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信頼される組織とされない組織は、なにが違う? 女性、社会問題解決がカギに

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コロナによって浮き彫りになった、政府や企業への信頼性。感染対策をする上で、組織の判断は私たちの安全を左右するため、信頼できるかどうかは大切な観点だ。

エデルマン・ジャパン株式会社は、そんな組織への信頼度を調査した「エデルマン・トラストバロメーター」の結果を発表した。21年目にあたる今回の調査では、コロナ禍における組織への信頼に焦点をあて、28か国にオンライン調査を行った。

調査結果の発表後にはパネルディスカッションが行われ、OECD東京センター所長の村上由美子氏をはじめとする有識者が、コロナによって露わになった日本の組織の問題点、メディアに対する信用の変化について議論した。

国民の共感が信頼につながる

「エデルマン・トラストバロメーター」によると、コロナの蔓延によって、世界ではトラストバブルという現象が見られたという。トラストバブルとは、コロナの感染が拡大した直後に政府やメディア、企業などへの信頼度が一時的に上がる現象だ。しかし、組織への信頼度を見てみると、日本ではトラストバブルが起きず、信頼度が変化していなかった。さらに注目すべきは、コロナ禍前に実施された昨年の調査結果で上昇傾向にあった、日本人の政府、 企業、メディア、NGO/NPO に対する信頼度が、全体として低下に転じたことだ。特に政府への信頼度は、36%と不信ゾーンであることがわかった。

『ダイヤモンド・オンライン』、『週刊ダイヤモンド』の編集長である山口圭介氏は、そんな日本の低い信頼度について、「政府が場当たり的な対応をした印象を与えてしまったことが、原因」と説明。また世間を騒がせた政治家の行動も信頼度が低い理由だと、見解を述べた。

では、国の舵をきる政府の信頼度を上げるためには、どのような変化が必要だろうか。静岡大学大学院防災総合センター特任准教授の小杉素子氏は「共感力が大事」だという。「国民の価値観が日本政府と一致しなければ、信頼を寄せることは難しい。そのため政府の価値観と方針を共有し、共感を集める必要がある」と語った。

また、OECD東京センター所長の村上氏が重要だと述べたのが「国の姿を政府組織に反映させること」。OECDの調査では、女性のリーダーが多い組織への信頼度は高い水準にあったという結果が見られたという。そのため日本政府にも、女性のリーダーを積極的に登用し、国民の意見を反映しやすい体制を早急に作るべきだと話した。

CSRを超えて社会問題に取り組む企業が信頼を高める

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信頼度調査では、グローバルの視点でジャパンブランドへの信頼が、昨年から低下していることがわかった。新興国からの水準は高いものの、先進国からの信頼度が低水準であるという。

これに対し、村上氏は「日本企業は、社会問題をCSRの領域を超えて捉えるべき」と語る。SDGsが掲げられ、世界規模で社会問題の解決に向かうなか、日本企業の多くは、いまだCSRの粋を超えて社会問題に取り組んでいない。日本企業が社会問題解決を事業の核として、成長の一要素にすることが、グローバルで存在感を示すために必要なことだという。

また山口氏は「組織の世代交代を進め、デジタルを早急に取り入れる必要がある」と話す。忖度なく新しいアイデアを採用し、業務の効率化を図ることが日本企業の成長のカギになると語った。

インフォデミックに惑わされない情報リテラシー

コロナがいまだ蔓延している現状では、組織だけでなく、個人で行動の選択をすることが必要となる。そこで重要になるのが、情報だ。しかし「エデルマン・トラストバロメーター」で明らかになったのは、日本国民がメディアを信用していないという調査結果。ソーシャルメディア、オウンドメディアなどの情報源に対する信頼度は、過去最低を記録した。

アジア・パシフィック・イニシアティブ客員研究員のジョナサン・ソーブル氏は「インターネットの普及によって、情報の精査が行われなくなったことが理由の一つだ」と語る。情報を誰もが発信できる環境になったことで、新聞や雑誌の必要な情報を取捨選択する従来の役割が意味をもたなくなっているという。

多くの情報が錯綜する「インフォデミック」が起きている現代では、個人が情報リテラシーをもち、それぞれが情報を吟味することが求められる。実際「エデルマン・トラストバロメーター」の結果の中で「情報リテラシーを高めることが重要」と答えた人が前年に比べ、42ポイント上昇した。国民の情報に対する姿勢が変わり始めている。

リテラシーを高める方法として、静岡大学の小杉氏は「情報の集め方、真偽を確かめるにはどうすればいいのかを学ぶことが大切。媒体や情報発信者の偏りがないか、情報源はどこかなどメディアの特徴を知ることも効果的だ」と語った。

民衆が組織やメディアに信頼を寄せられなくなっている今、政府や企業は変革が求められている。しかし、日々感染を広げるコロナに立ち向かうためには、それを待っていては対策が追いつかない。まずはひとりひとりがリテラシーを高め、行動を選択する必要がありそうだ。

2021 エデルマン・トラストバロメーター ]Image via Gettyimages

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MASHING UP編集部
MASHING UP=インクルーシブな未来を拓く、メディア&コミュニティ。イベントやメディアを通じ、性別、業種、世代、国籍を超え多彩な人々と対話を深め、これからの社会や組織のかたち、未来のビジネスを考えていきます。

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