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インタビュー/働くあなたに伝えたいこと

私の言葉でお客様を安心させ、会社のファンになってほしい/ネスレ日本 嘉納未來さん

ネスレ日本 嘉納未來氏

「目の前にいる相手に、自分の言葉で伝えたい」「安心と喜びを届けたい」──仕事をするようになって、その思いは一貫しているというネスレ日本株式会社の嘉納未來氏。雇用形態にとらわれず、やりたい仕事で経験を積むために派遣スタッフとして飛び込んだことから、現在のキャリアがスタート。与えられたチャンスに懸命に取り組みながら、今日までコツコツと積み上げてきた。その真摯な姿勢を貫く背景や、仕事の醍醐味などを伺った。

嘉納未來(かのう・みき)
ネスレ日本株式会社 執行役員 コーポレートアフェアーズ統括部長。2001年ネスレ日本入社。2005年スイス本社の消費者対応部門のプロジェクトに参加、帰国後、2006年お客様相談室長、2008年メディアリレーションズ室長、2015年7月エクスターナルリレーションズ部長。2017年8月より現職。社内外の広報を統括し、行政、地域コミュニティNPO、メディア、社員など社内外のステークホルダーとの関係構築に取り組んでいる。

雇用形態より職種を重視し、派遣スタッフとしてお客様相談室へ

大学受験のころ、東西ドイツを隔てていたベルリンの壁の崩壊を伝える報道番組を見ながら、社会の動きを「わかりやすく伝える」ということに興味を持ちました。大学では放送部に所属し、「自分の言葉で伝える」大切さをより意識するようになり、わかりやすく伝え、それによって安心してもらったり喜んでもらったりすることが、自分の喜びだと感じました。

お客様と1対1でやり取りしたいと思い、大学卒業後は損害保険会社の事故受付の業務に携わりました。ところが、「もっとお客様の生活に寄り添いたい」と思うようになったのです。

当時、お客様対応を先進的に進めている企業への転職は、経験者でないと難しく、正社員はあきらめて、派遣スタッフとしてネスレ日本のお客様相談室のコミュニケーター職に就きました。

勤めてからしばらくして、会社でネスカフェのファン向けプログラムのコールセンターを立ち上げることになり、正社員としてジョイン。私にお声がかかった理由は、「声が大きかったから」だと思っています(笑)。

お客様と対話していると一生懸命になってしまって、フロア中に私の声が聞こえていたようなのです。「お客様からお申し出を受けているようだ」「うまく対応できた」などが筒抜けで、それが部長の目に留まったのではないかと思います。

Zoom取材:嘉納様

取材に応じてくれた嘉納氏の、聞き手を安心させる声のトーンが印象的だった。

Zoom取材

お客様ごとにストーリーがある。小さな失敗は数えきれないほど

ネスカフェへのロイヤリティを高めるためのコールセンターは、「お客様の生活に役立ちたい」という思いと、食への興味があった私にはぴったりでした。お客様には、それぞれに個別のストーリーがあります。例えば、「大切な方へのプレゼントだったのに、不具合や配送時トラブルがあり、一連の購入体験が台無しになってしまった」といった場合、その商品はお金で買える以上の価値を持っていたことになります。その分、対応には楽しさと難しさがありました。

お客様のお話をしっかり聞かずに対応したことで怒らせてしまったり、良かれと思って何度もお電話をしたことで逆にご迷惑をかけてしまったり……。ご連絡をしすぎた件は大きなお申立てになり、上司に対応してもらうまでに発展しました。

お客様からの声を受けるコミュニケーターは、さまざまなケースがあるので難しいですが、同時に楽しくもあります。

最初は怒っていたお客様が、お話を聞いていくうちに落ち着かれて、ほっとしたような様子になることも。「私が関わったこの電話で、お客様をほっとさせることができたかな」「会社のことを少しでも好きになってくれたかな」と感じると、とても嬉しいんです。最後に「これからもネスカフェを飲みます」と言ってくださるお客様もいらして、そんな時は本当に喜びを感じます。

今は、ネスレをもっと好きになってもらうのが使命

2005年スイス本社時代

2005年スイス本社時代

私のキャリアは、女性活躍が叫ばれる時期と重なったこともあり、私の実力が未熟なうちから会社に新しいチャレンジの場を与えてもらいました。「女性だから下駄を履かされている」と思われる怖さはありましたが、人より何倍も一生懸命やるしかありません。

スイス本社のプロジェクトに関わらせてもらったり、広報部門のリーダーになったりと、たくさんの後押しをしてもらい、視野が大きく広がっていきました。

スイスでは、お客様の声を経営に生かすための戦略を学びました。現場にいた頃は、スイス本社から方針を与えられる側でしたが、逆の立場になり、両方の考えや気持ちを経験しました。また、広報では、お客様対応のように1対1ではなく、メディアの後ろに何万人もの人がいらっしゃるという影響力や、難しさも実感しました。

現在は、会社の最優先課題のプラスチックごみ問題など「サステナビリティ」に関する活動やコミュニケーションに取り組んでいます。取り組みを通じて、社会の課題解決に少しでも貢献したいとともに、ネスレのことをもっと知ってもらい、もっと好きになってもらいたいと思っています。

今回、自分のキャリアを振り返ってみて、改めて痛感したことが……。以前はお客様に1対1で対応していましたが、今は現場からは離れており、そのために原点を忘れがちになると反省しました。

お客様一人ひとりに大切なストーリーがあるように、一緒に働いているチームメンバーにもストーリーがある。メンバーの背景に想像力を働かせることを怠り、甘えていたのではないかと思います。もっとチームのメンバーの思いを大切にしながら、同じ目的に進んでいきたい。改めて、今のチームでよかったと、感謝の気持ちでいっぱいです。

これからもチームメンバーと一緒に、「広報」という役割を通じて、選ばれ、信頼できる会社を目指しながら、彼らには仕事を通じて得意なことを見つけてほしい。それを整えるのが、私の役割だと思っています。私の力はまだまだですが、目標を高く掲げて取り組んでいきます。

写真/本人提供

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栃尾江美
外資系IT企業にエンジニアとして勤めた後、ハワイへ短期留学し、その後ライターへ。雑誌や書籍、Webサイトを問わず、ビジネス、デジタル、子育て、コラムなどを執筆。現在は「女性と仕事」「働き方」などのジャンルに力を入れている。個人サイトはhttp://emitochio.net

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