいのか、未来のビジネスのあり方について考える「MASHING UP SUMMIT 2021」を、2021年3月18日(木)・19日(金)オンラインで開催。

デジタル改革担当大臣である平井卓也氏をはじめ、『アフターデジタル』著者の藤井保文氏(ビービット 執行役員CCO)、企業SDGs評価を専門とする村上芽氏(日本総合研究所)など多彩な顔ぶれのスピーカー陣が、オンラインで2日間にわたり、SDGsやESG経営、ESG投資に関する計12セッションを展開します。

完全招待制、チケットをご希望の方は下記コンタクトフォームよりお問い合わせください。

■開催概要

  • イベント名:MASHING UP SUMMIT 2021
  • 会期:2021年3月18日(木)13:00〜20:00、2021年3月19日(金)13:00〜19:00
  • 開催方式:招待制、オンライン開催
  • 主催:MASHING UP実行委員会(株式会社メディアジーン、mash-inc. )
  • 公式サイト:https://summit.mashingup.jp/
  • お問い合わせ先:サミット公式サイト コンタクトフォーム

※招待制。一般の方のチケットご購入に関しては、公式サイトのコンタクトフォームよりご連絡ください。

平井デジタル改革担当大臣登壇決定! MASHING UP SUMMIT 2021でSDGs最新動向に出会う

2021月3月18日・19日に、国内のSDGs/ESGに関する最前線をお伝えするビジネスカンファレンス「MASHING UP SUMMIT 2021...

https://www.mashingup.jp/2021/02/229454_summit2021_announcement.html

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(聞き手・構成/野澤朋代)

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野澤朋代
フォトグラファー、翻訳者、ライター。趣味は散歩と語学学習。

    Conference:MASHING UP vol.4

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