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MASHING UP SUMMIT 2021

なぜ生活者と企業のアクションが必要? 脱炭素化とグリーン・リカバリーの実現に向け#GoToGREENが示す未来図

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小西雅子氏

コロナ禍からの経済復興策として今、世界中で広がりを見せている「グリーン・リカバリー」だが、日本での知名度はまだ低い。なぜこの復興策はグローバルで注目を集めているのか、そして日本でも同様にグリーン・リカバリーを目指すライフスタイルにシフトするために、私たちはどう行動すればよいのか。WWFジャパンが推進する『#GoToGREEN プロジェクトから考えたい。

7割が環境を配慮したアクションに意欲的

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WWFジャパン コミュニケーション&マーケティング室の渡邉ゆみ氏が、「アクションを起こすこと、発信することが大切。黙っていることは、何もしないことと同じ」と、力強く語った。

2021年3月に開催されたMASHING UP SUMMIT2021にて、WWFジャパン コミュニケーション&マーケティング室の渡邉ゆみ氏が、#GoToGREEN プロジェクトに関するプレゼンテーションをおこなった。WWFジャパンの調査によると、グリーン・リカバリーという言葉を知っている人は日本では20%未満と低い。一方で70.2%の人が「環境に配慮した持続可能な暮らしを心がけたいと思うが、何をどこまで実践すればいいかわからない」と感じているという。

この数字は裏を返せば、より多くの人が具体的な知識を得ることで、新たな未来の創造につながる復興の追い風になることを示唆している。そこで立ち上げられたのが、環境に関する課題や取り組みを知り、グリーン・リカバリー達成につながるアクションを促進するための#GoToGREEN プロジェクトだ。

渡邉氏は、「気候危機は遠くで起こっていることではありません。今行動を起こすことで未来を変えられます」とし、そのためには個人の消費、そして企業の活動における当たり前を見直すこと、さらに行動し、発信することが大切だと語った。

さらに今回、一人ひとりがすぐに実践できるアクションは何か、WWFジャパン 環境・エネルギー専門ディレクターの小西雅子氏に話を聞いた。

社会の脱炭素化がグリーン・リカバリー達成のカギ

小西雅子氏

「コロナ禍からの復興は、持続可能な社会への転換を社会に組み込むチャンス」と、小西氏。

小西氏によると、世界的な経済危機をもたらしたコロナ禍に対し、各国政府はこれまでにない規模の資金を投入しているという。イギリスの独立研究機関(VIVID ECONOMICS)の調査では、主要国の経済刺激策に投じられる資金の総額は、11.4兆ドル。そのうちの3.5兆ドルが、環境を重視したグリーン・リカバリー施策として評価されている。

このグリーン・リカバリー達成のカギとなるのが「脱炭素化社会」だ。私たちが今のままの生活を続けていけば、今世紀の終わりには地球の平均気温は約4度上昇することが予測されている。そうすると、猛暑や洪水などの異常気象が頻発化し、生物多様性が失われることが考えられる。また海面上昇が深刻化し、さらには海洋循環が弱められれば、氷期に向かうといった可能性もあるのだという。これらを食い止めるためには、今、アクションを始める必要があるが、日本は他国から遅れを取っている状況だ。

「2050年までに温室効果ガス排出量をゼロにするという『2050年実質ゼロ(温室効果ガスの排出量と森林などによる吸収量を一致させること)』の目標に向けて世界各国が取り組む中、ようやく日本も2020年10月に同じ「2050年実質ゼロ」目標を宣言しました。コロナ禍は、これまでの社会構造にメスを入れ、持続可能な社会に向けて日本社会が大きく転換するためのチャンスだといえます」(小西氏)

コロナの危機をブレイクスルーにつなげる

GtG

#GoToGREEN プロジェクト

コロナでは経済が停滞したが、海外ではこれがグリーンリカバリー達成にむけたブレイクスルーとなり、脱炭素化を大きく進めた事例も多い、と小西氏。

「たとえばフランス政府は航空会社に対し、コロナ禍による経済支援の条件として国内近距離便の減便を提示しました。これは、鉄道が使える距離ならば、二酸化炭素の排出量を大幅に減らせる鉄道を選ぼう、というグリーン・リカバリーの考え方

