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ワーケーションで働き方とQOLはどう変わる? 星野リゾート滞在レポート

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密な環境が生まれがちな都心を離れて、暮らしながら働きたいという需要が高まっている。ワーク(労働)とバケーション(休暇)を組み合わせた「ワーケーション」は、ニューノーマル時代の働き方を大きく変えていくのだろうか。

全国にリゾートホテルを展開する星野リゾートは複数のブランドでワーケーションプランを展開している。今回は星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳でライターが、配偶者と0歳8カ月の子どもと滞在したワーケーション体験レポートをお届けする。果たしてワーケーションとはなにか、それにより働き方や作業効率、QOL(生活の質)はどのように変わるのだろうか。

テレワークを促進するゴンドラ型ワークプレイス

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「テレワークゴンドラ」は暖房やWi-Fiなどを完備、快適に仕事に集中することができる。

ワーケーションの醍醐味は、都会の喧騒を離れたリゾート地で半日は仕事、半日はリラックスという時間の有効活用ができる点だ。さらにお得な料金で長期滞在が叶えばなおさら良い。

南アルプスを望む地に位置するリゾナーレ八ヶ岳は、イタリアの建築家マリオ・ベリーニ氏が設計したリゾートホテル。敷地内には、波の出る大型プールや温浴施設、自然の中で身体を動かせるアスレチック遊具のほか、地元の名産品を購入できるショップやレストランなどが揃う。

リゾナーレ八ヶ岳では、2020年11月より、人目を気にせず作業や会議に打ち込める「テレワークゴンドラ」の貸し出しというユニークなサービスを始めた。

2畳ほどのスペースがあるゴンドラには、長時間座っていても疲れないソファや、作業に没頭できるシンプルなデスク、暖房や換気のための機材が揃っている。当然Wi-Fiが通じているので、リモート会議やテレワークがとてもしやすい。

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テレワークゴンドラはウェブから予約できるので、仕事する気満々で向かったのに、場所がなく右往左往することになる心配がない。

自宅でリモート会議をするとなれば家族に気を使ったり、子どもの泣き声が響けば会議の相手に恐縮してしまったりする。しかし、ゴンドラの中では誰にも気を使わなくて良い。さらにゴンドラならではのコンパクトな空間では集中力があがり、原稿執筆に没頭できる。

完全なプライベート空間で、何も気にせずに仕事に集中できることが、これほど快適だったとは。生産性が上がり、半日の作業時間で一日分に近い成果が出た。仕事が立て込んでいるときには、合宿のように泊まりこむのもよさそうだ。

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自宅とは異なり、ホテルの部屋は必要最低限のものしかないスッキリとした空間なので、雑事に時間を奪われることなく、すぐに仕事に取り掛かることができる。

自粛ストレスを開放できる多彩なアクティビティ

アクティビティが揃うのも、リゾートならではの魅力だ。

リゾナーレ八ヶ岳では、近隣のスキー場でウィンタースポーツを楽しむことができる。筆者はスキーもスノーボードも苦手なのだが、ソリ遊びで十分雪に親しんだ。明るい日差しの下で童心にかえって思いっきり遊ぶと、自粛で鬱屈した気分が晴れやかになっていくのを感じる。

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家族で楽しめるアクティビティが揃い、仕事の合間のリフレッシュができる。

またリゾナーレ八ヶ岳が位置する小淵沢は、伝統ある馬の街。ホテルの周辺には数多くの乗馬クラブがあり、初心者でも楽しめる乗馬体験を提供している。馬場で乗り方の練習をしてから、森の中へ出かけた。

馬に乗ると背筋が伸び視線が上がるので、自然と気持ちが前向きになっていく。パリっと晴れた冬の空の向こうに、南アルプスの山脈を馬の背中から眺めると、自粛や仕事の疲れから解き放たれて、頭がスッキリしていくような気がした。

SDGsへの取り組み、コロナ対策。今ならではのリゾート事業の価値

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ポンプボトルで提供されるアメニティ。リゾナーレ八ヶ岳のアメニティはワインを作るときに出た副産物を使って作られている。環境に配慮された製品で特別なケアができるのが嬉しい。

リゾナーレ八ヶ岳には、もうひとつ重要な魅力がある。徹底したコロナ対策と環境への配慮だ。

コロナ禍においては自力で安全を確保しようとすると見えないストレスが蓄積されていく。その点ホテルが徹底して安全を確保してくれれば、ストレスフリーで過ごすことができる。

