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ずっと伴走していけるパートナーでありたい。オールラウンダーエージェントを目指し、人生のターニングポイントを支える

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森本さんの顔写真

画像提供/みんなのエージェント

求職者が自分にあった転職エージェントを自ら選ぶことができるマッチングサービス「みんなのエージェント」。登録エージェントの1人として名を連ねる森本千賀子さんは、2017年にmorichを設立し、CxO(Chief x Officer:組織の責任者や執行役などの役職を持っている人)などのエグゼクティブ層を中心に、転職・中途採用支援を行っている。転職エージェントの枠を超えたオールラウンドな活躍ぶりに、多くのメディアから引く手あまたな森本さんが、仕事にかける想いを語る。

森本 千賀子(もりもと・ちかこ)
獨協大学卒業後、リクルート人材センター(現・リクルート)入社。転職エージェントとして人材戦略コンサルティング、採用支援サポート全般を手がける。入社1年目にして営業成績1位、全社MVPを受賞。2017年に(株)morichを設立し独立。CxO等エグゼクティブ層の採用支援を中心に、スタートアップやNPOの経営アドバイスなど社外取締役・理事・顧問などを歴任。「プロフェッショナル~仕事の流儀~」、「ガイアの夜明け」等メディア出演、各種講演や執筆など活動領域を広げている。著書多数。

転職エージェントの道に進むきっかけとなった、ふたつの出来事

転職市場の黎明期から、転職エージェントとして、多くの人材に向き合い続けてきた森本さん。メディア露出や講演活動などの情報発信を通し、今や人材業界で知らぬ者はいないほどの存在だ。森本さんが転職エージェントという道を歩むに至った背景には、ふたつのきっかけがあった。

「ひとつは父の存在です。休日になると、中小企業の経営をしていた父の会社でアルバイトをし、会社に向かう車中でいろいろなことを話しました。経営者って孤独なことが多いのですが、仕事上でのさまざまな悩みも私には話してくれていて。

大好きな父が、経営資源でもあるヒト・モノ・カネのうち、ヒトにすごく苦労をしていました。なかなかいい人を採用できない、やっと採用できたと思ってもすぐにやめてしまう。いつもヒトに関することに苦労していたことが、今でも強く印象に残っています。

幼いころから、私がやりたいと思ったことはすべて、なんの制約もなく背中を押してくれた父への恩返しがしたくて、彼が一番苦労していた“ヒトの部分”で社会に貢献したい、と思ったことが原体験ですね」

そしてもうひとつは、大学時代に出会った一冊の本。アメリカにおける人材ビジネスのことが書かれていたその本の内容に、森本さんは衝撃を受けた。同時に、現在に至る仕事のヒントを得る。

「当時の日本は、終身雇用が当たり前の時代。それが本の中には、アメリカではヒトが自由に転職をしながら、自らをバリューアップし始めている、それに関連する業界も活況になってきていると書かれていたんです。近い将来、日本にもこんな時代が来るのではないか……。そうピンときました」

こうして人材ビジネスに興味を持った森本さんは、リクルートの子会社であるリクルート人材センター(現・リクルート)に入社。「転職=アウェー」というネガティブなイメージが先行し、ひとつの会社で定年まで勤め上げることが当たり前であるといわれていた時代。家族をはじめ、周囲の人たちから全方位で反対された、という転職希望者も少なくなかったという。

「もともとは、父のような世の中の経営者や中小企業を応援したい、という想いで企業側の支援をしていましたが、2010年にリクルートエグゼクティブエージェントというCxOをはじめとするエグゼクティブ層のキャリア支援をするグループ会社に出向したことを機に、企業だけでなく求職者側のサポートも自分自身のミッションとして掲げ、取り組むようになりました

転職は、一人の人生を大きく変えうる重要なターニングポイント。採用する企業にとっても同じだ。それだけに一つひとつに思い入れがあり、担当した案件についてはすべて覚えていると森本さんは思いを馳せる。

「社長案件を決めたとか、世の中への影響力が大きい企業の再生に携わったとか、インパクトのあるエピソードはたくさんあります。一方で、『もう一度、新たな人生のスタートを切りたい』という60歳近い方を紹介したり、大きなキャリアチェンジをサポートしたりしたことも忘れられません。本当に、すべてに思い入れを持ってやってきましたから

「先入観を持たない」「自分のすべてをさらけ出す」。森本さんの流儀ここにあり

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求職者一人ひとりの心の声に耳を傾け、本人も気づかなかったような「大切にしている価値観」を紐解く。その結果、それまでのキャリアにとらわれず越境転職を成功させる人も少なくない、と語る。

