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MASHING UP SUMMIT 2021

SDGsはこれからの企業や社会をドライブさせる/MASHING UP SUMMIT 2021

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MASHING UPでは、SDGsとビジネスの最新動向を知るビジネスカンファレンス「MASHING UP SUMMIT2021」を開催(3月18・19日)。国内でSDGsやESG経営の第一線で活躍するリーダーや有識者を迎え、いかにそれらをビジネスに実装し、価値を見出していけばよいのかをディスカッションする場を設けた。初の完全オンラインで行った全12セッションを、MASHING UP編集長の遠藤祐子が振り返る。

これまでどおりの経済成長を見込むことが難しい今、どの企業においても求められているのが「イノベーション」であろう。0から1を、新しい価値を生み出そうとするならば、当然、未来の社会に商品やサービスの照準をあわせる必要がある。

ならば、この不確実性の時代に未来を見通す道標となるのが、SDGsだと考えてみてはどうだろうか。そう考えて、今回のMASHING UP SUMMITのテーマを、Breakthrough Innovation for the SDGs にした。

ビジネスとSDGs/ESGと日本企業

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[SDGsと世界。北米、ヨーロッパ、アジア、アフリカ]セッション風景。

2日間のイベントの幕開けとなった[SDGsと世界。北米、ヨーロッパ、アジア、アフリカ]のセッションでは、OECD(経済協力開発機構)村上由美子氏により、先進国ではもはや、ESGという概念がメインストリームを成すものであるということが語られた。

また、ブランドの考え方そのものが本質的にエシカルかどうか、ということが問われているという議論もあり、「これまで消費者や広告と商品そのものでしか、ブランドを知ることはなかったが、現在の消費者はブランド自体の"ふるまい"が本質的かどうか」までをも注視しているというHenge 廣田周作氏の言葉が印象に残った。グローバルなトレンドやムードを、経済動向とマーケティングの視点から俯瞰的に眺められ、視点を上げて考えること、データでの比較で客観的に立ち位置を考えることができた。

[ESG投資の今とこれから。ビジネスはどう変わる?]セッションに登壇した九州大学の馬奈木俊介氏によると、ESGは日本企業に可能性と希望を与えるものである。今、目の前の課題を解決しようということ自体がESG的アクションであり、この分野(社会課題解決的な分野)が大きく事業として成長すると捉えられる感覚を養うことも大切だ、とも(ニューラル 夫馬賢治氏)。

[循環型社会とプラネタリーグッドなアクション]セッションでは、「ソーシャルグッド」にとどまらず、地球(生物、資源、生態系、環境)にも、人間社会(生活、事業、文化)にも良いことを両立させる視点が紹介され(Planetary 菊地紳氏)、すでに事業の根幹に環境やエネルギーの課題を据えた二社の代表が、そのビジネスのアウトラインを語った。両社と消費者とのコミュニケーションには、クリエイティビティや遊び心も発揮されている点も興味深い。

それぞれのセッションを通じて、企業にとってSDGs/ESGが喫緊の課題であり、取り組むべき価値を見出していることが伝わってきた。

若い世代の声を聞けば、今の課題がよくわかる

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[未来年表:分岐点は今。2030年の日本社会を考える]セッションに登壇したユーグレナCFO川﨑レナ氏。

また、複数のセッションで若い世代の声がくっきりと際立った。どのスピーカーも彼らに真摯に耳を傾け、世代間ギャップを超え、深いディスカッションが生まれた点も今年らしかったと思う。

[未来年表:分岐点は今。2030年の日本社会を考える]セッションの中で、15歳という年齢でユーグレナのCFO(最高未来責任者)に就任した川崎レナ氏は、システムの中にサステナビリティ意識を入れていくべきであるとはっきりと伝えた。

そして、[企業とSDGsの現在地。課題とビジネスのこれから]セッションでは、NO YOUTH NO JAPANの能條 桃子氏が「SDGsを知るにつれて、経済と環境、経済と人権は対立する問題ではなく、発展の中に組み込んでいくべき要素だという考えが深まった」と話している。

「ダイバーシティ」はアップデートされている

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[次世代はどう見る?SDGsへの違和感とその背景にある価値観]セッションの様子。

[次世代はどう見る?SDGsへの違和感とその背景にある価値観]セッションは、若い世代の声や感覚がビビッドに伝わる内容だった。登壇したのは、エール 篠田真貴子氏と、NEUT Magazineの平山潤氏、そして、フォトグラファーで編集者の中里虎鉄氏。

世代が異なるスピーカーの本音が語られたこのセッションでは、世代間のギャップ、温度差を確認することができた。しかし、そのギャップは社会について知ること、他者と自らの違いを知り、受け入ようとすることで埋められるものであるということが、登壇者の真摯な言葉のひとつひとつから感じられ、ダイバーシティの主流化にとって本質的に大切なことを伝えていたと思う。

[社会において選択肢を増やすことの意味]、[つなぐをキーワードに。 「パートナーシップ制度」導入で目指す、働きやすいチーム作り]の両セッションでは、MASHING UPカンファレンスをはじめた数年前に比べ、企業の中でのダイバーシティに関する課題意識がずいぶんアップデートされてきていることが感じられ、嬉しかった。

解決されるべき課題が多く残っていることも事実だが、願わくば、こういった取り組みが多くのコミュニティ、組織、企業で広がっていってほしいと思う。当事者が抱える困難やその背景、感覚といったものが語られる場は、いっそう必要とされており、企業や組織が果たすべき役割や社会に与えるインパクトは決して小さくはない。

我々は、いかにしてSDGsをビジネスのなかに取り込んでいくことができるだろうか。

このカンファレンスが、私たちがよい未来と新しいビジネスについて考えるきっかけとなることを願っている。

このトピックとかかわりのあるSDGsゴールは?

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文・遠藤祐子(MASHING UP編集長)/撮影・中山実華

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MASHING UP編集部
MASHING UP=インクルーシブな未来を拓く、メディア&コミュニティ。イベントやメディアを通じ、性別、業種、世代、国籍を超え多彩な人々と対話を深め、これからの社会や組織のかたち、未来のビジネスを考えていきます。

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