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五感を魅了する体験と環境への配慮。メズム東京でみた「持続可能なラグジュアリーのかたち」

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ホテルのようなホスピタリティ業界でも、SDGsへのアプローチが注目されている。旅行の価値や、求められるニーズが大きく変容した昨今、業界を牽引するホテルたちは、どのように持続可能性にコミットしているのか。

2020年4月、東京都港区・竹芝にオープンし、開業から一周年を迎えた「メズム東京、オートグラフ コレクション(mesm Tokyo, Autograph Collection)」(以下、「メズム東京」)の取り組みから、これからの時代に求められる持続可能なラグジュアリーとは何かを考えたい。

環境への配慮は、今やホテルの常識

アメニティ

ボトルは薬瓶に使われるものと同じ素材のガラス製。ラバーコーティングすることで、浴室で使用する際の安全性もクリア。

ラグジュアリーとは、単に物質的な豊かさを指すのではない。近年さまざまな業界で価値観がシフトしているが、これは、ホテル業界においても同様。よりサステナブルであることが、ラグジュアリーであることの一つの条件であるという風潮は加速している。

例えば、客室のアメニティについて脱プラスチックを進める流れや、食料廃棄を極力出さない仕組みを導入するなど、国内外の多くのホテルで環境へ配慮した事例が増えている。企業のCSRとしての取り組みに加え、よりサステナビリティを求める消費者のニーズも拡大しているのが理由だ。

メズム東京も、このような理由から、数々のサステナブルなサービスを提供している。ハンドソープ、シャンプーやコンディショナーは、メンズスキンケアブランド「BULKHOMME(バルクオム)」が、メズム東京のために手掛けた。従来のような個包装ではなく、詰め替え用のボトルで提供することで、プラスチックゴミの量の削減に貢献している。また、香りも性別を問わず受け入れられるジェンダーレスブレンドである点も、今らしい。

また、客室の冷蔵庫内のドリンクは全て、サステナブル・パッケージのひとつとして近年再度注目されているリターナブル瓶での提供を実施。そのほか室内スリッパは使い捨て以外にも雪駄を導入することで、ゴミの削減に貢献している。デザインも優れたラバー製の雪駄は、ゲストの約半数が使用するのだという。

さらにバスタオルは、岐阜県の浅野撚糸が手掛ける吸水性・速乾性の高い特殊な「スーパーzero®」を使用することで、一般的なラグジュアリーホテルのタオルの約3分の2の大きさに収めることに成功。その他にも、薄く軽い、着心地のいいニット素材でできたバスローブ兼パジャマを、大正6年から続く老舗企業・近藤紡績と開発。クリーニングに費やされる水やエネルギーの削減につなげた

そして紙資源を削減すべく、館内案内や宿泊約款などのインフォメーション、インルームダイニング、新聞や雑誌、ドアノブのサイン、客室内の空調・照明コントローラーは全て一台のタブレットにその機能を持たせることで、可能な限りペーパーレス化を図った。このように、随所でこれまでのホテルにおける当たり前を見直し、メズム東京ならではの、ラグジュアリーの価値を創出している

多様なジェンダーに配慮した、インクルーシブデザインの制服

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東京の「今」と共鳴するというホテルコンセプト“TOKYO WAVES”を反映し、ホテルクルーのユニフォームはヨウジヤマモト社のY's BANG ON!が手掛けた。

またメズム東京では、ジェンダーにも配慮し、従業員が働きやすい環境の向上にも努めている

一般的なホテルでは、フロント、レストラン、ベル、ドアなど役割ごとに異なる制服を採用しており、男女でもデザインが異なる。しかし同ホテルでは宿泊部門・料飲部門の垣根のないワンチームでの接客サービス「スターサービス」を導入しており、セクションに関係なく全員が同じデザインの制服を着用する。

ヨウジヤマモト社のY's BANG ON!がデザイン・作成したユニフォームは、快適さと機能性を考慮しデザインされており、性別や年齢、体型に関係なく着用できるため、従業員からも好評だそうだ。

一連の取り組みに関して、セールス&マーケティング部 ジェーキンス沙織氏は、「メズム東京と志を同じくするさまざまな企業と、コンセプトの段階から議論を重ね、多様なコラボレーションを実現しました。日本には長い歴史や高い技術をもつ素晴らしい企業が多くある。そういったブランドの価値を、当ホテルを通じてグローバルに発信できれば」と、語った。

五感を呼び起こす空間で暮らすようにステイ

客室からの眺望

ベイエリアと浜離宮恩賜庭園の緑、そして東京スカイツリーをはじめとした、東京の絶景を一望できるバルコニー。都会の喧騒を忘れ、リフレッシュできる。

メズムの由来は、魔法をかけるように魅了するという意味の、MESMERIZE(メズマライズ)