十分な換気や加湿器、アルコール消毒液の設置はもちろんのこと、エレベーターのボタンなど人がよく触れる場所は、抗ウイルスコーティングを実施。ビュッフェスタイルのレストランでは、ビニールカーテンやアクリル板で飛沫対策を怠らない。

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星野リゾートでは『新ノーマルビュッフェ』を開始。料理の上に飛沫がかかることを防いでいる。もちろんレストランに入るときにはアルコール消毒が、料理を取りに行くときはマスクの着用が必須。

さらに星野リゾートはSDGsに賛同し、環境への配慮も積極的に行っている。リゾナーレ八ヶ岳では、敷地内の各所にウォーターサーバーが設置されており、部屋に置かれたウォータージャグに自由に水を汲んで飲むことができる。リゾナーレブランドではペットボトルフリーへ向けて挑戦しており、そのための第一歩というわけだ。

またプラスチックごみ削減のためにシャンプーやボディソープといったアメニティはすべてポンプ式でサービス。歯ブラシもリサイクルされており、環境への負荷を減らしたリゾートライフを過ごせるようになっている。

長期滞在を可能とする料金設定でリモートワーカーを呼び込む

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リゾナーレ八ヶ岳 総支配人 北嶋文雄氏

なぜこのようなワーケーションに的を絞ったプランを発売したのか。リゾナーレ八ヶ岳 総支配人の北嶋文雄氏に聞いた。

「私たちのホテルでは、新型コロナウィルスが広がり、4月の緊急事態宣言からはいよいよ需要が低迷しました。しかし同時に、敷地内のあちこちでテレワークに勤しむお客様が目につくようになったんです。出社を減らして三密を避けながら働いている方がいる。このお客様の需要にお答えするために、よりテレワークがしやすい環境を整えることが大切だと判断。同時に祝日や週末だけでなく、平日を利用しながら、ゆっくり長く滞在していだけるような工夫をしました」

この長期滞在を可能にしたのが、安価な宿泊価格の設定だ。時期によって異なるが、リゾナーレ八ヶ岳の場合は、通常価格よりも15%から40%も割引された価格で泊まることができる。

ワークプレイスにゴンドラを使うというアイデアは、星野リゾートのブランディング会議で生まれた。

「仕事に集中できる環境はご用意したいけれど、都心部にある電話ボックスのようなスタイルではどうにも味気がない。悩んでいたところ、代表の星野がゴンドラを使ってはどうかと案を出しました。代表の星野は年間60日以上を目標にスキー場で過ごすようなスキー好き。そんな人物だからこそ思いついたのですね。社内でアイディアを出し合い、実現まで進めてまいりました。ゴンドラは実際に、星野リゾート アルツ磐梯というスキー場で使われていたものです」

仕事に集中できる場は作りたいが、リゾート地ならではの特別感は出したいという思いが生んだとっておきの場所だというわけだ。

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食事もリゾートの醍醐味だ。託児サービスを利用すれば、大人の時間を創出できる。ワインリゾートを銘打っているリゾナーレ八ヶ岳では、希少な銘柄を含むペアリングコースを頼めば、料理に合わせて数十種類の日本ワインを味わうことができる。旨味の強いイノシシ肉と華やかな赤ワインとの相性は感動的だった。

心身を解放しながら三密を避けて安心して過ごすことができるうえ、仕事も捗るワーケーション。ワクチンが開発されたとはいえ、まだしばらく続くウィズコロナの時代にあっては、自分や家族を守りながらQOLを上げる数少ない手段かもしれない。リモートで働くことが多い人には、ぜひ体験してみてほしい。

* * *

星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳
東京・新宿から特急で約2時間。JR「小淵沢駅」よりシャトルバスで約5分。
https://risonare.com/yatsugatake/

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(取材・撮影・執筆:大川祥子)

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大川祥子
フリーライター。編集プロダクション勤務を経て独立。食や教育、旅に関する執筆が多く、インタビューが大好き。お酒もスイーツも得意で、最近の関心事は和菓子。中東・中央アジアに関心があり、アラビア語を勉強し続けているが一向に上達しない。その他の趣味は、散歩、小説、アウトドア。

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