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草の根の女性リーダーたちに光を。Champion of Change Japan Award大賞にデフサポの牧野友香子さん

第5回目「チャンピオン・オブ・チェンジ日本大賞」(CCJA: Champion of Change Japan Award)のファイナリスト7名

第5回目「チャンピオン・オブ・チェンジ日本大賞」(CCJA: Champion of Change Japan Award)の7名のファイナリストたち。

画像:MASHING UP

社会をよりよくするために活動する女性リーダーに光をあて、敬意を表するチャンピオン・オブ・チェンジ日本大賞(CCJA: Champion of Change Japan Award)第5回目の表彰式が、2021年12月10日にオンラインで行われた。

主催は、米国ボストンを拠点に1999年に設立されたフィッシュファミリー財団。ボストン近郊の移民や危険な状態にある若者の支援、女性リーダー育成、東日本大震災の復興支援など、さまざまな慈善事業を行っている。

式の冒頭、賞の設立者で、選考委員長の厚子・東光・フィッシュさんが、賞の意義についてこう語った。

「現在、多くの女性リーダーたちが、社会的に弱い立場にある人々のために様々な課題に取り組んでいます。その活動は人命を救い、日本の社会を活気づけ、徐々に変えています。日本の未来の素晴らしいリーダーたちである彼女たちの活動を広く社会に知ってもらうことで、彼女たちの志、インパクトを共有し、後につなぎ、社会に効果をもたらすことができると思っています」(フィッシュさん)

七人七色のファイナリストたち

表賞式には、過去最多という203件の推薦応募から選ばれた、7人のファイナリストたちが登壇した。彼女たちの活動を紹介したい。

全ての人が希望を語れる社会へ

秋元可愛さん写真

株式会社Blanket代表取締役 秋本可愛(かあい)さん。「社員はもちろん、介護リーダーズのコミュニティメンバー、全国全ての介護に関わる方々と共に受賞できた賞」と入賞を喜んだ。

画像:MASHING UP

「全ての人が希望を語れる社会」を目指し、介護・福祉事業者に特化した採用・育成支援事業を展開する株式会社Blanket代表取締役 秋本可愛(かあい)さん。行政や業界団体とも連携しながら採用力・実践力向上プログラムなどを実施し、人的・組織的課題の解決に取り組んでいる。また、介護職に志を持つ若者に向けた日本最大級のコミュニティ「KAIGO LEADERS」を運営するほか、介護に関する前向きな発信やイベント運営も行っている。

食料支援で繋がろう! 負の連鎖を断ち切り笑顔で一歩前進

ゴージャス 理枝さん

「縁を大切にし、情報交換をしながら、発信につなげたい」と、「女性を元気にする会」のゴージャス理枝さん。

画像:MASHING UP

負の連鎖を断ち切る」と「女性の自立支援」をコンセプトに、那覇市を拠点として「女性を元気にする会」を設立したゴージャス理枝さん。食料支援を通して孤立世帯や困窮世帯と繋がり、行政やその他の機関と繋ぐことで、自立に向けた支援を行っている。沖縄の現状と問題提起を発信し、現状を知ってもらうことでできる人ができる事をする、「ゆいまーる(助け合い)」のしくみを作った。

出会いは世界を広げる。トランスジェンダーの子どもたちに交流の場を

「トランスジェンダー生徒交流会」を開催する土肥(どひ)いつきさん

「トランスジェンダー生徒交流会」を開催する土肥(どひ)いつきさん。「一人の力ではできない。『集まろう』の呼びかけに応えてくれた沢山の方々のおかげでできたこと」と語った。トランスジェンダーの子どもたちの未来を支え、勇気を与える受賞となった。

画像:MASHING UP

性別違和を持つ児童生徒を対象に、2006年から「トランスジェンダー生徒交流会」を開催する土肥(どひ)いつきさん。日常で同じ立場の人と出会うことがほとんどないトランスジェンダーの子どもたちのために、保育園・幼稚園から高校生までが参加できる交流会を実施。仲間やロールモデルとなる先輩と出会い、自分らしく生きていくきっかけを届けている。

妊娠によって孤立することのない、誰もが幸せに生きていける社会へ

中島かおりさん

「誰もが自分の体のことを自分で決めることができ、その決断を否定されることなく、生きていっていいのだと思える社会を作っていきたい」と、NPO法人ピッコラーレの中島かおりさん。

画像:MASHING UP

児童虐待死事例で最も多いのは、生まれたその日に亡くなってしまう新生児。そのほとんどが、母子手帳未交付妊婦健診未受診という報告がある。中島かおりさんが代表理事を務める東京都のNPO法人ピッコラーレは、医療と福祉の専門家による相談支援窓口。孤立している妊婦や母子と繋がり、行政の窓口や病院への同行、一時的な居場所の提供を通して、社会の中に彼らの居場所をつくっている。「性と生殖の健康と権利(SRHR)」の概念を軸に、妊娠・出産を通して女性が孤立することなく、自由に幸せに生きていける社会の実現を目指す。

障がい者スポーツで社会を変える!