ヨーロッパでは『飛び恥(フライトシェイム)』という言葉が、環境意識が高い若年層を中心に定着しつつあり、飛行機という二酸化炭素排出量の多い乗り物を選ぶ人は、環境への配慮が足りない、だから鉄道など他の移動手段を使おう、という意味で使われています」(小西氏)

ヨーロッパの中には、再生可能エネルギーがエネルギー全体の80%近くを占める国もある一方で、日本はまだ20%程度。今こそ、日本が遅れを挽回するタイミングと捉え、脱炭素化へ大きく舵を切りたいところだ。

小西雅子氏

再生可能エネルギーを選択すると、社会が変わる

このタイミングをサステナブルな社会実現のための大きな一歩にするために、小西氏は、私たちが今すぐできるアクションについて語った。

「もっとも身近なところとして、各家庭の電力を再生可能エネルギー100%の電力に変えること。国民の多くが再生可能エネルギーを選ぶようになると、二酸化炭素排出量の削減になるだけでなく、発電事業者に再生可能エネルギー電力を増やそう、というインセンティブを与えることになり、事業の転換を促すことになります。

そして、発電事業者が政府に再生可能エネルギー支援策の要請を出すと、それが環境に配慮した国策に反映されるようにもなります。そうして民意が政治を動かし、社会が脱炭素社会へと切り替わっていくのです。消費者が社会を変えるインパクトのある行動を選択していくことが重要です」(小西氏)

社会を変えていく主語は、国や行政ではない。消費者が社会を変えるアクションを続けることで、脱炭素化を実現できる社会の仕組みを作っていくことができるのだ。また、事業者としてできることとして、事業活動におけるカーボンフットプリントを見直すことも挙げられた。

「具体的には、原材料の調達方法、製造過程や廃棄過程においてどのようにエネルギーが消費されているか、自らの事業活動およびサプライチェーンを見直すことです。製造業だけでなく、すべての企業活動に二酸化炭素の排出は伴います。そしてそれは、企業の持続可能性を高めることにもつながります」(小西氏)

脱炭素は経済戦略そのもの

事業のコアに脱炭素化のアクションを組み込む動きは、すでに世界経済の中枢となっており、この流れに沿わない企業は、今後は存続も危ぶまれるというところまで世界の動きはきています、と小西氏。

「既に投資家の中では、二酸化炭素排出量の大きい事業から投資を取りやめるダイベストメント(インベストメントの逆:資金を引き上げる)の動きも始まっています。グローバル企業では特に顕著で、今後脱炭素化に沿わない企業はサプライチェーンから外されていくでしょう」(小西氏)

SDGsのゴール達成のすべてのベースとなるのは、地球環境。まずは進行する気候変動に歯止めをかけなければ、地球上の全ての活動が立ち行かなくなってしまう。#GoToGREEN プロジェクトは、私たちがこれまでの当たり前を見直し、このコロナ禍をよりよい未来へ変えていくための大きなきっかけなのだ。

WWFジャパンの#GoToGREEN プロジェクトサイトには、本記事で挙げたアクション以外にも、フードロスを減らすことをはじめ、日常の食生活を見直すことなど今日から実践できるアイデアが多く紹介されている。WWFが目指すのは、「人と自然が調和した未来」。この目指すゴールに向かって、ぜひ一人ひとりが消費者として、また事業者として、できることをはじめたい。

地球温暖化を解決したい

小西 雅子(こにし・まさこ)
公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)博士(公共政策学・法政大)。米ハーバード大修士課程修了。気象予報士。昭和女子大学特命教授兼務。中部日本放送アナウンサーなどを経て、2005年に国際NGOのWWFジャパンへ。専門は国連における気候変動国際交渉及び環境・エネルギー政策。2002年国際気象フェスティバル「気象キャスターグランプリ」受賞。東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会持続可能性委員会委員、環境省中央環境審議会委員なども務めている。最新著書「地球温暖化を解決したい ~エネルギーをどう選ぶ?(岩波書店2021)」では、中学生にもわかりやすく温暖化とエネルギーの最新情報を伝えている。https://www.iwanami.co.jp/book/b555296.html


撮影/中山実華、取材・文/島田ゆかり

#GoToGREEN プロジェクト

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