画像提供/みんなのエージェント

リクルートキャリア時代、MVPやグッドプラクティス賞など、30回を超える受賞を果たした森本さん。常に意識しているのは、「先入観を持たない」こと。じつに3万人以上と対話し、新たな道へとサポートしてきたからこそ、大切にしているポリシーだ。

「私は求職者との面談に臨む際、あえて事前にレジュメを読み込む事をしていません。会ったそのときに初めて目にすることが多いんですよ。というのも、相手の方と実際に会って話をする前に、余計な先入観を持たないためです。先入観って、持った瞬間からいろいろな制約条件を無意識に設定してしまうんですよね。

私の場合はとくに、経験してきた事例が多いので、これまでの傾向から、『こういう人は、こういう業界に行きたがらない』とか、『この業界の人には、このジャンルの仕事が向いている』と勝手に自分の中でステレオタイプとしてつくり込んでしまいがち。バイアスが可能性を摘んでしまうのです。エージェントして最も注意しなきゃいけないことです」

今でこそ、異業種への越境転職はめずらしくないが、森本さんは以前から「非連続のキャリア」を流儀としてきた。転職を選択したのであれば、前職の延長線上では意味がない。そうであれば今の環境で頑張ればいい。そのほう方がバリューアップできる可能性も高い場合が多い。まったく違うジャンルに飛び込むことで、その人にとっては更に成長できる。そう確信している。

「これまでに、越境転職をして成功したり飛躍したりする人をたくさん見てきました。だからこそ、先入観を持たず、予定調和ではない選択肢を提供したい。今活躍している分野での転職先なら、自分で想定もできるし、探そうと思えば思いつくじゃないですか。皆さんがわざわざ転職エージェントを頼ってくるということは、自分では見つけられない選択肢を提案してほしい、という期待の表れだと思うのです。延長線上ではない、非連続のキャリアになるような提案を心がけています」

とはいえ、本人が気づいていない、しかも納得するようなキャリアの提案は容易ではない。森本さんは、求職者の心の声に耳を傾け、本人も気づき得なかった「本当に大切なもの」を丁寧に紐解いていく

「ご本人のwill、can、mustを引き出し確認していくと、本当にその業界、その職種にこだわる必要があるのか?が見えてきます。そのうえで、こういう形で価値を発見することもできるよ、こうすると違った世界が見えるのでは……といった可能性を一緒に探します。

ただし、私はいくつかの選択肢を提供しますが、最終的には本人が納得する形で決断しないとうまくいかない。新しい世界に飛び込んだとき、誰しもカルチャーショックはありますし、100%思い通りに進むとは限りません。それをアジャストしながら、自分自身で選んで決断した道を正解にしていくことが大事なんです。正解の選択肢を求めるのではなく、自分がとった選択肢を正解にする。だからこそ、『自分自身で選んだ』という気持ちになって覚悟を持ってもらうことを大切にしています」

もうひとつ、森本さんが必ず意識していることがある。それは求職者に対して、自分のすべてをさらけ出すということ。そのため、自身のホームページなどでも、経歴から仕事にかける想いまですべての情報を発信するようにしている。

「本人が納得する転職先を探し求めるには、その人の詳細な情報を、ポジティブな面だけでなく、ネガティブな部分や苦手なことまでも引き出し、理解する必要があります。でも、担当者である私が何者かわからない状態では、ネガティブなことも含め、自分のすべてをさらけ出すことはできません。相手のことをよく知らないまま自分のことをさらけ出すなんて、怖くはありませんか?

だから、面談前にはHPのURLを事前に送った上で、私はこういった人間ですと伝えています。当日に顔を合わせた段階で、相手が私のことをよく知っている状態にしておきたいんです。いわば、心理的に安全な環境づくりですね。私はいろいろなところで自分のことをオープンにしていますから、もう丸裸状態(笑)。だからこそ、相手もすべてを見せてくれるんです」

嘘偽りなく、相手と密なコミュニケーションを。頼られる存在でいられるゆえん

インタビューの質問に答える森本さん

求職者には、紹介企業のかなり詳細な情報まで伝えるようにしている。そのためには、企業への徹底的なリサーチと、担当者との密な関係性が欠かせない。時には現場を見に行くことも辞さないという。

画像提供/みんなのエージェント

「自分は万人にとって最高のエージェントではない」と森本さんは言う。確固たるポリシーを持ち、すべての案件に真摯に向き合ってきた森本さんがそう語るのには、理由がある。