中山薫子さん

「スポーツを通して、障害のある子供たちに夢と勇気を与えたい」と、NPO法人パラキャン事務局長の中山薫子さん。「できないことではなく、できることを数えよう」と伝え続けている。

画像:MASHING UP

誰もが社会の一員として生き生きと暮らせる社会を目指す、NPO法人パラキャン事務局長の中山薫子さん。障がい者スポーツをモチーフにした教育・体験プログラムを企画運営している。障がい者スポーツを学ぶことで、できないことではなく、楽しいことや得意なことに目を向け、可能性を広げる大切さを伝えている。

難聴児の未来を華やかに!

牧野友香子さん

自らがリーダー、ロールモデルとなり、道を切り開いてきた株式会社デフサポの牧野友香子さん。その活動は多くの女性たちに希望を与え、一歩踏み出す勇気につながる。

画像:MASHING UP

教育環境における格差により、現在の日本には言葉を年齢相応に習得できない聴覚障害児が数多くいるという。言葉は思考力のもとであり、教育や社会参加の鍵だ。牧野友香子さんが代表取締役を務める株式会社デフサポでは、乳児のうちから保育者がどう関わって言葉を教えていけばいいのかを伝える教材を、言語レベルに合わせてセミオーダーメイドで作成。聴覚障害児の幼少期における言語習得をサポートし、将来の可能性を大きく広げている。

「心の貧困」まん延防止! あなたにも出来ることがある

山本康世さん

認定NPO法人オリーブの家の理事長を務める山本康世さん。「どんな難しい課題に直面しても、活動を続けることが一番大事。手を取り合い、活動を広げていくことでバタフライ効果を狙っていきたい」と述べた。

画像:MASHING UP

DV虐待被害や貧困状態にある女性や親子の自立をサポートし、笑顔を取り戻す支援をする認定NPO法人オリーブの家。理事長を務める山本康世さんは、心理カウンセラーとしてのメンタルサポートや啓発セミナーの実施、シェルターの提供、居住支援などを行い、助けを求めている人々に寄りそう活動を行っている。誰一人虐げられることなく、希望をもって生きることができる社会を目指して走り続けている。

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積極的なリーダーシップと行動力。素晴らしいヒーローの誕生

牧野友香子さん

第5回チャンピオン・オブ・チェンジ日本で大賞を受賞した牧野友香子さん。選考委員長の厚子・東光・フィッシュさんも画面越しにボストンからエールを送った。

画像:MASHING UP

7名のファイナリストの中から大賞に選ばれたのは、デフサポ牧野友香子さん。選考委員の山田泰久さんは、牧野さんの選考理由をこう語った。

「自身が聴覚障害を持ち、難病のお子さんを抱えながらも、積極的なリーダーシップと行動力を発揮し、聴覚障害者の子供たちへの教育のために事業をつくっていかれました。また、自らインフルエンサーとして聴覚障害のある方のライフスタイルなどを発信する情報発信力がすごい。障害のある方が起業し、自らがロールモデルとなり、非営利組織としてではなく、あえて株式会社として経営・運用を行っているという点が高く評価されました」

牧野さんは、「心より驚くとともに感謝しています」と述べ、今後の豊富を語った。

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「聴覚障害がありながら起業をしたり、社長になったりというロールモデルがなかなかいなかった。私自身が誰かに『こうなりたい、こんな人もいるんだ』と思ってもらえるよう、これからも頑張っていきたいです」(牧野さん)

選考委員長のフィッシュさんは、「素晴らしい7名の方のパッションや信念、その行動に感銘いたしました」と女性リーダーたちに祝いのハイタッチとエールを送り、

「大賞を受賞した牧野さんは、ご自身もハンディキャップと多くの困難を乗り越えられました。また、子供たちの痛みを理解して支援するという行動力とリーダーシップを携え、起業して新しいロールモデルになられた。素晴らしいヒーローの誕生だと思います」と牧野さんの功績をたたえた。

違いを認め合い、寛容に受け入れることが、新しい学び・創造を生み出すと信じています。牧野さんの活動はオープン、ポジティブ、インクルーシブ理念に見合う活動だと思います。これからも、より一層活動を広げていってもらえたら」(フィッシュさん)

牧野さんには、賞金100万円とティファニー社製クリスタルボウルが贈呈された。

チャンピオン・オブ・チェンジ日本大賞

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MASHING UP編集部
MASHING UP=インクルーシブな未来を拓く、メディア&コミュニティ。イベントやメディアを通じ、性別、業種、世代、国籍を超え多彩な人々と対話を深め、これからの社会や組織のかたち、未来のビジネスを考えていきます。

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