ホテルコンセプト“TOKYO WAVES”を基に、東京の今と伝統を融合させ、訪れるゲストの五感を魅了する仕掛けが、あちこちにちりばめられている。滞在を通して新たな発見に出会い、学びや刺激が得られる点も、今のホテルに求められる要素の一つではないだろうか

例えばこれまでのホテルにはない、各部屋に置かれたデジタルピアノ。これは、同ホテルの総支配人・生沼久氏が幼少期から音楽に親しんだことから、ゲストにも「日常の中でもっと音楽に触れて欲しい」というメッセージが込められている。実際、滞在中にピアノに触れたことがきっかけで新たな趣味が増えたという人や、忘れていた想いを呼び起こすトリガーになった、というゲストも少なくないという。

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(左上から時計周りに)自分で点てるための抹茶キット/恵比寿のスペシャルティコーヒー専門店・猿田彦珈琲のオリジナルブレンドを淹れられるハンドドリップコーヒーセット/CASIOのデジタルピアノ「プリヴィア」/客室(chapter3 Suite)の様子

音楽に対するこだわりは他にも。館内で流れる音楽は、多くのラグジュアリーホテルがゲスト同士の会話を邪魔しない程度のボリュームに留めている中、BGMでなく“FGM(フォアグランドミュージック)”として、音質やセレクトにまでこだわった魅力ある音楽を体験できる。

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メインダイニングのコンセプトは「劇場」。前菜からデザートまで、それぞれチャプター(章)に見立てて構成されている。2021年春のディナープログラム「Flower Language ー花言葉ー」では、旬の春野菜をふんだんに使用した料理がサーブされ、オプションでワインのペアリングも楽しめる。

食に関しても、随所にメズム東京のこだわりが感じられる。

ビストロ(大衆料理)とガストロノミー(美食)のハイブリッド、「ビストロノミー」スタイルのメインダイニング「シェフズ ・シアター」では、ライブ感あふれるオープンキッチンで調理される本格的なフレンチを楽しむことができる。

また、同じフロアのバー&ラウンジ「ウィスク」で提供されるのは、フルーツや野菜などをふんだんに使って作られる、著名な絵画をモチーフにしたミクソロジーカクテル。キースヘリングやモネ、ボッティチェリといった芸術家の作品にインスパイアされたオリジナリティ溢れるカクテルは、刺激と遊び心に満ち溢れており、どれも五感が魅了されるものだ。

さらに、無料で楽しめるライブイベント「ショーケース」では、日替わりで東京を拠点に活動するアーティストたちによる音楽やアートのパフォーマンスが見られ、多様なスタイルの音楽の生演奏だけでなく、歌舞伎や書道、ジャグリングなどさまざまなジャンルのアーティストたちの表現の場となっている

自由にスケジュール設計できるフレキシブルな宿泊プラン

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ゆったりした広さのバルコニーからは、日本庭園の緑とベイエリアを臨め、リラックスして作業に集中することができる。

昨今は、ホテルの新しい過ごし方として、ワーケーションも定着してきた。ここメズム東京でも、多様なライフスタイルに合わせて、朝6時から深夜24時の間の好きな時間にチェックインし、そこから一泊できるプラン「ソロ活応援!おこもり24時間確約ステイ」(2021年7月31日チェックイン日まで)を販売中。

チェックイン時間の制約がないため、仕事量やスケジュールによって滞在時間を決められる。ゲストのニーズに合わせたプランも、ラグジュアリーホテルだからこそできる価値提供の一つだろう。

自由に旅行に行くこともままならない今、社会がホスピタリティ業界に求める価値は変化し、よりユニークでオリジナルな体験が求められている。さまざまなアプローチで訪れる人を魅了するメズム東京での滞在を通して、ホテルとゲストの新たなコミュニケーション、そしてそこから生まれる新たな価値を感じた。

メズム東京、オートグラフ コレクション
東京都港区海岸1丁目10-30
JR山手線・京浜東北線、モノレール「浜松町」駅 北口より徒歩6分
新交通ゆりかもめ「竹芝」駅より徒歩3分
都営大江戸線・浅草線「大門」駅 B1/B2出口より徒歩7分
https://www.mesm.jp/

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MASHING UP編集部
MASHING UP=インクルーシブな未来を拓く、メディア&コミュニティ。イベントやメディアを通じ、性別、業種、世代、国籍を超え多彩な人々と対話を深め、これからの社会や組織のかたち、未来のビジネスを考えていきます。

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