それは、限りある時間の中で、お互いがベストな関係でいられること——エージェントそれぞれが強みとする領域において、相手が抱えている課題解決に直結するような情報提供や伴走ができることこそが、あるべき姿だからだ。

「私のお客様のほとんどは、経営者や社長といった方々なんです。そうすると、求めるのはおのずと、経営者たちが会いたいと思う人材、つまりCxOといった『自分の同志』なんですよね。さらに、彼らは会社が抱えている課題解決に直結するような人を求めています。そのニーズに応えるためには、同じ観点で見渡して、求職者の方をご紹介するようにしています

相手が求める人材を見つけ、パイプ役となるには、お客様である企業のことをよく知らないことには始まらない。そのためには、担当者とコミュニケーションを重ね、時には現場を見に行く時間も惜しまないという。もちろん、詳細なリサーチや情報収集も欠かさない。

「何より、人材の採用において最終的な意思決定者に会うことを大切にしています。最終決定者が、そもそもどんなバックグラウンドで、何を大事に思いどんな人生観や仕事観をもっているのか。また、創業背景や、今のビジネスの中で大事にしていること。どんなニーズを持っていて、どういった基準で採用をジャッジするのかを把握したうえで、求職者の方にご紹介するようにしているんです」

そんな綿密なリサーチと密な関係性を築き上げているからこそ、求職者には、かなり詳細な企業の情報までを伝えることができる。

「良い面ばかりを言おうとは思っていなくて、真実をそのまま伝えるようにしています。たとえば『休みがたくさんとれる』という事実に対して、『休みが多いなんてラッキー』だと思う人もいれば、『もっとバリバリ仕事がしたい』と感じる人もいますよね。ですから、私の価値観で良い悪いという表現を使わないようにすること、この点は意識しています。あくまでも、求職者が気づいていない企業の一面を、情報やコンテンツとして届ける、というスタンスです」

さらに、企業や社長が困っている話を、積極的に求職者にするという点も、森本さんらしいところ。

「私がお会いしている方たちの傾向だと思うのですが、勢いのある会社よりも、いま課題を抱えている会社を探している人が多いんですよ。順調であれば、自分は必要ないですよねって(笑)。『この会社は、こんな課題があって、足りない部分はこういうところです、だからあなたが必要なんです』というお話をすることのほうが多いですし、『火中の栗を拾う』ことにやりがいを感じる方が非常に多いのも事実です」

「困ったときの“もりち”」であるために。これからも新たな未来を切り拓く

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転職に限らず、あらゆる困りごとに寄り添う人間でありたい、と森本さん。

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森本さんが、今目指すのは「オールラウンダーエージェント」。すでにエージェントとしての地位を確立している森本さんは、転職に限らず、あらゆる困りごとに対応できる存在でありたいと笑顔を見せる。

「私のブランドビジョンは、『困ったときの“もりち”』です。ありとあらゆる困りごとが発生したとき、一番に想起されるような人でありたい。ありがたいことに、日々いろいろな人たちから相談事が寄せられるのですが、その中でもとくに私が得意としている領域が『キャリア』なんですよね。

ですから、転職して終わりではなく、その先もずっと伴走していけるようなパートナーでありたいと常に思っています。紹介した会社を卒業して、また新しいフィールドで仕事がしたいという方から、再び連絡をいただくこともすごく多いですね」

人に向き合って語り合い、人に寄り添って伴走し続けてきた森本さんは、変化の激しいこの時代を前向きに見つめている。

「コロナのパンデミックによってもそうですし、時代はものすごいスピードで加速しながら変わっていきます。これから新しい雇用がどんどん生まれていきますし、そういった選択肢を選ぶ人も増えるでしょう。そんな新たな働き方を、私自身がつくり出していけたらいいなと思っています。

昔のような、正社員で、朝から夜まで拘束されて、一つの会社でずっと働き続ける人生じゃなくていいじゃないですか。今だって、副業もあればフリーランスという選択肢もあります。もっともっと理想的な働き方が生まれてもいいと思っているので、そういったものをつくり出す側でありたいです」

現在の日本は、森本さんが大学時代に感銘を受けたビジネス書通りの状況になった。森本さん自身がそうなるように動いてきた、といっても過言ではないかもしれない。そしてここからは、さらなる新しいストーリーのはじまりだ。

誰もが働きやすく、イキイキとできる世の中になるように。そして、困ったらいつでも声をかけてもらえるように。森本さんの挑戦はまだまだ続く。

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