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地方と都市の新たな関係性を。ハチハチ・日建設計・ロフトワークが「Q0」を合同で設立

日建設計の大松さん、ハチハチの林さん、ロフトワークの諏訪さんの写真

画像提供:Q0

2022年9月9日、生活者の視点に立脚しデザインによる課題解決を率いてきた林千晶さんが代表を務めるハチハチ、まちづくりを通じて社会価値を創出してきた日建設計、クリエイターとともに地方にある資源や人の可能性を生み出すプロジェクトを行ってきたロフトワークの3社が「地方と都市の新たな関係性をつくる」ことを目的とし、Q0(キューゼロ)を合同で設立した。

Q0の名前は、問いである「Question」、そしてゼロエネルギー化を意味する「ゼロ(0)」、それぞれの頭文字を組み合わせたもの。

いくつかの地域を拠点に、地元企業や創造的なリーダーとコラボレーションを行いながら、持続可能な未来を目指した実験的なプロジェクトを企画・実装し、時代を代表するような「継承される地域」のデザインを目指す。

9月8日に行われた記者会見では、設立の背景や取り組みに込める想いを、ハチハチ代表取締役の林千晶さん、日建設計代表取締役社長の大松敦さん、ロフトワーク代表取締役社長の諏訪光洋さん、日建設計取締役常務執行役員 都市・社会基盤部門統括の奥森清喜さんが語った。

経験やノウハウを掛け合わせ、地域の可能性を開拓

日本の地方には、高齢化・過疎・産業力の低下や空洞化など、多くの課題が都市部に先行して存在する。一方で、世界から高く評価されている日本の文化の多くもまた、地方に存在している。

ハチハチ、日建設計、ロフトワーク、3社の持つ経験やノウハウを掛け合わせ、Q0は「地方と都市の“あいだ”」へと眼差しを向けることで、環境やサステナビリティをはじめとする社会の諸課題を解決する糸口を探る。そして、実践的な取り組みのもと成長可能な事業を作り、地域の可能性を開拓していくことを目指す。

Q0で代表取締役社長となる林さんは、「地方」に注目する理由をこう語る。

「これまでの私の22年間における活動の中心は、脈拍が大きく聞こえるような“動脈”である都市部にありました。しかし、“静脈”である、東北や北陸、山陰など地方においても地域の営みは確実に行われています。

人間は動脈と静脈、同じ血の量が合わさって生きている。そういう意味で、Q0では特にローカルな活動に注目していきたいと思っています」(林さん)

「Listen、Design、Zero Energy」の3本柱で地域プロジェクトを実装し、情報発信を行う

秋田県にかほ市の牧場の様子

秋田県にかほ市では、放牧経産牛を扱う畜産農家とともに、次世代に継承される食を含めたサーキュラーエコノミーの構築を考えるプロジェクトを展開予定。

画像提供:Q0

Q0では、 下記の基本方針をもとに、主に2つの活動を行っていく。

Listen(地域に足を運び、今まで聞こえなかった声に耳を傾け、問いかけ、対話をする)
Design(人・場・活動を巻き込み、継承される魅力的な地域をデザインする)
Zero Energy(エネルギー収支を考え、地球にやさしい施策を実施する)

1つ目は、地域でのプロジェクト実装。地域課題の解決につながるプロジェクトの企画・実装や運営をサポートし、地方と都市の新たな関係を構築する。

まずは秋田県と富山県を活動拠点とし、秋田市、にかほ市、富山市、南砺市の4つのエリアで、ゼロエネルギー化やサーキュラーエコノミーの構築を考えるプロジェクトなどをスタートさせる予定だ

そして2つ目は、地域プロジェクトを束ね、WEBやイベントを通した情報発信。地方だけに留まらず、オンラインや都市の情報発信力を使って活動。また、Q0メンバーシップを立ち上げ、互いに知見を共有しながら、地域活性化のための新しいプロセスやルールを議論していく。

都市と地方、そして人と人をつなぐようなハブに

記者会見の様子

写真左から、日建設計の奥森さん、ハチハチの林さん、日建設計の大松さん、ロフトワークの諏訪さん。

画像提供:Q0

最後に、3社の代表がそれぞれのQ0にかける想いを語る。

「“地方”と呼ぶと、急に遠くなる。でも“地域”と表すと、毎朝『おはよう』と声をかけたくなるおばさんやおじさんの笑顔、白い泡をはきながら往来する波や海、真冬に一面を覆ってしまう神々しい白い雪がふっと消えてしまい、具体性に欠けてしまう。

人口減少の時代に入り、どう人口を維持していくのか、どう経済をまわしていくのか、日本は問われている。地方は問題の最先端とも言える。でも地方、あるいは田舎の魅力は変わらずにあることも確かだ。地方の魅力をもう一度定義し、都市との関係で読み解く中で、継承される地域をデザインしてみたい」(林さん)

「日建設計は社会環境デザインプラットフォームに向けて進化している。そのためには社会課題に対する感性を磨き続けなければならないが、都会で仕事をしていると案外難しい。大きなプロジェクトの部分を最適化することに囚われて、つい全体像を見失ってしまうこともある。

地方の魅力は自らの視点を大切にして、地域の社会課題解決に取り組む環境があること。そんな環境だからこそゼロエネルギーへの道筋が見えたプロジェクトもあった。地域の環境に飛び込み、さまざまな人たちとの交流を通じて自らの五感を刺激することで、ひとりの生活者として社会課題解決の全体像をイメージする。Q0は、そんな機会をたくさんつくり、人が生まれ、繋がるハブとしていきたい」(大松さん)

「地方企業のデザイン経営を支援するプログラム、地方大学のキャンパスのコンセプト策定、茨城の芸術祭、諏訪市など地方行政との取り組み、今年7年目を迎えた飛騨市との官民共同事業体『飛騨の森でクマは踊る』。気がつけばロフトワークもたくさんの地域プロジェクトに取り組んできた。

そこで思うことは“必勝法“がないこと。地域には、必ず核と原石となる人と魅力がある、けれど気づかれていない。語りかけるべき人々は誰だろう? 原石をどう磨こう? どんなコミュニティが必要だろう? このQ0が、日本全国に『なんか最近、あそこいいよね』と思わせていく取り組みになればいいなと思っている」(諏訪さん)

Q0の活動は、ただ「解決策を提案する」「ビジネスの機会を発見する」ことに限らない。解決の道筋を見出す「人」をみつけ、都市と地域をつなぐ実験的な活動の「場」を創造し、より多くの人を巻き込みながら成長する「コミュニティ」を生み出すことを目指していくという。

Q0

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MASHING UP編集部
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