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環境問題に本気で取り組む大企業は具体的にどんなことをしているのか、アップルに聞いた

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Image via Getty Images

気候変動をおさえるために、企業の努力がますます強く求められている。世界規模で展開する巨大企業は、どのような取り組みを行っているのだろうか。

早期から環境問題にコミットし、企業活動全体において既にカーボンニュートラルを達成しているアップルは今、2030年までにカーボンニュートラルな製品をつくる目標に向かっている。

サーキュラーエコノミー、気候変動に関連する直近の取り組みについて、アップル環境およびサプライチェーン・イノベーション担当シニアディレクターのサラ・チャンドラー(Sarah Chandler)さんがレポートした。

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アップル環境およびサプライチェーン・イノベーション担当シニアディレクター サラ・チャンドラー(Sarah Chandler)さん

画像提供:アップル

2030年までに全サプライチェーンをクリーンエネルギーに

世界各地に拠点を置くアップルでは、2021年の1年間でサプライヤー(関連企業)のクリーン電力使用量が2倍以上に上昇した。これは、今後数年間にわたる取り組み全体で達成する見込みのうち、すでに半分以上を達成している計算だ。さらに、これらの再生可能プロジェクトにより、1,390万トンの二酸化炭素排出の削減に成功しており、それにより削減できる温室効果ガスは、年間300万台の自動車が排出する量に相当するという。

なぜこのような成果が出せたのか。アップルは、2030年までにサプライチェーン全体で使用される電力をクリーンなものにするというゴールに向け、世界中のサプライチェーンと継続的に連携している。現時点で、アップルの主要な製造パートナーのうち213社が、25カ国でアップル製品の製造をすべて再生可能電力でまかなうことを約束している。日本でも、サプライヤーである19社が、再生可能電力を使って部品の製造を行っており、その数は、2021年に比べ3倍に増えている。

「クローズドループ」の実現に向け、サーキュラーな調達を

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Image via Getty Images

アップルは、部品の調達についても透明性の向上に努めている。同社が掲げるのが、ユーザーが使い終わった製品を回収し、リサイクル素材や再利用可能な資源のみを使って製品をつくる循環型サプライチェーンモデル「クローズドループ」。これまでのリニアな材料調達方法から脱却し、使用済みの製品が、再び新たな製品をつくる際の材料として使われる循環を目指している。

「リサイクルされた材料と、再生可能な調達による材料のみでつくり、いったんつくったら終わりではなく、この循環型のループを何度も循環していくのが目指すゴールだ」とチャンドラーさん。

部品の再利用について、アップルは、環境/社会/グローバルな供給インパクトという観点からデータに基づいた分析を実施。そして、45の部品やコンポーネントの項目のうち、タングステンやアルミニウムなど、優先順位の高い14項目から取り組んでいくことを発表した。なお、これらの14項目は現在同社が年間で出荷する質量の90%を占めるといい、再利用に取り組むことで大きなインパクトを出すことが期待できる。

そして、最終的には製品自体の長寿化を目指すという。「耐久性の良いデバイスは、環境にも、消費者にとっても良い」(チャンドラーさん)とし、毎日の使用に耐え、メンテナンスや修理が少なくて済むよう製品の設計の最適化を図っている。

リサイクルを支えるロボットテクノロジー

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iPhone分解ロボットの「Daisy」。Daisyは年間最大120万台のiPhoneを分解でき、より多くの貴重な素材をリサイクル用に回収するために役立っている。

画像提供:アップル

このようなアップルのリサイクルの効率化と最適化を支えるのが、分解ロボットの存在だ。

たとえば、オーディオモジュールから磁石を分離し、より多くの希土類元素を回収する装置「Taz」。また、23のモデルを分解できるようになったiPhone分解ロボット「Daisy」、貴重な希土類磁石、タングステン、鋼鉄の回収に役立つ「Dave」など。これらのロボット達の活躍によってリサイクルされた希土類磁石、タングステン、コバルトの使用量は2倍に増え、2021年には全ての材料の20%がリサイクル部品に置き換わったとチャンドラーさんは話す。

ほかにも、一部の製品にはペットボトル由来のプラスチックを使用したパーツを採用するなど、あらゆる原材料において環境に配慮。アップルは、2025年までにパッケージに関してもプラスチックフリーを達成する目標を掲げている。

現在アップルでは、2022年5月31日まで対象のアップル製デバイスを下取りに出すと、新しいデバイスがさらに割引になるキャンペーンを実施中。リサイクルを通して、また新たな次の製品を生み出すことができるクローズドループに参加してみてはいかがだろうか。

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MASHING UP編集部
MASHING UP=インクルーシブな未来を拓く、メディア&コミュニティ。イベントやメディアを通じ、性別、業種、世代、国籍を超え多彩な人々と対話を深め、これからの社会や組織のかたち、未来のビジネスを考えていきます。

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