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- 日々の持ちものをエシカルに。貝印、ロート、TRIWA、FUMIKODAが考えるウェルビーイングとは
SDGsの広がりに伴い、企業だけでなく消費者も環境に配慮した商品を選ぶよう変化し始めている。そんな中、スタートアップ企業や大手企業で生まれた新しい商品やサービスを体験・購入できる「体験型ストア b8ta(ベータ)」は、SDGsの取り組みを推進する7ブランドとの合同イベントを展開。併せて、5月20日(木)にはMASHING UPとコラボし、2つのトークセッションをオンラインで開催した。
商品の本当の価値とは? 変わり始める消費者の選択
(左から)アイ・ネクストジーイー株式会社 TRIWAの広報 水野谷 千鶴氏、株式会社FUMIKODA CEO/クリエイティブディレクター 幸田 フミ氏、遠藤祐子MASHING UP編集長。
「エシカルに装い、心地よく暮らす。みんなと私にいいおしゃれ」と題したセッションには、エシカルブランドとして心地よさに追求した商品を販売する株式会社FUMIKODA CEO/クリエイティブディレクター 幸田 フミ氏、北欧スウェーデンで生まれた腕時計ブランド アイ・ネクストジーイー株式会社 TRIWA(トリワ)の広報 水野谷 千鶴氏が登壇。MASHING UPの遠藤編集長 をモデレーターに、消費者の意識の変化、モノ作りへの想いについてのトークを展開した。
水野谷氏が語ったのは、消費者のエシカルな意識の高まり。違法銃器を溶かして作る「Time for Peace」などのエシカルなアイテムの販売に向けたクラウドファンディングを行った際に、予想を上回る支援金が集まったことに驚いたという。
「TRIWAとしてもクラウドファンディングは初めての取り組みでしたが、思った以上の支援金をいただいて『こんなにも価値主導製品を求めている方がいるんだ』という気づきがありました。これまでTRIWAはファッションアイテムとして販売をしてきたけれど、価値を追求する製品としてシフトしていこうという考えに変わりました」(水野谷氏)
ヴィーガンレザーを使ったバッグなど、素材にこだわって商品を開発してきた幸田氏も、消費者の価値観が変化していると話す。
「私たちのバッグは、以前は『エシカル』というキーワードで検索されたことがなかったのですが、最近ではヴィーガンレザー、アニマルフリーバッグといったワードで探される方が増えているという実感があります。ただ持ち歩くだけではなくて『これを持っていると自信がもてる』という声をいただくようになっています」(幸田氏)
エシカルな消費にシフトする中で、二人が語ったのが「作り手が感じた社会の問題も伝えていきたい」ということ。「自分たちが作りたいものを作るというだけでなく、モノ作りを行う上で知った、社会の歪みや苦しみを伝えるアクションも大事だと思っています」(幸田氏)。
日々手にとるものがどういった素材で、どのように作られるのかを知ることで、より心地よい選択ができる、ということに気づかされた興味深いセッションとなった。
商品を通してウェルビーイングを実現する
(左から)貝印株式会社 マーケティング本部 広報宣伝部 次長で紙カミソリ™担当 齊藤 淳一氏とロート製薬株式会社 SKIO(スキオ)プレステージスキンケア事業部 マーケティングマネージャー 石井 雪氏。
続いて、「これからのウェルビーイングの作り方」と題したセッションでは、生産性だけでなく、幸福感や健康の重要性が高まっている現代、ブランドはどのような価値を提供すべきか、というテーマでディスカッションが行われた。
登壇したのは、ロート製薬株式会社 SKIO(スキオ)プレステージスキンケア事業部 マーケティングマネージャー 石井 雪氏と貝印株式会社 マーケティング本部 広報宣伝部 次長で 紙カミソリ™担当 齊藤 淳一氏。
ロート製薬株式会社が昨年販売したSKIOは「現代の女性は忙しく、ウェルビーイングな状態にない方も多くいらっしゃることを課題と考えています。そんな課題に対して、SKIOでは、『無理なく、無駄なく、美しく』という信念でお肌から生活のお役に立ちたいと思っています。商品を選ぶ時から捨てるまで、その信念を実感いただけるように開発しました」と石井氏。その中でも特に苦労したと語るのがパッケージ。ゴミを減らすことに加え、消費者に心地よく使ってもらえるよう、箱ではなくバブルパックを使用しているという。
「オンラインショップでお買い物をすると、段ボールに加えて緩衝材がたくさん入っていて地球にやさしくないだけでなく、分別して捨てるのがお客様の負担になる。そこで、緩衝材に外箱の役割も持たせれば分別の手間が省けるのではないかと考えました。弊社として初めての取り組みでしたが、従来に比べて80%ゴミを減らせ、使っている方は無理なくエコ活動に参加できるんです」(石井氏)
長年カミソリを販売してきた貝印株式会社。「選択の自由があることを伝えたい」と齊藤氏は語る。貝印は昨年、わき毛を見せるバーチャルモデルを使った「剃るに自由を」という広告が話題を呼んだ。固定概念に縛られずに商品を使ってほしいという想いが広告や商品には込められているという。
「紙カミソリも、日々使うものから環境に良いものを使用したい。といった新しい選択を提案できないか。という考え方から生まれた商品です。『女性はわき毛を剃るべきで男性は剃らないべき』といった偏見をひっくり返したいと思ってあの広告を出しました。剃るべき剃らないべきということではなくて、ジェンダーにとらわれずに剃る剃らないの選択をできるようにしたいなと思っています」(齊藤氏)
私たちが日々何気なく使っているものにも、ウェルビーイングを追求しようとする作り手の想いが込められている。機能や生産性だけでなく、心身が心地よさを感じる消費が世界を動かすのではないだろうか。
[b8ta]

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