SK-Ⅱと渋谷区、女性起業家コミュニティを運営するmeeTalkが連携し、2日間に渡る女性起業家支援プログラム「女性起業家支援プログラム #CHANGEDESTINY」を2022年6月22日、23日(木)にオンラインで開催した。
対象は、新型コロナウィルス感染症の影響を受けた、東京で中小ビジネスを経営する女性起業家や事業主。「学ぶ」「つながる」「発信する」という3つのアプローチで女性起業家が事業を前進させるスキルアップ支援プログラムだ。
1日目にオンラインで開催されたトークセッション「コロナ禍にどう挑むか?オフラインビジネス起業家の有事のグロース戦略」には、育児・家事支援サービス「東京かあさん」を運営するぴんぴんころり代表取締役の小日向えりさん、遊び予約サイト「アソビュー!」を運営するアソビュー代表取締役CEO の山野智久さんが登壇。フォースタートアップス執行役員の鈴木聡子さんのモデレートのもと、コロナ禍を乗り越えた経営施策などを紹介した。
コロナ禍でも解約率が下がらなかった
ぴんぴんころり代表取締役の小日向えりさん。
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——新型コロナウイルスの感染拡大は中小企業にも大きな影響を及ぼしたと思われます。みなさんの事業はどうでしたか?
山野さん:2020年4月の緊急事態宣言で、お出かけ支援の事業はマーケットが消滅しました。4月、5月の売り上げがゼロになり、順調に進んでいた投資の話も白紙撤回となりました。資金調達の道が完全に断たれてしまったんです。
小日向さん:弊社の場合、家事・育児代行サービスである「東京かあさん」が、右肩上がりに伸びているところにコロナがやってきました。「かあさん」として登録している会員は、平均年齢67歳。個人の家庭を訪問し育児家事をサポートするという仕事なので、感染を恐れて6割が休会してしまいました。サービス開始時から初めて売り上げが下がり、新規の申し込みもストップしました。
——事業継続のためにどのような対処をしましたか?
山野さん: 3月の中旬に「事業存続の危機」と判断しました。そして葛藤のなかで「後悔しない選択」をしたいと思い、「会社を存続させる」「雇用を維持する」の2つだけは守ると覚悟を決めました。
小日向さん:私はまず、情報収集をして、事業計画を立て直すことを考えました。そこで、手作りの料理をお届けする「おふくろ便」という新規サービスを立ち上げることに。それと同時進行でプランBも考えていました。
実は起業前、私は歴史アイドルとして芸能活動をしていたんですが、当時も仕事が減った時期があったんです。しかし落ち込むのではなく、「ゆっくり勉強できる時間ができた」と、好機と捉えていました。今回も、今だからできることは何かを考え、インプットに集中する時期にしていましたね。社員に対しても「ピンチにはメリットや光もあるはず」と伝え続けました。実際、チームでカスタマーサクセスの勉強をして、チャーンレート(解約率)を下げることに成功しました。
平時からのつきあいがピンチを支えてくれた
アソビュー代表取締役CEO の山野智久さん。
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──厳しい状況の中、事業を諦めなかったのは何が決め手でしたか?
山野さん:アソビューは「生きるに、遊びを。」をミッションに掲げているのですが、「われわれの仕事は世の中をよくする」という確信がありました。それから、経営者としての責任感ですね。
そして、何より支えてくれたのは平時から培ってきた人間関係、人とのつながりです。困っているときほど、自分ではどうにもならないことも多いので。
ある時「雇用シェア」というアイデアを思いついたんです。アソビューの社員に期間限定で他社に「出向」してもらい、出向先に給与を支払ってもらう、というものです。雇用を維持したままコスト削減ができる。
10年来の親友であるランサーズ代表の秋好陽介に相談を持ちかけたら、「いいじゃん、うちが受け入れるよ」と背中を押してくれました。他にも「がんばってほしいから発注するよ」と声をかけて応援してくれた人々がたくさんいました。人とのつながりがあったからこそ一歩前に進むことができたと思いますね。
小日向さん:私の場合は、今までのキャリアにおいて「人に喜んでもらう、笑顔を届ける」という価値観が一貫してあるんです。「情けは人のためならず」ではないですが、常日頃からGIVE、利他の精神を持っていたら、いつか返ってくるかな、と信じてやってきました。
ストレスとうまく共存を。困難は乗り越えられる!
困難に直面したときにメンタルを保つコツを把握しておくことも、経営者には重要だ。
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──困難に直面した時のメンタルは? 保つ秘訣はありますか。
山野さん:メンタルを折れないように保つことが大事だと思います。私の場合は、ランニングや筋トレで肉体を追い込んで、懸案事項を考えない時間を作ります。あとは、カレーや麻婆豆腐など、料理をしながらビールを飲んでリフレッシュすることも。自分に厳しいと人にも厳しくなってしまうので、自分に優しくする時間は大切。「よしよし。よくがんばってるよ」とメッセージを与えて、自分を大事にすることを心掛けています。
小日向さん:私は、メンタルは「筋トレのように強くするというより、トラブルにどう上手に対処できるかが鍵」だと思っていますね。そこで、心を柔軟に、たおやかに保つことを常に意識しています。心がポキッと折れてしまわないように、ストレスや問題とうまく共存していくという感じですね。
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