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Women’s Well-being Updates 2021

色をまとおう。それは気持ちを明るくし、自信をくれるから

Women'sWell-beingUpdates2021_トークセッション

メイクやファッションは、自由に個性を表現する手段だ。でも、「ピンクは女性的な色」「パステルカラーは膨張色だから着てはいけない」など、さまざまなバイアスにとらわれて、好きなファッションを楽しむことを避けてしまってはいないだろうか。

2021年6月26日のオンラインカンファレンス「Women's Well-being Updates 2021」では、「色をまとおう。ラベルにとらわれず自分をまるごと楽しむ」と題したトークセッションを開催。

登壇者は、パーソナルカラー診断も手がけるトータルビューティーアドバイザーの亜耶バネッサさん。ジェンダーニュートラルなアンダーウェアなどを開発し、男女の二元論にとらわれない自分らしいあり方を祝福するREING代表の大谷明日香さんをモデレーターに、ジェンダーや年齢、体型など既存のカテゴリから自分を解放し、ファッションを自由に楽しむ方法を語り合った。

「美の正解」は、誰が決めた?

トータルビューティーアドバイザーの亜耶バネッサさん

トータルビューティーアドバイザーの亜耶バネッサさん。「人はどんな姿でも美しい」と語る。

撮影:中山実華

開口一番に、「まず私は、ファッションは自分のウェルビーイングのために楽しむものだと思っています」とバネッサさん。

「私は出産で25kg太ったのですが、『どうしたら亜耶さんのように産後体型でも自信を持っていられるのですか』とSNSなどで質問をされることがあります。私も一時期は悩んだのですが、次第に、なぜ体型が戻るのを待つ必要があるのだろう。自分はどの瞬間も美しいはずで、誰が美の基準を決めたのだろう、と考えるようになったのです」(バネッサさん)

これに対し、「確かに、美の基準って、テレビや雑誌で『これが美しい』と言われてきた『正解』が、子どもの頃から刷り込まれていますよね」と大谷さん。

痩せていても太っていても、人はどんな姿でも美しい。そして好きなメイクやファッションをまとうことで心までハッピーになり、周りの人にも良い影響を与えられるのですから、体型にとらわれず、どんどんお洒落を楽しんだほうがいいと思っています」(バネッサさん)

左から大谷明日香さん、亜耶バネッサさん

撮影:中山実華

たとえば、二重まぶたにすることで自分の理想の顔に近づけるのなら、整形するのもいいだろう。だが、社会的なプレッシャーから整形を考えているのであれば、一度考え直してみる価値はあるはずだ。

「その点、メイクやファッションは、一時的に楽しんでその日のうちには脱ぎ去ってしまうもの。明日やるかどうかは自分次第です。だからこそ、自分にブレーキをかけるより、まずはチャレンジしてみたらいいのではないかと思います」(バネッサさん)

社会的な「正解」イメージを問い直す

REING代表の大谷明日香さん

REING代表の大谷明日香さん。社会的にインプットされてきた「正解」を疑おう、と語る。

撮影:中山実華

「『こうじゃなければいけない』という社会的イメージってたくさんありますよね」と大谷さん。例えば、広告でも、結婚は男女のカップルがするものと決めつけられている。

「だから私たちは、男女を前提としないパートナーリングを作りました。ジェンダーニュートラルな下着を作ったのも、『ブラジャーって本当に“女性”だけのためのものなの?』と問い直したかったからです」(大谷さん)

ここで、「私もメイクをしながら『こうすると女性らしくなります』と言うことがあるのですが、それはいいのでしょうか?」とバネッサさん。

「もちろん、それを一概に否定するのではありません。でも、今まで社会的にインプットされてきた『正解』のイメージを、一度問い直してみてはどうだろう、というのが私たちの提案です」(大谷さん)

最もバイアスを持ちやすい色が「ピンク」

大谷明日香さん

人々のジェンダーバイアスを解くために、ピンク色の商品を開発した、と大谷さん。

撮影:中山実華

私たちは、色に対してもバイアスを抱きがちだ。

REINGで行った調査で、コミュニティメンバーが最もジェンダーバイアスを持っている色と判明したのがピンクだという。

「女の子らしい色というイメージで着づらいとか、男性が着ると『変なコンセプトだと思われる』とか。そんな個々人から上がった声で見えたバイアスを取り除きたくて、私たちはリミットレスピンクという名称で、ピンクのアンダーウェアを作りました。私自身、子どもの頃はピンクが苦手だったのですが、その企画を通してピンクへの見方が変わり、今では積極的に着るようになりました」(大谷さん)

知識を得ることで、楽しむ自由を得る

亜耶バネッサさん

パーソナルカラー診断で似合う色を知ることで、よりお洒落を楽しめる、とバネッサさん。

撮影:中山実華

バネッサさんが提案するパーソナルカラー診断では、目や髪、肌の色に調和する色を、四季の名前がついた4つのカテゴリタイプに分類し、春のタイプなら明るくてビビットな色、夏なら明るくて柔らかな色、というように、その人に似合う色を診断する

「診断によって決められたくない、という人もいますが、カラー診断は、あくまで自分に似合いやすい色を見つけるため。自分に似合う色を理解すると、今日は奇抜なファッションをしたいな、というときはあえて反対の色を着るなど、自信を持って冒険することができるのです」(バネッサさん)

社会的バイアスを問い直し、自分に似合う色を知識として理解した上で、好きな色を選択する。ポジティブに色を楽しむことが心の解放につながるのなら、ぜひチャレンジしてみてはいかがだろうか。

「色をまとおう。ラベルにとらわれず自分をまるごと楽しむ」登壇者

撮影:中山実華

Women's Well-being Updates 2021

色をまとおう。ラベルにとらわれず自分をまるごと楽しむ
大谷明日香(REING代表)、亜耶バネッサ(トータルビューティーアドバイザー)

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中島理恵
ライター。神戸大学国際文化学部卒業。イギリス留学中にアフリカの貧困問題についての報道記事に感銘を受け、ライターの道を目指す。出版社勤務を経て独立し、ライフスタイル、ビジネス、環境、国際問題など幅広いジャンルで執筆、編集を手がける。

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